はふりの書   作:witoitaa

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独裁者への反旗
#1 スケニウの農民


ネステル・アルパから船で数時間行くと、スケニウというところにつく。その昔、ここにはこの「ハタ王国」を統治する万世一系の皇族「スカルムレイ一族」がアルパという屋敷を構えて王国を統治していた。しかし、突如王国を襲った地震によってハタ王国の中心都市は最近発見された一つの島に移った。スカルムレイ一族の去ったこの町では活気も半分くらいにまで落ちてしまったようだ。

私は、ここスケニウより少し南で農作業をしている農家に一つ質問をした。

「そこの生産者、ケンスケウ・イルキスのケンソディスナル家の場所を知らないかな?」

その問いを聞いた農家の男は笑い出し、

「あんた、商人なのにスケニウと南スケニウの地理関係も知らないのか?」

と逆に尋ねた。

私はすこし怒り、

「私は南スケニウへの行き方を問うておるのだ。私の無知さなぞ聞いていない。道を教えるんだ。」

「それが人に何かものを聞くときの態度か?まあいい、教えてやろう。まずあんたの知りたい南スケニウとここスケニウはかなり土地が違う。」

「そりゃ名前が違うんだ。距離は1以上あって当然だろう。」

「1なんてもんじゃない。ここから歩けば・・・そうだな、二週間はかかるかもしれんな」

耳を疑った。

「な、二週間!?」

「あんたまさかそれも知らないというのかい?これはアッタクテイさんとクントイタクテイさんくらい違うんだが」

「なんと、馬鹿にしていた。スケニウに対しての南スケニウなのだからもう少し近いものだと・・・」

私はかなり唸っていた。

「ところで違っていたら失礼だが・・・」

「なんだ?」

「さっきからあんたの話すユーゴック語がおかしい。もしかしてうわさに聞く『ファイクレオネ』という別世界から移動奇術を使ってきた者か?」

しばし時間が止まったように思えた。私は戸惑っていた。

「く、もしそうだと答えたら?」

「うむ・・・私はべつに何もしない・・・が、気を付けたほうがいいよ。ここから南の方へ行けばよくわかるさ。南の奴らはあんたのようなリパラオネの人種は警戒する。」

「それはつまりどういうことだ?我々の人種はいったいどういう疑いを掛けられている?」

「・・・ここだけの話なんだが、王国では最近庶民が消えるっていう珍事件が頻発していてね・・・・。そういった一連の事件の主犯がすべてあんたらなんじゃないかって噂されているんだよ。」

「え、私は何も知らないぞ?」

「ああ、でも南のほうではそうされている。正直あんたがあそこに行くのはあまり勧めない。」

「そうか・・・ありがとうな、王国民」

「いいさ、まさかあんたがファイクレオネのもんだとは思わなかった。この土地は初めてなんだな。悪いこと言ってしまった。」

「いや、もう大丈夫だ。」

 

そうしてその農家をあとに再び出発していった。ちょっと道草食ってしまった。私は少し考えたことがあった。彼はそんなことどうどうと喋ってよかったのだろうか。

しかし、よくよく思い出せば、結構周りをちらちら見ていた。誰かいたのだろうか?だとすれば私のせいであの農家を社会的に殺してしまうことになる。

そんなことをおもいながら私は足を運んで行った。この道は南スケニウに通じており、さっきの農家の言った通り二週間は歩く必要があるらしい。これは想像以上に長旅になりそうだ。

彼に見破られた通り、私は根はリパラオネ人だ。ここで移住するにあたって、なるべくハタ人の外見に合うように、黒いカラコンを入れたり、髪をあえて黒く染めたりと、今にもばれそうな変装をしている。

また、ユーゴック語も学んできた。過去の移住者がネステルで作り上げてきた「ファイクレオネ人向けユーゴック語教室」にも通ったのだ。ここは連邦にとっていまだ未開拓の地である。調査を終えれば連邦へなにか報告するのも悪くない・・・

 

なんてことを考えて歩いていたらいつの間にか夜だ。そろそろ宿に入るか、テントでも建てるか。

その時、はっと思い出す。私はリパラオネ人だ。もし王国の宿にそれがばれたらさっきのようには見のがしてはくれないかもしれない。なにかあれば、手元にあるウェールフープ可能化剤で一掃・・・といったこともできるがさすがにそれをするとパニックになりかねない。しかたなくテントを建てようと鞄の中を出す。

すると、後ろから女性の声が聞こえてきた。

 

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