部屋を出た。
そして私は真っ先にラヴュールのところまで行った。何があったのだろう。
“見つけたぞ、ラヴュール!事情を聞かせてもらおうか。”
“・・・”
ラヴュールはうつむいている。
“そうだね。仕方ない。”
するとラヴュールはウェールフープを行い、特別警察のビルと思われるある部屋に三人を転送した。
「・・・は?」
スカルムレイがまた驚く。さっきからほったらかしにして申し訳ない。
“さて、簡潔に言うとだな・・・総務部を下された・・・!”
“え?”
どうやら格下げされたらしい。なぜ?ラヴュールという青年はどこからどう見ても真面目そうな顔をしているというのに。
“君たちは中央フェーユにいなかったのかもしれないから知らないのかもしれないが・・・昨晩、xelkenが現れたんだ。”
“ほう”
“奴らはまたいつものようにテロを起こしていたんだ。それで私たちが派遣された。”
“え・・・それは連邦軍の仕事ではないのか?”
“さあね、上層部の考えることはよくわからない。とにかく、派遣されたんだ。”
“そこで上の奴らはどう指示を出したと思う?民間人を巻き込んでもいいから町一帯を焼き払えというんだ・・・!”
“んな無茶な”
信じられない。連邦がそんな判断をするとは。
“さすがにそんなことはできない。とりあえず一人ずつxelkenの兵たちを始末していったさ。当然やり残しが出るだろう?それで私は任務を意図的に遂行せず連邦に反したっていう責任がかかったんだ。”
そのとき、リファンの言葉が脳裏を横切る。彼はこれを恐れていたのかもしれない。
“なにが連邦の狗だ・・・!当然私は反対したさ。その結果が・・・これだよ”
たしかにこれでは連邦が本当に信じられるものなのかが怪しいな。だからリファンがいるのか。このまま連邦と条約を結んで救済を受けていて大丈夫なのだろうか?実は条約に反するのではないだろうか。連邦と王国では明らかに連邦のほうが国力がある。
“FAFS氏、これは私の持論だが・・・遠い権力者ほど信用できないのさ。初めからそれに頼ろうとするやつは、もう負けているよ。”
ラヴュールとリファンは同じような顔をした。とてもたくましい顏。先人たちが残した顏。どちらも私のほうが年上のはずなのに。私は特別警察のビルを後にして帰国することを決意した。
私とスカルムレイはある広場の中心に立った。
「それでは王国へ帰りますよ。」
「あの、条約のほうは?」
「・・・半分決裂、半分成立と言ったところでしょう。また後日話します。」
「え?それはつまりどういう・・・」
息を吸って意識を集中させる。そして目を見開く。
「iska lut xelkener!」
――
「陛下!!」
「スカルムレイ殿!!」
この前の場所に出た。全員が一堂を会したあのホールだ。そこでは数人の王国民が立っていた。
「ああ、よかった。ファイクレオネへ行って行方をくらまして10年、やっと帰ってこられた。我らが主よ!」
「このこと、早急に同志に伝えなければ」
そしてスカルムレイと私は誘導された。
「こちらへ!」
「え、ちょ、」
スカルムレイがまず男性に連れて行かれた。あちらはたしかベランダの方角だ。
「さあ、ケンソディスナル氏。あなたも。」
「え、私もか?」
なぜか私まで連れて行かれた。いったい何が待っているのだろう。
「こ、これは・・・あなたたち・・・」
ベランダの先にはおそらく各地から集まったと思われる王国民が広場に集まっていた。
事情を聴くことにした。
「陛下。実は、そこのケンソディスナル家の娘、カラム=ケンソディスナル氏がついにあの忌々しきハフリスンターリブへ母の敵を討つことをお決めになったのです。そして、あのユエスレオネ連邦と話をつけてきてくださったあなたをずっと待っていたのです。」
なんと、そこまで事が進んでいたとは。聞けばあれからすでに6年たっていたようだ。カラムも一人前に成長している。どうやらむこうとこちらでは時間の進み方がかなり違うようだ。あるいはウェールフープをミスったか?
「それでは、スカルムレイ陛下。ぜひ、演説を」
スカルムレイの様子は変だった。無理もない。交渉は半分決裂したのだ。すると、スカルムレイが私に話を振った。
「ん?どういうことですか?」
「彼がすべてを話してくれるわ。彼に拡声器を。」
「?はあ・・・」
「ケンソディスナル氏、貴方があそこで見たこと、すべてを私の代わりにぶつけて頂戴。」
そうか、もう連邦に頼ってはいけないのか。今は我々の力で打開せねばならない。しかし、それならもうとっくに私の妻が犠牲になった。だが、それとはもう違う。我々はもう一人ではない、なんのためにラネーメ公営地下鉄だ。私は息を吸った。
「王国の皆、我々はついに復讐のやり方を見つけてきた!」
「今の時点で連邦にすべて頼っては、王国は衰退の道をたどるだろう!」
「いるんだろう?ラネーメ公営地下鉄、Ales lanerme lifan社長!」
すると一同は騒ぎだしその男を探そうとする。
「ほう、流石、”FAFS氏”だ。私を感知してしまうとは」
私は少し驚いた。リファンがユーゴック語を話している。実は話せるのだろうか?
「予てより、王国とは列車を投資するという関係があった。ユーゴック語くらい話せて当然だ」
「ガルタ=ケンソディスナル氏!どういうつもりだ!?奴は誰なんだ?」
下にいたある民衆が叫ぶ。
「ふふふ、私はただの、ラネーメ公営地下鉄の・・・社長だよ」
「そうさ、スカルムレイ・ハタ王国はラネーメ公営地下鉄と協力することによって、ハフリスンターリブの排除をする!」
「なぜお前なんぞが勝手に決めているんだ!スカルムレイ陛下はそんなことすぐに反対をされるはずだ!余所者め!」
「どうなんですか陛下!」
するとスカルムレイは息を吸って目を閉じた。そして見開いて叫んだ。
「お黙りなさい!」
スカルムレイが拡声器に向かって、王国民に向かって叫んだ。
「私、スカルムレイの言うことが聞けないというの・・・?彼らは王国の味方よ。それを拒絶しようとするあなたたちは王国の敵も同然。ハフリスンターリブと苦楽を共にするといいわ!」
スカルムレイの言葉にはカリスマ性があった。この方ならば頼ることができる。それを彼女自身の表情と、声と、「スカルムレイ家」という一族の歴史がそれを助長する。
「すみません。陛下。貴女に従います」
「いいですね?あなたたちとラネーメ公営地下鉄、いえ、彼の”友人”の力と、カラムちゃんが合わさればハフリスンターリブを、あわよくばxelkenでさえも地獄の底に追い込むことができます。二度と無駄な血を流してはいけません。同じ歴史を繰り返してはいけません。」
するとどこからか少女の声が聞こえた。
「イザルタシーナリア氏らの犠牲・・・無駄にしてはいけません。」
カラムだ。私の実の娘。我々が向こうにいた間、ずっと戦闘の修業をしていたと聞いている。しかも、私の直系だ。もしかしたらケートニアーなのかもしれない。それにしても素晴らしい女性になった。
「進撃は、今すべきです。皆の者、私についてきなさい。」
なんと、我々は今帰ってきたばかりだというのに。もう行くらしい。
「父上と陛下はアルパに残っていても結構よ。父さん、疲れているでしょう?陛下もおそらく。」
「いや、カラム。父さんは行くぞ。母さんの敵は私も討たなければならない」
「・・・そう」