彼は悪魔ではなく人間です   作:TKMG_タカムギ

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一部文を追加しました(2027/04/08)


第二話:自分を分かってもらおうの巻

『…まだやるつもり?』

「ハァ…ハァ…」

 

 …なんか俺が(ヴィラン)みたいで嫌だなこれ。

 

 どうも、クラスメイトから未だに化け物扱いされる存在こと、紅月魁雅です。

 

 とりあえずいろんな方法で核を奪えるか試してみたんだけど…意外としぶとい。流石推薦と言ったところか。

 

『んー、時間制限もあるし、そろそろ諦めてほしいんだけど…』

「うるせぇな、お前……本気出してないだけだろ」

『あ、バレちゃった?やっぱ轟くんは鋭いねぇ』

 

 確かに全然本気は出してないけど…それでもバレるもんじゃないと思ってたから、ちょっとびっくり

 

障子「…俺達を嘲笑うのが、そんなに楽しいか。お前はそれでもヒーロー志望なのか?」

『いや言ったじゃん、別にヒーロー志望ではないって。まずそもそも、不測の事態じゃない限り相手に自分の手の内を明かすのはご法度だ。そんぐらいは理解しといてほしいんだけど』

「ッ…」

 

 うーん図星だったか。まぁこればかりは事実だし、しっかり分かってもらわないと

 …あと何でだろ。なんかちょっと、苛つく。

 

『一応言っておく、お前等が過去にどんな功績を残したかは、俺は知らない。だけど、お前等みたいなまだまだ未熟なヒーローの卵と比べりゃ、俺は…いや、()()は経験の暦が圧倒的に違う。上には上がいることを理解して、あまり自分の実力を過信しすぎるな』

 

 今思えば、あのレベル差がありすぎるという発言から、俺は何かを思っていたのだろうか。

 

『お前は油断しすぎた。2対1という状況において、自分を有利だと思い込んだ。その結果…』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ”ヒーローチーム、WIN!”

 

「……えっ」

『こうなるってわけだ、分かったか?』

 

 

 

                     ●

 

 

 

 観戦席にて

 

「…何が、あったんですの?」

上鳴「あいつらが何を話してるかは聞こえなかったけど…なんで轟達は紅月が近づいてきてるのに、ずっと体を止めていたんだ…?」

オールマイト「それじゃあ、君達に質問!彼の個性は、一体なんだと思う?」

「もしかして、なんだって出来るんじゃねぇのか?だってアイツ、透明になるし氷出すし炎も出すし、チートすぎるだろ!」

 

 峰田が状況に追いつけていないのか、慌てながら話す。

 

「…確かに、魁雅の個性はチートと言っても過言ではない。だが、それは個性に限った話じゃない」

峰田「相澤先生?それって…」

 

 後ろでこっそり見ていたのか、まるで分かっているように相澤先生が話し出す。

 彼は一応、魁雅の保護者と言ってもいいのだ。

 

「魁雅の個性をあいつからの情報を下に俺が名付けるなら、それは………問題児の世界(アブノーマル・ワールド)。アイツの個性は、あいつの住んでいた魔界の学校にある、問題児(アブノーマル)クラスのメンバーの特徴をコピーできる能力だ」

上鳴「魔界のクラスメイトの特徴ってことは…悪魔の能力を使えるってことじゃないっすか!チートすぎません!?」

 

 実際魁雅は、個性把握テストでも様々な個性を扱っていた。

 ここでいくつもの個性があると明かされても不思議なことではない。

 

「あぁ。だがさっき話した通り、あいつのチート具合は個性だけじゃない。…アイツ自身もだ」

 

 相澤先生はモニターに映る魁雅を見る。

 

「あいつのクラスメイトは13人。それが意味することは、あいつは13の個性すべてを理解し、うまく活用している」

八百万「一度に13の個性を…」

「それに、今あいつが轟に見せたあの技、あれもあいつのチート具合が見て取れる」

 

 それは、先程上鳴が解説していた、轟達の動きを止めた技。

 

切島「あれも、あいつの個性の一つなんすか?」

「…いや、末恐ろしいことに、あれは”問題児の世界(アブノーマル・ワールド)”の一つじゃない。あいつは、魔界という過酷な環境で、人間離れの特訓をしてきたらしい。…それも、地獄を見たというレベルでだ」

