これがケンスケウ・イルキスの境内か。
実は「ケンスケウ・イルキス」と呼ぶのは中心にある最も大きな建物のことであり、この敷地全体は「キス」と呼ぶ。また、ケンスケウなので「ケンスケウ・キス」と呼ぶ。以前のツァピウルとの雑談で聞いた。トイター教はまだ知らないことが多いな。ちなみにこのキスの敷地面積によってもイルキスの価値は当然のように変化する。スケニウ・イルキスはなかなかの大きさらしい。なんせクントイタクテイ家のイルキスだからな。ここ、ケンスケウ・イルキスは中の上という当たりらしい。
さて、私が散策と言う名目で外に出たのは警備目的だ。このイルキスには見張り番が雇われていないし、私があそこに残したWP波をたどってxelkenのやつらがこちらに追跡に来るかもしれない。そうしたらツァピウルも強いとはいえやはり男である私が戦わなければならない。そのためになるべく遅くまで見張りをする。
なのでイルキスの頂上、「ペルニウ」という避雷針の様なものにて見張りを行うことにした。
ここならどこから敵が来ても飛び道具などを出せば撃退できる。しかし、ケートニアーとはいえ寝なければならない。数時間たったら私も床に入るとしよう。
30分後。
向こうになにやら松明のような光が見える。その光は少しずつこちらに近づいているようだった。目を凝らしてよく見てみる。
「あ・・・あれは・・・!」
xelkenの旗が見える。ここまで追ってきたのか?これは確実にこちらに来たようだ。どうする、ツァピウルを起こすか?
松明は急に走り出してこちらへ向かってきた。明らかにこちらを狙っている。
「!!」
突然こちらに銃弾が飛んできた。間一髪のところで私は銃弾を素手でキャッチする。しかし、なぜWPライフルなどではなく普通の拳銃なのだろう。私は飛んできた銃弾を飛ばそうとも考えた。しかし、そうすると相手への宣戦布告になる。穏便にせねば。
そこで銃弾はその辺に捨てることにした。
そして双眼鏡をとってきて向こうのほうを見てみる。確かあちらは井戸の方角だ。
こちらへ近づいている。
そしてついにケンスケウ・イルキスのエンネ(鳥居)の前に来た。もうこれは応戦するしかない。私はペルニウから飛び降りて奴らの目の前に現れた。
“誰だ!”
古リパライン語だ。どうしよう、古リパラインで話すか。
“私はこのイルキスの見張りをしている。そちらこそ何者だ。即刻立ち去れ。”
“な、ならば貴様も押し倒してやる。”
一人の男が拳銃を向けた。私は嘲笑いながらその拳銃をWPで一瞬で破壊した。
“は・・・?”
“あんまり派手なことをしない方がいいぜ。私はケートニアー。”
“ち、なんでケートニアーなんかが見張りをやってんだ!王国の分際で!”
“おい、今王国を侮辱したな?”
“な、お前は王国派の人間なのか?”
“当然だ。ここから出ていってもらおう。”
私はWPを発動する。前にいる3人の男を全員海の方向へ吹き飛ばした。
“うわああああああああ・・・・”
おそらく奴らはそのまま飛ばされて海に落ちたか、場所が悪くて地面に激突したか、どちらかだろう。どのみち奴らは数百km吹き飛んだ。命はないな。
そう思いながらもう誰もいないことを確認して私はイルキスに入り寝ることにした。
「え・・・」
さっきの客間から寝室に入ると、なんと大きな一つの布団が真ん中にドンと敷いてあり、その右側にツァピウルが寝ているという様子だった。
「あれ、布団ってこれしかないのか?」
失礼と思いながらタンスを見る。布団は見当たらない。
どうしよう、布団用意し忘れて寝ちゃったのかな・・・と、ふと思い出す。
「ああ、ハタ王国では基本的に一つの大きな布団に寝るのが基本だったな。」
そんな習慣もあったかと思いつつ仕方なくツァピウルの横で寝ることにした。