翌朝になった。全員準備を済ませてアルパ内のあるホールに集まる。
前にはスカルムレイ、大臣らしき女性が二人、そしてなぜか私が座っていた。
朝礼台のようなものに立った男が話す。
「諸君、よく集まったな!今から、ハフリスンターリブを除去するための第一歩を踏む!」
すると、その声を聞いたアルパの人間が騒ぎ始める。
「まさか、戦うのか?武力を持って?」
「そんなので勝てるはずがない・・・」
また男が話す。
「違う、武力を持って奴らを排除するのではない。しかし、武力も少なくとも必要にはなるであろうがいきなり戦うのではない。」
すると一同がぎょっとする。
「王国民よ、すべての解決のカギはリパラオネ連邦にある!今からこのホールにいる人間全員で”彼”の移動魔法と言語能力を生かしてそこに向かう!ハフリスンターリブの先祖がいたとされるところだ!」
「は?それじゃあ今度こそ我ら王国民は殺されるんじゃないのか!」
「違う、すべてのリパラオネ人があんな考えを持っているわけではない。そのこともすべて彼が証明してくれる。」
すると、私のところに話が振られた。私は戸惑いながらも話す。
「ハタ王国の人たちよ。私はリパラオネから王国に来てもう何十年もたつが、こんなに素晴らしき国は初めて見た!このことはリパラオネ連邦の人間の共通の考えであろう!」
「で、そこに行って何をするんだ?」
「やることなど決まっている。相互不可侵の条約を結び、連邦の力を借りるのだ!」
そして私は合図を受ける。このホールの中の人間を全員リパラオネに送る。そのため、手にウェールフーポを溜め、意識を集中させる。リパラオネ連邦本土には久しぶりに行く。そして目を見開いて叫ぶ。
「iska lut xelkener!」
――
ここはリパラオネ連邦、ラメスト。ラネーメ国の重要都市のひとつであり、ラネーメ地下鉄ラメスト駅などが存在する都市。ここのとあるビルの屋上で私たちは現れた。
まわりの閃光が晴れて景色を望むことができる。
「な・・・ここはどこだ!?」
王国から来た大臣が戸惑う。当然である。突然言葉では説明できない現象が目の前で起きて平常心出られるはずがない。私にとってはこんなこと日常茶飯事なのだが。
「ケンソディスナル氏、私たちがここからどうすればよいのでしょう?」
私の横でともにウェールフープをしたスカルムレイが訊ねてくる。
「ここは多分ラメスト市と思われますが・・・あたりに人は見当たりませんし廃墟のようにも見えます。」
とても形容しがたい風景が広がっていた。人影はせず、ビルには蔓が伸びていた。錆びているビルもある。しかもまるで日陰のように薄暗い
「これは・・・出てくるとこが悪かったかもしれません。」
「どうも薄暗いのですが・・・上に何か見えますか?」
「屋根でもあるのかもしれませんが・・・あ、確かに何かあります。しかしあまりにも暗くてよく見えません。」
「うわあああああああ」
どこかで大臣が叫ぶ声が聞こえた。スカルムレイと私が何が起きたのかを確かめる。
「な、よくわからねえけれど熊のような怪物が現れた!」
確かに熊のような生物がいたが目が赤くこちらを睨みつけているような目をしている。
私がすぐに駆けつけてウェールフープで抹殺する。相手は倒れた。ラーデミンなどではなかったようだ。
「おかしい。何かがおかしい!ファイクレオネは数年でここまで壊滅的な状態になるような場所じゃない!」
やがて私は上の存在に気付く。
「いや、もしかして・・・」
スカルムレイが私に目を向ける。
「どうしたんですの?」
「いえ、もしかしてなんですが、あいつら上に逃げたんじゃないかって」