私とラヴァウは交戦状態に入る。初めはラヴァウは普通に敵対者を処理するような顔をしていたが次第に変わっていく。
「あんた、どう見てもウチの幹部のユーナリア=ハフリスンターリブの顔なんだが・・・?」
「ふん、そんな昔のことなど忘れた。」
「はっは、弟もご先祖も裏切るとは、俺はあんたみたいな男についていったことがあったのかと思うといろいろと悲しいよ。」
「言うな。今はガルタ=ケンソディスナルだ。」
私は手に気をこめ、戦闘準備に入った。相手はさっきの様子から見てどうみてもケートニアー。私が相手しないとダメだ。
「ネステルに十年近く住んでついに平和ボケしちまったか?俺が今から目覚ましてやるからよお」
「斷る!」
とっさに前方にウェールフープを放つ。しかし外れた。とっくに瞬間移動をされていた。
「おっとっと、マジになっちゃったか。ユーナリア先輩」
ラヴァウ=ジャッハルタ(Lavau=Jahharta)。たしか20年くらい前にハフリスンターリブに入ってきた奴だ。来る前はネステルのマフィアの下っ端だったらしく、ある日ボスに見放されてここに来たとか。かなり重たい来歴を持っているが根っからのウィトイターでありケートニアーだ。ハタはこいつをたいそう可愛がっていた記憶がある。惜しくも右腕のような男にはならなかったがこうして一つの軍隊の司令をやっている。
「貴様のそのハフリスンターリブへの執着心、叩きなおしてやる」
私は手に力を込めて槍を生成してそれを投げつけた。ラヴァウはそれを軽く避ける。
「あらあらあら」
ラヴァウは手に力を込めた後こちらに向けた。
「?」
するとあたりに小刀が現れそれらは私を貫こうとする。
「無駄無駄無駄ァ!」
「へ、何がハフリスンターリブへの執着心だい。ハフリスンターリブ姓の奴に言われたくはないねー」
「その名前はもう捨てたと言っているだろうが。ハタの進んでいる道は明らかに間違っている。それを正すのが私の使命だ。」
そう考えてラヴァウが振った剣をイナバウアーで避ける。
「何があっているか、間違っているか。それはあんたが決めることじゃないさ。」
3メートルはありそうな巨大な剣を私を狙って振り下ろす。私は真剣白刃取りをした。やはり、並の強さではないか。だが、この程度ならまだ勝てる。
「そうさ、世論が決めることさ。その世論と、あんたたちのやっていることは違うってことなんだよ。」
剣をキャッチした手に力を込める。すると剣は爆発し、ラヴァウまで届いた。
「ぐっ・・・」
ラヴァウがのけぞった。チャンスだ。
「じゃあな!」
ウェールフーポを纏って向こうへ投げるように手を振る。あたりは爆発し、ラヴァウの姿はなくなった。死んだか?
「や、やったか?」
「いや、多分逃げたな。」
足の速い奴め。だがもしこのまま逃げられ、ハフリスンターリブに告げられたら・・・いや、私はもともとハタに追われていたのだ。今更動じることはない。いずれは戦ってケリをつけなければならない。
「ケンソディスナル氏、ずいぶんと強いんですね。」
一人の兵が訊ねてきた。ウェールフープを知らないのだろうか?
「私は根っからのケートニアーだがさっきの男はおそらくウェールフープ可能化剤を使っていたようだ。」
「ウェールフープ・・・?ケートニアー・・・?」
「もともと人類には二種類の人種がいる。ケートニアーとネートニアーだ。ケートニアーはさっきのウェールフープという魔法を使える人間、ネートニアーが使えない人間。ここユーゲ平野ではケートニアーは完全に滅んでしまったがあのファイクレオネでは普通に使われているんだ。」
「はー・・・ウェールフープウェールフープってずっと耳にしていましたけれどそのことだったんですね。」