はふりの書   作:witoitaa

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#33 友情

朝になった。あんまりのんびりしていると社長に強制的に追い出されるらしいので早めに準備する。どうせろくな追い出し方じゃない。

結局昨日はあの後すぐに寝たんだけれど結構早く起きてしまった。これ絶対昼寝するな。スカルムレイはあれからずっと寝ていたようだ。そういうことで今起こそうとしている。

「陛下、お時間ですよ。起きてください。」

「んん、んー・・・」

「起きてください。朝になりましたよ。」

「んー、朝―?」

「今日こそは大臣に会いに行きますよ?早く準備をしてくださらないと」

「あー・・・そうだったわねー・・・仕方ないなー・・・」

スカルムレイがやっと起きた。部屋には私とスカルムレイ以外誰もいない。どうやって奴を呼べばいいんだろ。すると、ふいにドアが開いた。

“起きたかい?”

“ああ、おはよう。”

社長が来たようだ。今朝の社長は昨晩のあの姿からは想像できないほど陽気だ。

“昨晩言った通り、あと20秒で追い出すぞ。”

え、もう?

“ちょ、今何時!?陛下がまだ支度をされているんだが・・・”

“もう8時59分だぞ?ウチの社員は全員7時に会社に来るんだよ。”

“は?早すぎだろ。ていうか追い出すってどうやって?”

“物理。”

 

15

スカルムレイに喚起しなければ。

「陛下!早くお着替えください!ああ・・・スカルタンがちょっと傷んでいますね・・・」

「んー、ケンソディスナルー?なんでそんなに急いでいるのー?」

 

14

「ですから、早くしないと、物理的に追い出されるようなんです!ここはラネーメ公営地下鉄のおそらく地下!如何にして追い出されるかまったく見当もつきません!」

「えええ!?」

“おい、誰かウチを比喩したか?”

 

13

「えええ?ていうかここどこ?私たちってあの部屋で寝ていたんじゃないの?」

「事情は後で説明しますから、今は早くご支度を!」

 

12

「あれ?髪飾りはどこやった?」

「え?え?荷物の中を見てはどうですか?って、社長また消えたぞ!」

 

11

「んー、荷物ってどこだー?もしかしてホテルに置いたまま?」

「え、そんなはずは・・・あ、ありました!」

 

10

「おお、流石ですわね。って、ふわわわわ!?」

「え?」

 

9

「いったー、なにかしらこれ」

「んんんん?」

 

8

なんだろうこれ、なんか配線がある。電線だろうか?いったいどうやって追い出されるんだ?

あ、社長が現れた。

 

7

「あと7秒だぞ。」

社長がカウントダウンを始めた。

「へ、陛下、荷物をお持ちになってください!」

「え、あ、うん」

 

6

「えーっと、あとは・・・あー!!陛下!髪を整えに!」

「え、えー!?」

 

5

“あと5秒だ。”

「と、とりあえず、この櫛で何とかしてください!」

「あ、うん」

 

4

「な、直らないわよ寝癖!」

「んー、やっぱり女性の髪形を数秒で治すには無理があるかー・・・」

 

3

「と、とりあえず髪全部まとめておきましょう」

「あ、うん、お願い、やって頂戴」

「え、私がですか!?」

 

2

うーん、ツァピウルの時どうしたんだっけ?確かこれをこうして・・・

「いててててて」

「ああああすいません!」

「いえいえいいの」

 

1

「よ、よ、よし!なんとかなった!これなら女王様として大丈夫でしょう!」

“おい、スイッチ入れるぞ”

“あああああちょっと待て”

 

 

ピッ

「え、」

途端に床が開いた。私とスカルムレイと荷物は下に落下した。するとラネーメ公営地下鉄の列車が待ち構えており天窓が開いていた。

“はっはっは!ラネーメ公営地下鉄をご利用いただき、ありがとうございます。次はフェーユ・シュユだ!あばよ!”

“は・・・?”

“ウチに泊ったご褒美はわが社の始発へ特別乗車だ!”

“え?これ始発!?遅すぎだろ!9時だぞ?”

“常識にとらわれてはいけないのさ。では、進行!”

“うわっ”

「きゃっ」

 

すると鉄道は走り始めた。だんだん社長の顔が見えなくなる。とりあえず私とスカルムレイは座席に座ることにした。

「うーん、状況が全く掴めませんわ」

「私もですよ、陛下。あの社長・・・行動が読めない。また来るかもしれません。そんなことより、早く大臣と両国の相互不可侵条約を結びましょう」

 

“おーっと君たちー!”

“な、社長!?”

社長が時速100kmくらいで走る列車に走って追いついてきた。そして、ジャンプをして窓に張り付いて窓を開けた。

“な、列車に追いつくなよ。”

“忘れ物だぞ。”

“あ、え?”

“ほら、私の連絡先だ。”

“え、”

社長は電話番号が書かれた連絡先を我々に渡してきた。どういうつもりなのだろう。

“忘れたとは言わせねえさ。昨夜の誓いをな・・・!”

スカルムレイはただ座ってみていた。私には初め言葉の意味が理解できなかったがすぐに笑顔を見せた。

“・・・ああ。よろしくな。社長。”

“はは、リファンでいいさ。”

“そうか、リファン。”

 

“もし連邦が相手にしなくても、わがラネーメ公営地下鉄が、友の為に共に戦おう。ラヴヌトラート。”

 

するとリファンは後ろを振り向いて列車から飛び降りて超高速で向こうへ戻っていった。5秒もすれば姿が見えなくなっていった。

 

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