第一話:魔界から降り立つ赤い月
「…今貴様、なんと言った」
ここは、人間界。ただの人間達が暮らす、変哲もないただの世界。
そんなただの世界に、一体の悪魔が舞い降りてきた。
下には魔法陣、周りには危ない気配しかしない魔力の数々。あまりにも悪魔らしい。
…だが、魔法陣がある、ということは、その悪魔の正体は誰かに召喚されたものだった。
そう、そんなただの人間界で、只者ではないことをしでかした人物、それが…
『だぁから、俺を”魔界”に連れてけって言ってんの』
…この、
「…いきなり人間に召喚されて、どんな願いをされるのかと思ったが…相当恐れ知らずの人間と出会ったみたいだな」
『それは褒め言葉として認識していいんだな?悪魔に褒められるとか、とても誇らしい気分だ』
「恐れ知らずなだけではなく、おまけにバカか……はぁ、それで、貴様の願いは魔界に行きたい、ということでいいのだな?」
悪魔は魁雅の願いを改めて確認してくる。当たり前だ。
そもそも悪魔を召喚する人間など、願いを叶えるという条件がついていてもなおそうそう現れないだろう。
『何度もそう言ってんじゃん』
「ならば問おう、何故貴様はそこまで魔界に行きたがる。まともなところではないということぐらいは、貴様でもわかっているだろうに」
『うーん、まぁそうだな…好きなものがたくさんあるから、とでも言っておこう』
「…なるほど、理解した」
悪魔は一度うなづいて、魁雅の方を見てきた
「…それでは、貴様の願いを叶えてやろう」
『おっ、マジで!?』
「だが、これはあくまで契約。それ相応の対価は払ってもらうぞ」
『えぇ、ダル…悪魔ってそんなケチなの…?』
「願いを叶えるんだぞ。それぐらいは妥当だ。貴様、そんなことも知らずに召喚したのか?本当にバカなのだな…」
魁雅は少しムッとなりながらも、うーんと考え込んだ。
いきなり対価が必要と言われて悩んでしまうのは当然。
『…あ、じゃあさ…』
『俺の体、お前の住処にしてやってもいいよ』
「…は?」
__________________________________________
『…んで、俺は魔界に行けたってわけ』
「「「バカなのかお前はッッ!?」」」
『うるさっ!お前等まで言うか!?』
…ここは魔界だと思った?残念、人間界なんだよな。しかも、絶賛学校生活満喫(?)中。
どうも、魔界の赤い月こと紅月魁雅です。
しかもしかも、入った学校がよりによってヒーロー育成学校
そう、なんだかんだ言って、俺は結局人間界に住んでいる。
まぁ、そのなんだかんだの間がクッッッソ長いのだが。まぁ一年間以上はあるな。
そして、今目の前で叫び散らかしてたのは、同じクラスメイトの切島鋭児郎、上鳴電気、瀬呂範太の三馬鹿だ。
俺は魔界から来た!ってカミングアウトしたら、この三人が一目散にこっちによってきた。
「なんでわざわざ悪魔に身を捧げる!?もっと他にあったろ他に!」
『じゃあ上鳴、お前は俺と同じ場面になったとして、何を差し出す?』
「そ、そりゃあ何も無いかもしれねぇけど…」
『だろ。あくまで、その場の最良の決断をしたまで』
「いやそれでも、少しは危ねえとか思わなかったのかよお前は」
切島がその場で皆が聞きたがっていたであろう質問をしてきた。
『いやまぁ、流石に多少は危険だと思ったけど、それよりもワンチャンコイツを利用できるんじゃねぇかなって考えのほうが強かったな』
瀬呂「うわ…ま、実際そういう結果になってるからな…」
『そう、その通り。結果良ければ全てよしだ』
「ってか触れてなかったけど、なんでお前は魔界からまた人間界に来たんだよ」
『あぁそれ、俺もよくわかんなくてな。長くなってもいいなら、思い出も含め結構話すけど』
「え、聞きたい聞きたーい!魔界とか聞いたことないし!魔界でどんな暮らししてたとかも話してよ!」
後ろでこっそり聞いてた葉隠透がここぞとばかりに入ってきた。
そして葉隠に続いて、周りの皆も俺も俺もと寄ってきた。
『わかったわかった、今から話すから落ち着け。…ありゃもう1年前の話か…時の流れ早ぇな…』
魁雅は懐かしさに浸りながらも、話し始めた。
___________________________________________
(ここから魔入間キャラが登場しますが、キャラや専門用語の細かな解説は今回も含めこれからも後書きでさせてもらいますm(_ _)mby主)
