#16 ようこそ王国へ
まわりの閃光が晴れた。目の前には懐かしい井戸があった。
「やりました!戻れました!」
「ふぅ~よかった」
風景はあまり変わっていなかった。が、以前と明らかに変わっているのは人がいたということ。突然二人の人間が現れて驚いている庶民がいた。
「な・・・ケンソディスナル氏・・・?」
「今までどこへ・・・?」
「あ、みなさん。迷惑かけました?」
「かけましたよ!ケンソディスナル氏!3年も前に行方をくらましてからわれらディスナルの民はいったいどうすればよいのかと・・・!」
「ああ、よかった。我らが美しき主たちは生きていた!」
「これもアルムレイ殿のご加護か・・・!」
「しかし、ケンソディスナル氏!貴女の横にいるその男は何者ですか?」
「ああ、彼は私の友人です。」
「な・・・チェクセルか何かでしょうか!?あの世からやってきた・・・?」
「馬鹿な!我らがケンソディスナル氏が死滅界なんぞに送られるわけがない!」
まわりが騒ぎ始めた。これは面倒だ。ツァピウルよ、早くしてくれ。
「皆の者、静粛に!」
ツァピウルがなにやら怒鳴った。すると周りにいた民衆は一気にしずまった。さすが、トイタクテイ家の子孫とされる一族の一つ、ケンソディスナル家。なんとも威厳がある。
「いいですかみなさん、これよりあの忌々しきハフリスンターリブへ反旗を掲げます!」
「な、なに?」
「あんな奇術使ってくる奴らに勝てるのか?」
「それにどんどん人が消えていくせいで人民の数だって余裕がありません!勝てるはずが!」
「そのための彼なのです。」
民衆は驚きあたりはしずまった。
「私はあの人が消えていく事件に巻き込まれてしまい、ここから姿を消してしまいました。しかし、そのおかげで、これらの事件は拉致であることが分かったのです!」
「な、拉致?やはりハフリスンターリブか?」
「いえ、ハフリスンターリブが直接やっているというわけではありませんでした。」
「な・・・じゃあ誰だ!」
「ハフリスンターリブの先祖にSazasyimi一族がありますね?そのSazasyimi一族の出身はファイクレオネでした。そしてそのファイクレオネには過去の伝統を保持しようとする過激派がいます。まるでかつてハタ王国に存在したクン・シーナリアの一派のようです。」
「な・・・」
「その過激派はxelken.valtoal。私たちを『拉致』したのはそこの人間であるというわけです!」
「・・・」
「だから、ハフリスンターリブを討伐すれば、ついでにxelken.valtoalもやってきて同時に対処することができるというわけです!」
「ケンソディスナル氏・・・」
一人の民衆が手を挙げて発言をした。
「あなたは・・・この町・・・いや、この『村』が今どんな状況かわかっていっているんですか?」
「分かっていますよ。拉致被害のせいで景気は不安定、当然人が減っており作物も少ない状態。スカルムレイ一族からは完全に見放されてしまい、町を出歩けばすぐに拉致をされるという始末。」
「おうおう、分かっているではありませんか。」
「当然です。」
「ならば、もうこのディスナル市があの集団に立ち向かうというのは無理なんじゃないかと言うことです。」
「そうですよ、ケンソディスナル氏!ハフリスンターリブに屈するしかありません!」
「・・・そうですか。」
え、諦めた!?ツァピウルが?
「ならばあなたたちを戦火に放り込むことはやめておきます。」
「おお、なんと」
「ただし、私一人で行けばかならず、あなたたちにも・・・」
そういってツァピウルはケンスケウ・イルキスの方向へ歩いて行った。