「え?私が?」
「何かあれば私がやろう。奴はお前に任せた。ハタは私がしっかり殺して決着をつけたい。」
「そう、分かった。」
「任せたぞ。」
社長が中に入っていく私を追いかける。
「リファンは・・・一緒に来てくれ。」
「フフ、友のためならどこまでも行こう。」
「待て、中へは入らせない!」
クェールがウェールフープで私を射抜こうとする。しかし、それは列車によってガードされた。
――
カラムは目の前にいる男を倒さなければならない。
「ほう、お嬢ちゃんが戦うのかい?」
「父さんの頼みだし仕方ないわ。」
「ははは、まあいいさ。君も早く生け捕りにしてハフリスンターリブの者として生きてもらおう!」
クェールが襲いかかった。クェールの目には下心さえ見える。
「はっ!」
カラムは上に飛び突進を避ける。同時に空中からナイフをお見舞いする。しかしどれも弾かれる。
(どうしよう、今までウェールフープなんて撃ったことないし・・・でも撃たないと勝てないか・・・!)
カラムはナイフで応戦しながら戦闘中にウェールフープを放つ方法を探すことにした。
「喰らえ!」
クェールが再びウェールフープ。今度は衝撃波を飛ばしてきた。カラムはよけようとするが頬が掠る。
「くっ・・・」
「はっはっはっ!かわいい子ちゃんと遊ぶのは大好きなんだ!」
「な、こやつめ・・・」
「ははは、よそ見していていいのかな?」
「え、」
後ろを見る。クェールが分身している!
「きゃっ」
カラムは後ろから背中に衝撃波を食らって前に倒れる。
「ほらもらった!」
クェールがアッパーを繰り出す。比較的華奢な体形をしているカラムは上に浮いた。同時に口から血を吐いた。
「カ・・・」
「さあさあさあ、ハフリスンターリブに入ってもらおう、お嬢ちゃん!」
クェールはカラムをキャッチしようと落下地点を予想してお姫様抱っこの構えをする。と、カラムの中に何かが走る。父さんは陛下を連れてあの社長を連れて行ってくれた。兵力を連れて行ってくれた。今は父さんがいる。あの社長がいる。それなのに私が負けてどうするのか。
カラムはさっと向きを変えてナイフを取り出し刺そうとする。
「ウグァァァ!」
クェールは思いっきりカラムをお姫様抱っこする気でいたので素直に刺さる。
ついでに後ろへバク天をして間合いを取ってあと四本ほどお見舞いする。すべて頭を狙った。
「そうだ・・・頭を爆破しないといけないんだっけ。」
カラムは懐から巨大な刀を取り出して頭を切り刻もうとする。クェールに勝てると思っていた。
――しかし、彼もケートニアーだ。
「むん!」
カラムの振り下ろした剣をつかんてウェールフープで破壊。そしてカラムの首をつかんで持ち上げる。
「く、くるしい・・・」
「さあ、今度こそ!」
やはり、クェールには勝てないか?いや、まだウェールフーポを開放していないだけ。しかし、まだわからない。ナイフを投げている最中にいろいろ手に力を籠めたり振ったりしているけれどわからない。
カラムは半ばあきらめた状態で、最後の力を振り絞りクェールの顔面にパンチをぶちかます。その時、私の眼には何かが見えた。
「ぶ!?」
クェールは吹き飛んだ。私のパンチで。しかも数十mほど吹き飛び遠くにあった塀にたたきつけられた。
これは明らかにウェールフープだ。ついに撃てた。殺意さえあればいつでも実行できるようだ。父さんはなにやらわけわからない呪文を言っていたけれど、時にはそんなのなしで実行していた。
やはり、私はあの社長の言っていた通りケートニアーだったようだ。
「やああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
「く、私もここまでか・・・」
やはり、ハフリスンターリブの血を継ぐ者だ。王国の血が混じっているとはいえ、あの初代ハフリスンターリブの、ララータ=ハフリスンターリブの末裔だ。
80年生きてきた私だったが、こんな小娘に負けてしまった。油断したな。ともに地獄へ行った仲間たちになんて言えばいいのか。死んで逝った同心たちになんといえばいいのか。ハタ総統よ、せめて貴男様だけは生きて、トイター教主義国家よりはるかに良い国を作ってください・・・。
真のスカルムレイは・・・貴男様に違いない。
カラムの手から光が炸裂しクェールを跡形もなく焼き尽くす。あとには灰のようなよくわからないものと、クェールの髪の毛一本だけが残った。
「・・・ごめんなさいね」