魔界で俺は、サリバンっていう悪魔の屋敷のSD…
初めて魔界に来たとき、そのサリバン様に拾ってもらって、行く場所がないって言ったらそういうことになった。そうはならんやろって思ったけどね。
そんでその屋敷行ったんだけど、そのときに驚いたのは、そこに俺以外の唯一の人間と見られる、
入間はちょうどその時サリバン様の孫になったらしくて、サリバン様の命令で俺も入間の学校生活…バビルスに同行するようになった。安全の確保のためだとか。
んで、俺と入間はいろいろやらかして
そして、その
事件は二年生で起きた。
その時期は心臓破りという超高難易度試験の終了後で、皆おつかれムードだったな。
…だけどその時、試験とは違った変な違和感があったんだよ。
「魁雅、大丈夫?まだ疲れ取れてないの?」
『あぁ入間、大丈夫だ……って言ったら、嘘になるけどな……』
その違和感のせいか、その日は教室でぐだーってしてた。
ソレを見かけて入間や他のクラスメイトが心配してくれたのか、こちらに駆け寄ってくれた。
「カイち?風邪っぴきになったの〜?だめだよー、体は温めなきゃ!」
『いや違うんだよクララ、なんか今日、みょーに体が変な感じするんだよな…何か、体調悪いとはまた違った…』
「何か魔術にでもかかったんじゃないのか?余程のことなら、早くブルシェンコ先生のところか、バラム師匠のところに行ったらどうだ」
『うーん…そんな魔術かけてくるような悪魔と喋った機会なんてないんだけど…アリスは何かわかんないの?』
「知らないな。そんなクセの強い魔術…独自開発でもない限り、存在はしないと思うが」
「…やっぱり、心臓破りの疲れが残ってるんじゃないかな。僕もついてくから、一緒に医務室に行こ?」
「入間様が行くのならば、私もお供いたします!」
「私も私もー!」
最終的に医務室のブルシェンコ先生に見てもらうことになり、
入間がついていくことになってからアリスとクララもついてくることになったんだよね。
…だけど
「魁雅!それ!」
『ッ!?』
気付けなかった。自分の体調の悪さが故に、周りに警戒心を持ててなかった。
…いや、気付いていても遅かったのかもしれないな。
自分の足元に……魔法陣が、形成されていた。
そして、体の下半身部分から、魔法陣が上に迫り吸い込まれていく。
「魁雅!!!」
『ッ、入間!!』
入間が俺の方に手を差し伸べてくれてたんだけど、やっぱりもう遅かった。
俺が伸ばした手は入間の手をすり抜けて、空を切った。
そん時俺は、覚悟してた。長い間、戻れなくなるんじゃないかって。だから…
『…絶対に、戻るからなッ!!』
そう言い残したら、眼の前が光で包まれて、目を開けてみたら…
『…あれ』
懐かしの、人間界にいた。
__________________________________________
『ってこと』
上鳴「なるほど…そんな経緯で…」
『因みに、俺がこの雄英高校に入った理由は、そうなった理由を探すため。人もいっぱいいるし、何かしらの情報は手に入ると思ってな』
瀬呂「え、じゃあヒーローになりたいってわけじゃないのか?」
『一切興味がないってわけじゃないんだけど、まぁ本命ではないな。なんかすまん』
自分の目的は違えど、前の者たちは一生懸命ヒーローを目指そうとする者たちだ。
そんな人の目の前で実質ヒーロー目指さない発言はちと失礼だと思って、謝っておいた。
切島「おいおいそんなすぐに謝るなって!男らしくねぇぞ!?」
葉隠「大丈夫大丈夫!目標は人それぞれ、私達も紅月君が魔界に帰れるように手伝うからさ!」
『…ありがと。君たちもお人好しだねぇ、誰かさんみたいに。』
「おいお前等、さっさと席につけ」
色々話で盛り上がっている中、担任の相澤先生が俺等を止める。
ちなみに相澤先生は、人間界に帰ってきて戸惑っていた俺を今でも保護してくれた人だ。
見た目は怖いけど、まぁ根は優しい人だから、うまくやって行けている。
そして、その瞬間、授業の始まる合図と言っても過言ではないボリュームで、一人のヒーローが入ってきた
「わーたーしーが―!普通にドアから来た!」
そう、それこそが…
「「「オールマイトだ!」」」
誰もが知る、かの有名な、伝説の
『待って誰だっけ?』
…誰もが…知る?