「…ってことは、あれって…」

「個性でも超能力でもない、あいつ自身の努力で身についた技だ。…これで分かっただろ。あいつは個性だけが強いんじゃない、あいつ自身が強いんだ。…ホンットに化け物だな」

 

    

 

                    ●

 

 

 

『おい。いつまでぼーっとしてんだ君は』

「…すまねぇ、まだ、頭が追いついてねぇだけだ」

 

 やっと終わりました戦闘訓練。今丁度観戦席に戻ってる途中。

 

 いやー1人って寂しいもんだね。大体あーいう状況だったらさ、仲間が助けに来るみたいな胸熱展開があっても良かったのに…

 化け物扱いされるわ、一人で訓練させられるわ…なんか不憫だなぁ、俺…

 

『ま、今回ので学んだか?どんな状況でも油断はするな、相手は全員格上だと思うぐらいの気持ちで戦えよ』

「…あぁ」

『イマイチ腑に落ちてなさそうだな〜…大丈夫だ、確かに俺は個性いっぱいあってチートみたいに見えるけど、死ぬほど特訓しないと意味がない。お前も個性をもっと磨けば、超えれるから。あんま落ち込むなよ。現に、最後のあれは個性じゃねぇ』

「それじゃあ、あれは何なんだ?今までに感じたことのないような気配だったぞ」

 

 なんか障子くんだけ立ち直り早いね。まぁ過信しすぎてたのは轟くんの方だったし、そんなもんか

 

『それ、気になっちゃう?いいだろう、教えてやろう!ソロモン、出ておいで』

「そんなペットみたいな感覚で呼び出すんじゃねぇ」

 

 俺が血で魔法陣を手に書くと、そいつは出てきた

 

「あ、あれが悪魔…」

「あれ呼びすんじゃねぇ。一応生きてるんだぞ俺も」

 

 召喚されたソロモンは轟や障子のイメージと反した、猫の姿で出てきた。普通の姿はめっちゃ禍々しいけど、使い魔召喚で使い魔として召喚した結果、なんか猫になった。

 そしてそのまま、俺の頭の上に乗っかってきた。コイツのベストポジらしい。

 

『そう、こいつは悪魔ソロモン。俺が魔界に行くときからずっと俺の体の中で力になってくれてる、頼もしいやつだ』

障子「ソロモン……あの、古代イスラエルの王のことか?」

『おぉよく知ってんね。まぁ…そいつの悪魔バージョンみたいなもんかな?それについてはコイツ自身も分かってないらしいしな』

「おいカイガ、こいつらが聞きたいのはそういうことじゃなかっただろ」

『あぁそうだった”威圧感(しつけ)”のことだったよな』

 

 あぶねー、ソロモンが教えてくれなきゃ忘れてたわ。

 こいつ、たまーにこんな感じでまともになってくれるから、普通に助かる。魔界のわからないこと色々教えてくれたし。

 

『俺がお前等の動きを止めた技、それは”威圧感(しつけ)”だ』

「”威圧感(しつけ)”…?」

『俺とソロモンと師匠で編み出した技。不正だって思われたくないから種明かししちゃうけど、この技はソロモンという強大な悪魔の魔力を利用したもの。それによる圧倒的な威圧感を相手に押し付けて、動きを止める…と言ったところだな』

「…それじゃあそれは、ソロモンの力を使った技、という解釈でいいんだな?」

 

 先程まで黙ってた轟くんが確信をついたように話しかけてきた。

 

「それでは少し言葉が足りないな、人間よ」

『残念轟くん。半分正解半分不正解って感じだ』

「…その轟くんってのやめろ」

『へいへい轟』

 

「カイガのこの技は単に俺の魔力を使っているのではない。俺の魔力は一般の悪魔や人間が大量に使うとなると、相当体に負担がかかることになる。だからコイツは、魔界での特訓を活かし、見事俺の魔力に耐えれる体に鍛え上げた。…要するにこの技は、この世界で言う”個性”からではなく、ほぼカイガの努力から出来た技だ。あまり見くびってもらっては困る」

 

『へぇ、珍しいじゃん、お前がそこまで俺を養護してくれんの』

「俺の実力が勘違いされそうだから養護してやっただけだ」

 

 俺とソロモンが普通に会話してるところを見て、轟達は驚く顔をやめない。

 まぁそりゃそうか。悪魔と会話してるんだもんな俺

 

