こんな宙に浮いた巨大要塞でも星がしっかり見えるんだな。宇宙って素晴らしい。
「きれいですね、ケンソディスナル氏。」
「陛下、夜更かしはいけませんよ。お体をきれいにして早く寝ましょう。」
「あーそうですわね。」
スカルムレイはアルパから持ってきたと思われる寝巻を出した。そしてタオルらしき布を持って風呂場に入っていった。やれやれ。
私はとりあえず、先に寝て夜中に入ることにした。
私は目が覚めた。外はまだ暗く、ビルの明かりが一部ついているような感じだった。こんな時間に遊んでいる人間がいるとは驚きだ。目線を下に落としてみるとスカルムレイが真横で寝ていた。ああ、我らが女王が私のすぐ横で眠りについている。王国のパンシャスティ達に知られたら確実に殺されるな・・・。
そしてベッドから出る。窓のところまで行く。もちろん、警備のためだ。私たちはハフリスンターリブに指名手配されている。いつxelkenやウェールフープを使って私たち二人を襲ってくるかどうかわからない。朝気づいたら囲まれている可能性もある。ケンスケウ・イルキスでもそういうことがあったかな。銃弾を素手でキャッチしたあの夜か。もう、あそこで彼女と共に過ごすこともないんだな。そう考えると涙が出てくる。その涙は部屋に敷いてあったマットを濡らしていく。
久々にみる、大都会の夜の風景。まだファイクレオネからの移住が完了していないとはいえ、やはりここはいつでも近代的だった。しかし、最近の私の感覚では古風な家も悪くないなと感じていた。アルパとか、イルキスとか。ネステルに住み始める前はそうでもなかったか。
刹那、こちらに銃弾が飛んでくる。その銃弾は窓ガラスに激突すると下へ落ちた。
「な・・・!」
すると誰かがターザンの要領でこちらに向かっているのが見受けられた。まずい、スカルムレイが寝ているというのに・・・!
“ハハハハハ―wwwwww”
奇妙な叫び声も聞こえた。しかし、どこかで聞いたことのあるような声。だんだん近づいてくる、見た目はラネーメ人・・・まさか!
“リファーリン!”
“リファンだっつってんだろうがぁ!?”
名前間違えたせいでキレられらた。何故ラネーメ公営地下鉄の社長がここへ?
“り、リファン!なぜここに来た!?なぜ場所が分かった!?”
リファンが窓枠にうまいこと着地する。そして私の質問に問いかける。
“はっはっは、今回は君の命を狙ったりはしないよ。”
“な・・・”
“ただ、忠告をしたかったのさ。”
リファンがこちらに飛び移るときに伸ばしていたロープを収納する。
“な、なんだ?”
“君とそこのお嬢ちゃんが止まっているそこの部屋。実はちょうど一週間ほど前に我々ラネーメ公営地下鉄の社員が止まったばかりでね。部屋のどこかにウチの列車と時限爆弾が置かれているんだ。”
私は唖然とした。なぜこんなホテルの一室に爆弾を。
“は?・・・すぐに解除してくれ!”
“いや誠に残念だ。その時限爆弾だが私もどこに置いたかわからなくなってしまってな。悪い悪い”
“悪い悪いで済む問題か!?どうしてくれるんだ!”
“いや、本当にそれについてはどうしようも・・・その部屋を早急に離れてもらうか急いでチェックアウトするか・・・”
なるほど、こんな時になぜこの部屋が空いているのか不思議だなと思っていたんだがそういうことだったのか。そのたびに毎回こいつが忠告していたのか?
“はっはっは、冗談だよ。ラネーメ公営地下鉄は非常に慈悲深い。代わりの宿くらいうちが用意しておくさ。それっ”
ピッ
「え、」
謎の社長がリモコンのスイッチを押した瞬間、私たちは謎の閃光に包まれた。
「んー?」
“よし、テレポートできたな。今夜君たちはここで寝てもらおう。朝9時になったら強制的に追い出すよ。”
“なんて無慈悲な”
部屋は見た感じ、普通の部屋だ。だが窓らしきものが全くない。地下にあるのだろうか。
ふと荷物が心配になりあたりを見回すがちゃんとあった。スカルムレイもベッドごとこちらにテレポートしてきたようなので依然寝たままだ。
“じゃ、お二人さん。よい夜を。”
“おい、ちょっと待て”
謎の社長の足が止まる。
“なんだい?”
“お前の目的はなんだ?”
“・・・目的?”
社長はぼーっとした顔でこちらを見ていた。
“ラネーメ公営地下鉄は・・・聞けば軍隊も、核兵器も数台だがNZWPも持っていると聞いた。”
“ほう、なぜそれを知っているんだ?”
“風の噂だよ・・・!”
私は続けた。
“普通の鉄道会社が運営していくには鉄道と線路と人材さえいれば後は何とかなるはずだ。なのになぜ兵器を持っている?自らの会社の危機であれば連邦に要請すれば何とかしてくれるはずだ。”
社長は少々うつむいた。まずいか?殺されるか?
するとはっと顔を上げて目を見開いた。
“私は・・・今あるユエスレオネ連邦を…そのほかの行政機関を信じていないのさ。”
“・・・は?”