ガルタはハフル楼に到着していた。
「よし、はじめよう。」
やはり前には門番が二人立っていた。
それにしてもどう潜入しようか。普通に正面から突入した後有力者を下から殺していくか?それもいいが、やはりここは安全に行った方がいいだろう。
とも思った。そのあとそれは無効なことに気付いた。私は今裏切り者としてハフリスンターリブ内で言われている。どうせすぐにバレルであろう。
「まあ、とりあえず、ウェールフープで二人とも静かに殺そう。」
私はウェールフープを操作して正門一帯の酸素を全て抜く。当然門番は全員窒息するだろう。
「ァ!・・・ァァァ・・・」
一人は泡を吐いて死んだ。もう一人は門に入って侵入者を告げようとしたら門の前で倒れてうつ伏せになって死んだ。
さて、これは使えるな。
そのまま何のためらいもなく門を開けて侵入した。
すると一気に銃弾をこめるような音がした。私は両手を上げた。
「ユーナリア=ハフリスンターリブだな?」
すると正面玄関から男が来た。やはりどこかで見たような顔。ハフリスンターリブの幹部、クェール=ハフリスンターリブ(Qerl=HahurisnTaarib)だ。
ハフリスンターリブには三人の幹部が鎮座していた。一人は最初に戦ったラヴァウ=ジャッハルタ。たしか、三人の中ではもっとも弱い。その次にこの男、ウェール=ハフリスンターリブだ。かつては私が三人目だったが私は抜けたので今は誰なのかわからない。
「クェールか。私に何の用だ?」
「ふん、そちらこそ、ついに自首する気になったか?」
「いや、その反対だな。」
「ずいぶん余裕ではないか。ついでに言っておくが、貴様の仲間どもは全員ウチの奴らが片づけに行ったぞ。」
ん?こいつらが?やつらを?そんなわけあるか。
「は、貴様らみたいな雑魚にやられるほどうちは弱くないぜ。」
「さあ、どうかな。」
すると外から警笛の音がした。
「ん?電車?」
すると後ろから12両ほどの列車が壁を破壊して走ってきた。
「・・・は!?」
その列車は正面広場を爆走し、周りで銃を構えていた兵をなぎ倒していった。
「お、おい、止まれ!」
クェールはウェールフープを放った。列車がひっくり返る。
「おい誰だよ、この私の自慢の直方体列車に攻撃を仕掛けた奴はぁ・・・」
「ふざけるな。誰だ!」
「私か?私はただの・・・ラネーメ公営地下鉄の社長だよ。」
「な、なぜ生きている?」
「さあ、着いたぞお前ら!」
「ん?お前ら?」
するとすべての扉が開いた。ピンポーンピンポーン
「着いたのね、ハフル楼。」
カラムが出てきた。けがはない様子。
「カラム=ケンソディスナル!?なぜ・・・」
「ああ、お前らが私たちに送り込んだ刺客ならば全員このラネーメ公営地下鉄でなぎ倒してやった。ちょちょいのちょいだぜ」
「ち、撃て!」
銃を構えていた周りの兵士たちが一斉に引き金を引いた。
――
「あいにく、全員ケートニアーなんだ・・・!」
そういえばリファンはおそらく銃弾を食らっているがそこはやはり社長なので簡単には死なないのだろう。しかし、カラムが倒れていないのが気になる。
「か、カラム、大丈夫なのか?」
「えっと・・・」
それを見かねたリファンが答える。
「カラムちゃんは君と同じ、ケートニアーだった。ケンソディスナルにはケートニアーの血が混ざってしまったようだね。」
私は社長の目を見てそれは本当のことだと確信した。
「・・・そうか。ついにハタ王国のシャスティにもケートニアーの血が・・・!」
「お、お前らどうかしてるさ・・・」
クェールが驚いている。ネートニアーが数人ならまだしもケートニアーが二人、しかも二人ともウェールフーポが強い。その上謎の強さを誇るラネーメ公営地下鉄の社長、アレス・ラネーメ・リファン。それに加えて数十人のウドゥミトの使い手たち。これだとケートニアーとはいえ勝てる気がしないであろう。
「お父さん、あの男は誰?味方?」
カラムが問いかけてくる。もう何も考えなくていい。今は目の前の奴を倒すことを考える。
「いや、敵だ。殺せ。」
「へへ、そうこなくっちゃ」