「「「えぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」」」
「お前な…前から説明してただろ…」
『え?んーっと……あ!あの人か!忘れてた忘れてた』
「そんなすぐ忘れるもんじゃねぇだろ!?」
相澤先生の呆れた言葉から、上鳴の鋭いツッコミが入る。
そう、実はこの魁雅という男、ヒーローというものに全くもって興味を沸かしていないのである。ここ雄英だぞ。…とツッコみたくもなるが一旦後回し。
魁雅は昔から、サリバン家のSDとして働いてきた。皆を守るヒーローと、主を守るSD。お互い何かを守るという面では特に大差ないのだが…問題はここから。
そもそもSDとヒーローでは、根本的なところから違ってくる。
ヒーローとは相手を選ばず、誰にもなりふり構わず助けに行く正義感の強い存在だ。
だがSDにあるものとは、結論から言ってしまえば正義感ではなく忠誠心。…いや、期待だ。
他者への情がひどく薄い魔界において『仕える』というのは、己のすべて、血の一滴から爪の先に至るまで全部捧げて注いでしまってもこの方ならそれ以上に応えて下さると信じて信じて信じ抜く『期待』と言う名の依存こそ、SDとしての本質。…と、魁雅の先輩も語っていた。そう、これがヒーローとSDの決定的な違いだ。
とまぁ長々と話したが簡潔にまとめると、最初に言った通り、ヒーローとの考え方が違う、ほぼ真逆なSDの魁雅は、今から興味を持つことが難しいというわけだ。
「ンン”ッ…君は、紅月君だったよね?君の事情なら、相澤くんから聞いている。わからないことがあったら、ぜひ聞いてくれ!時間があったらだけどね!」
ハッハッハッと高笑いしながらオールマイトは魁雅に語りかける。
何が面白いんだろう、と魁雅は心の中で思う。
「ということで長くなったけど今日はこれ!戦闘訓練!」
「「おぉ!」」
クラスの皆が思いっきり盛り上がる。やはり、高校生というのはそういうものなのだろうか。しかもヒーロー志望だし。
『はいオールマイトせんせー。戦闘訓練っつったって、どんなことするんですか〜?』
「積極的でいいね!だがそれは、皆がこのコスチュームを着た後、グラウンド・βで話そう!」
_____________________________________
…んでま、クラスメイトについては特に語ることもなかったんでカット。
ま、強いて言えば、あの緑髪…何だっけ、緑谷出久、だっけ?アイツの個性が俺の一部と似てるから、ちょっと気になったって感じ。
『…あと、俺だけ戦闘訓練やらされてないんですがそれは』
「そうだね、君は特別枠だ!」
『特別枠?』
「これは私が考えたものではなく、相澤くんが考えたものだ!恨むなら相澤くんを恨んでね!」
『あの人はホンットに…』
あの人、あんな
ホントたまに変なことしてくるんだよなぁ
『…特別枠って、一体何なんですか?』
「君は今から一人で、轟くんと障子くんのチームと戦ってもらう!」
『はいはい分かりましたよ……って、は?一人?』
切島「何いってんすか先生!さっきの轟の試合見てたっすよね!?絶対一人で敵うような相手じゃないっすよ!」
ごもっともすぎる。何で俺一人で戦わんといけんのだ。
「…オールマイト先生、俺も反対だ」
『お前は…』
おっと、ここで出てくるか轟チームの轟焦凍。こいつのこと、まだ全然理解できてないんだよな、人柄とか。
「別に、紅月の実力を否定するわけじゃねぇ。だけど、流石にレベル差がありすぎる」
『おぉ随分ズバッと言うね君』
「大丈夫、それを見越したうえでの相澤くんのプランさ!」
「…分かりました」
『って俺の拒否権ないんですか?』
「ないよ!」
『なんてこった』
______________________________________
NOsaid
轟チームと魁雅がステージに立ったころ、観戦場所では
「…オールマイト先生、本当に良かったのですか?」
オールマイトの後方から八百万が心配そうに再確認する
「やっぱ無理っすよ、だって轟凍らせるんすよ?いくら紅月が
「大丈夫さ!相澤くんはそう簡単に判断を間違えないよ!それに、今回は轟君たちがヴィランサイドだ!またさっきとは違ったものが見れるんじゃないかな?」
クラスメイトが不安になる中、オールマイトだけはずっと、期待の目を寄せている。
その結果は、果たして
_______________________________________
「”それでは戦闘訓練、開始!”」
試合場所の建物にオールマイトの試合開始の声が響く。…だが
「…来ない?」
全く来る気配のない魁雅に、轟も少し驚く。
二人はハリボテの核の眼の前で待機していたが、今のところ何の意味もなしていない。
「障子、何か音は」
「そこかッ!!」
「障子!?」
…それは突然だった。轟が障子に指示を出そうとした瞬間、障子が何者かに攻撃したかと思えば、その攻撃は空を切っていた。
『…あーあ、だから嫌なんだよ一人は、
「…なるほど、そういう個性もあるのか」
「…化け物が」
突如、何もない場所から声が聞こえた。そしてその声は、とっても聞き覚えのある声だった。
そして、その声の聞こえる場所の空間が歪むようになっていき、その声の主が二人の眼の前に姿を表した。
『ま、今ので分かった。相澤さんが、なんで俺と轟達を戦わせたか。もしも他の人だったら多分終わってたよな〜、訓練』
パキン!