『とまぁこんなところだよ。…ちなみに』

 

 

 

『俺の本気は、()()()()()()()()()ぞ?えひひっ』

 

 

 

 

                      ●

 

 

 

 

 

「おいあれどうやってやったんだ!?教えてくれよ紅月!」

「ちょっと!私が聞いてたでしょ!ねぇねぇ紅月、”問題児の世界(アブノーマル・ワールド)”って、どんな個性があるの!?」

「おいあの透明になる”個性”について詳しく…!」

『んー、じゃあとりあえず一言でまとめるな、黙れ

 

 いやァ〜人気者は辛いなぁ〜!じゃないうるさい騒がしい喧しい。って全部同じか。

 授業が終わった後になり、いろんなやつから話を聞かれる。

 若者って元気でいいね。まぁ一人完全に私欲混ざってたけどな。

 オールマイトは、緑谷出久に好評を聞かせると言ってすぐに行ってしまった

 

『あの、一気に話しかけないでもらえる?俺は聖徳太子じゃないんですけど』

「じゃあ、15人未満ならいけるってこと?」

『ばか』

「結構ストレートだね!?」

 

 聖徳太子は10人以下だ馬鹿野郎。

 今まで悪魔と接してきたからか、人間との接し方に少し苦労するな…

 

『まずさ、自分の名前名乗ってくれる?そしたら教えてやっても』

「芦戸三奈!」「砂藤力道!」「峰田実!」(同時に)

『少しでも期待した俺が馬鹿だった帰る』

「ちょっと!教えてくれるんじゃないの!?」

『…もぉ。んじゃ、コイツに聞いてくれ、ソロモン』

「俺はお前の便利屋じゃねぇ!」

 

 一つの声の叫びと同時に、ソロモンが出てきた。

 こいつは俺の使い魔にもなってくれたから、手に魔法陣を書くだけで簡単に出てくる。

 

『そいつらの話聞いてやってくれよ。折角だ、お前も人間と接する機会なんてそうそうないぞ』

「いい加減な理由つけてんじゃねぇ!俺は別に人間なんか……ッ!?」

芦戸「ねぇねぇ!紅月について、色々教えてよ!個性とかさ!」

「お前ッ…!この俺にそんなやすやすと…!」

『ちゃんと話聞いてやるまで帰さないからな〜』

「はぁ!?」

 

 ふう、やっと切り抜けた。使い魔になってから俺に逆らうことも無くなったし、便利便利。

 ま、実際今行きたいところあったし…

 

『っと、失礼しま〜…』

 

「入学間もないってのにもう三度目だよ!?なんで止めてやらなかった、()()()()()()!」

 

『…あ〜…(察し)』

 

 …これはこれは…

 

『プルソン・ソイ ”認識阻害”』

 

 聞くしかないやんね

 

 

 

_________________________________________

 

 

 

 

「…トップであぐらかいてたいってわけじゃないだろうがさ、そんなに大事かね”ナチュラルボーン”ヒーロー”平和の象徴”」

「いなくなれば、超人社会は悪にかどわかされます。…これは、この力を持った者の責任なのです!」

「…だったら尚更、導く立場ってもんをちゃんと学びんさ」

 

 

『その話、俺が聞き受けた!』

 

 

「「えッ」」

 

 …こんな真面目な話に割って入ることが出来る存在が、いるだろうか。

 そんな、人間の常識など知らない、悪魔のような存在が…

 

『魔界という劣悪な環境で天然人間の執事…またの名をSDをしてきてはや一年…これ程人間の面倒を見るのに最適な人間は俺以外にいるだろうか!否!多分いない!ってことで…』

 

 

『サリバン家SD、紅月魁雅。今、貴方様のお力になるべく…やってまいりました』




〜用語解説のコーナー〜

”使い魔”:魁雅の場合、悪魔学校バビルスで行う使い魔召喚の儀にて召喚される魔獣。使い魔として召喚された魔獣は主人に服従することとなり、歯向かうと処罰が下される。だからソロモンは、これから一生逆らうことが出来ません。可哀想に

”プルソン・ソイ”:アブノーマルクラスの一人。家系能力は認識阻害で、自分の姿を消すことが出来る。原作では、家系能力が覚醒し、周りの悪魔の姿を消すことも出来た。魁雅が訓練で使った技はこれのこと。ちなみに彼は、トランペットが凄く上手。
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