「どうした?この大軍を前に恐ろしくて動けねえか?」
「父さん・・・?」
「あーあ、この男、多分死んだぜ」
私はうウェールフーポさえも口から吐き出してしまいそうな勢いで叫んだ。
「黙れ!言った筈だ。私は彼女を守りたいと思ってこの行為に及んだ。お前に反逆した。いや、まずお前の考えにはちっとも賛同できない!」
ハタは睨み返した。
「ならば・・・死ね。三人ともな。」
すると奥から何人もの女性が現れた。彼女らは全員スカルタンを着ている。
「な・・・アケハフルの戦いのときのシャスティ・・・!」
「このなかに貴様の愛した女も入っているかもな。奴らを殺せ!」
やはり、情報通り、生け捕りにして洗脳させたらしい。だが彼女らは一人だけでもかなり強いし相手は女性。私が直接手を差し伸べるのも気が引ける。
「はっ、やはりそこは貴様らしいな。ユーナリアよ。女性が相手だと手が出ないんだろう?」
するとナイフが体に刺さった。どうしよう。ここでモーニを全開にしてケートニアーの体を使って元の王国民に再教育するか。
「Jiesesn!」
「リファン、聞いてくれ。彼女らを私が一人で再教育する!こうして見方を手に入れないと無理だ!さすがに私たち3人で大軍を相手するには無理がある!」
「はっは、ラヴヌトラート。その心配はないんじゃないかな。」
え?
「何のために彼女を連れてきたんだい?」
そう言ってカラムを見た。カラムは手に気をこめて戦闘準備をしていた。
「な、そんなの無茶だ!彼女らは一人だけでもかなり強いというのに!」
するとリファンは顔を変えた。
「安心するんだ。敵の女性たちは皆ネートニアー。ケートニアーとネートニアーの差別の歴史ぐらい、君も何年も前から見てきたはずだ・・・」
カラムは手をかざしてあたりを爆破させた。
「くそ、カラム!彼女たちを頼む!ただし、殺しては駄目だ!」
「ええ?私、これ撃てるのは分かったんだけれど強弱とかはまだわからないよ!?」
「ははは、大丈夫だよ。カラム、お前自身の感覚でやればいい・・・」
さて、我ら二人はハタの首を――
と、そこに銃弾が見えた。なんだ、何が起きている。
「あ・・・あ・・・」
リファンは胸を押さえてうずくまっている。
――リファン?
「リファン!リファン!」
リファンがどうやらウェールフープライフルで撃たれたようだ。
「り、リファン!お前、ケートニアーじゃないのか!?何故倒れるんだ!」
「い、いいから・・・お前、その力で治療できるんだろう?」
「あ、ああ、できるさ」
私はウェールフープでリファンの傷を治療しようと手をかざす。
すると私は後ろから何かに狩られた。
「!?」
気が付くと私の頭は吹き飛んでおり、何も見えない。体からは膨大な量の血が飛び出しており、内臓の様なものさえ見える。
「無力だな・・・」
ハタの声が後ろからした。
私は吹き飛んで廊下のずっと向こうにまで飛ばされた。そこにはカラムも同じように血を流して倒れていた。
「カラム!?」
「く、父さん・・・おそらくあの女たちもウェールフープを・・・!」
ウェールフープ可能化剤だろうか。さすがハフリスンターリブ。手下にするときはきちんと力を与えるか。
「戦場において、感情を持ち合わせるということはすなわち・・・死を意味する。」
「ま、まだだ・・・私はケートニアー・・・カラムもケートニアーだ!」
私はもはや血の塊でしかない手を押さえながらゆっくりと立ち上がった。
「愚かだな、過活動交換症候群というものを知らないというのか?」
私ははっとした。あんまり大きな損傷を受けると造・発モーニ体が異常に動いてしまう。最悪の場合ケートニアーでも死に至る。
「あ・・・頭痛が・・・」
「過活動交換症候群は休めば何とかなるが・・・そうはさせねえさ。お前ら!」
数台のウェールフープ砲がこちらを向く。
「まずはケートニアーの二人からだな・・・!撃て!」
私はやっと目が回復してきて周りがはっきり見えるようになってきた。
だがすでに遅かった。ウェールフープ砲からは閃光が見えた。
せっかくここまで来たというのに、こんなところでハタに攻撃を当てることもできずにやられてしまった。これでは今は亡きツァピウルに合わせる顔がない。
すまなかった。
――すると、有字のカリーファの文字が刺繍されたスカートが目に移った。
「そうはさせません」