「轟!?どうした!」
「…すまない、なんか苛ついた。」
魁雅が話している途中で、轟は魁雅に向けて氷を山の形で生み出した。
「大丈夫だ、身動きが取れないぐらいで固めておいた。別に致命傷を追わせるほど…」
『目には目を、歯には歯を』
「「ッ!?」」
轟はそこで勝利を確信していた。だって、轟の氷生成はほぼノーモーションで行える。
普通なら見てから避けることなど、到底出来やしない。…そう、避けることなら。
だが轟の確信も悲しく、氷の中…いや、外から声が聞こえてきた。
『…って言うから、氷には氷ってことで試しに俺も氷出してみたんだけど、まさか本当に成功するとは。ま、眼の前で止めただけなんだけど』
「ッ…お前は、一体…」
『あと寒い。なんでこんな逆サウナの状態で話さなきゃいけないんだ』
…すると、眼の前の氷が溶け始めた。そしてそれと同時に、周りの温度が上がったように感じた。
「炎も使えんのかよ…ホンットにバケモンだな」
『…んー、どうしても俺を人間だって認めてくれないのか…、なら、せめて…』
『悪魔にしてくれない?』
…一応言っておこう。彼は悪魔ではなく、人間です。
やっほー、うp主のタカムギです。
ここでは魔入間の設定のお話や裏話などをしていくヨ。
魔入間を知らない人でも安心してね。
それでは、設定へGO。
”魔界”:そのまんま(?)。悪魔の住んでいる世界。魔入間の世界線の魔界では、人間はご馳走、という話があります。怖いね。
”サリバン”:魔界の三傑悪魔の一人。簡単に言うと、すっごく偉くてすっごく強くてすっごく優しい人。謎が多すぎる悪魔でもある。あとすっごい孫バカ。アニメ版CVは黒田崇矢。
”SD”:正式名称は”セキュリティデビル”。本編で説明した通り、人間界で言う執事的存在。
”鈴木入間”:バカな両親に金目的でサリバン様に売られてしまった可愛そうな主人公君。結果的にはサリバンの孫になって、幸せに過ごしてる。あとめっちゃお人好し。頼み事なんでも受けちゃう。あと可愛い。アニメ版CVは村瀬歩。
”バビルス”:正式名称は悪魔学校バビルス。魔界の悪魔たちが通う学校であり、消失の魔王デルキラが卒業した学校でもある。学年は一年生から六年生まであり、魁雅は2年生で人間界に帰ってきた。因みに、年齢層は少しバラバラで、基本は一年生が高校一年生とほぼ同じ扱いだが、入学時の年齢などは規則があまり定められていなく、一二年ぐらい離れてても入学は出来るらしい。因みに、魁雅は入間と同い年で、一年のときは高校一年レベルでした。
”問題児クラス”:読み方は”アブノーマルクラス”。学年の中でも特に問題を起こした生徒が入るクラス。細かい実績はまたいつか話すが、ホントにいろんなことを成し遂げたすごいクラス。
”心臓破り”:問題児クラスだけに課せられた特別な昇級試験。それぞれのクラスメンバーが二人の後輩を守りながら、教師と戦っていく試験。
”クララ”:フルネームは”ウァラク・クララ”。クラスメイト皆が大好きな自由すぎるアホ少女。大家族の長女だからか、悪魔のお世話には慣れている。いつか入間をメロメロにさせたいと思っている。アニメ版CVは朝井彩加。
”ブルシェンコ先生”:フルネームは”ブエル・ブルシェンコ”。回復魔術が彼の家系能力、まぁ個性みたいなもので、大体の傷は癒せる医務関係担当の先生。アニメ版CVは中村大志
”バラム師匠”:フルネームは”バラム・シチロウ”。後に紹介するアスモデウスともう一人の生徒の師匠で、嘘を見抜ける能力を持ち、戦闘力も普通に高い、めちゃくちゃ優しい先生。アニメ版CVは小西克幸
”アリス”:フルネームは”アスモデウス・アリス”。入間に勝負で敗北を期してから入間に忠誠を誓っていて、火炎魔術を得意とする美青年。礼儀を重んじる家系に生まれたため、入間の配下としては完璧な立ち位置。あと、何もかも入間第一。アニメ版CVは木村良平。