「これはこれは、ケンソディスナル卿。ディスナルからはるばる、よくぞお越しいただきました。歓迎いたします。」
「はい、ありがとうございます。」
私ははじめてスカルムレイの顔を見ることができた。なんと美しい・・・おっといけない。
目の前にいるこの女性はハタ王国65代目スカルムレイ、カリアホ=スカルムレイ(Kariaho=Sukarmrei)である。革新的か保守的かと言われれば中立的。しかし、ハフリスンターリブについては何か少しでも問題を起こせば即刻排除することを公表している。ウェールフープ技術については寛容的らしい。
「さて、ケンソディスナル卿。わたくしに告げたいことがあると伺っております。」
「仰せのとおりです。話があります。」
私はやりとりする二人をじっと眺めていたがスカルムレイと目があいニコッとされたので笑顔で返した。
「私はあの例の人が消える事件に巻き込まれました。」
「ええ、存じております。」
「そこで、私は被害者が何をされたのかを知ることができました。」
辺りが一瞬静まる。
「すべてをハフリスンターリブがやっているのではなく、やつらと手を組んでいる組織がほかにありました。」
スカルムレイは黙ってきいていた。
「その組織の名はxelken.valtoal。この集団はあのハフリスンターリブと同じ奇術を使って私たちを拉致し、強制労働などをさせていたのです。」
スカルムレイはすこし驚いている様子だったがすぐに表情を戻した。
「それは・・・本当?ケンソディスナル卿」
「それは、彼が保証してくれます。」
するとスカルムレイの目線がこちらに向いた。
「そこの若旦那、お名前をどうぞ?」
「ガルタ=ツラエルトゥロムです。」
「では、お聞きします。ツラエルトゥロム。あなたと彼女はなぜ知り合いなのです?あなた所属は?どこの出身なのです?」
どうしよう、どこまで話せばいいのだろう。ここでハフリスンターリブを主張すればどうなるであろう。スカルムレイはすぐに私を消しにかかるかもしれないしケンソディスナルも危ないかもしれない。
しかし、私は思った、それならばなぜ私に話を振ったのか。おそらく私が知っていることを全て話してほしいと思って言ったのであろう。ならば、話そう。すべて。王国の為に。
「彼女は・・・私がこの国に戻しました。」
「え?」
「私はハフリスンターリブの幹部です。初めは彼女を捕虜にするために接触を図りました。」
「あらあら、そうだったのですね」
意外と驚かない。スカルムレイは意外と寛大なのかもしれない。
「この、Garta=Tsuraertromという名前も・・・この国で平和に住むための通称です。別の・・・ハフリスンターリブの名前があります。」
私はハフリスンターリブの名前を出すことにした。この女性ならなにもしてこないだろう。
「あなたたち二人の言いたいことはよくわかりましたわ。このこと、すべてハタ王国全土に公表してほしいという旨ですね。」
「仰せのとおりです。」
「もちろん、助力しますわ。顔を上げてください。」
私たちはもう一度スカルムレイの目を見る。
「それならば、もうやるべきことは決まりましたわね。」
「と、言いますと?」
「彼がいれば、この危機を脱することができます。今にでも、王国全土のシャスティへ呼びかけて反旗を掲げましょう」
――
そんな感じでアルパから出てきた。なんか案内の男がものすごい目で私を見つめているが気にしない。門の前でもさっきの門番にものすごい目で見つめられているが気にしない。
そんな感じでまた来た道を返すことになった。