手から強烈な光とウェールフープ波が飛び出し、ハタに直撃する。
「な、・・・」
最後に死にかけのハタの声が聞こえた。
外からは中が確認できないほど光っていた。
――
光が収まりあたりが見えてくる。ビームが直撃した地面は見事にえぐれ、そこから先まで広がっていた。ハタは死んだか、それとも跡形もなく消え去ったか。
社長が確認しに行った。
「リファン、どうだ?」
私は空を飛びつつ近寄った。
「血も残っていない。吹き飛んだんじゃないか?」
「うーん、どうなんだろう。」
「ビームがでかすぎて当たったのかどうかもわからないんだよな。このまま数秒誰も切られたりしなければ大丈夫かもな。」
うーん、どうだろうか。奴はしぶといから。
すると連邦軍の司令官、スカルムレイが近寄ってきた。
「あ、陛下」
“君がうわさに聞くガルタ=ケンソディスナル氏か。”
“ああ、いかにもそうだ”
“独裁派の棟梁は君たち四人が倒すことになっているとスカルムレイ陛下から聞いている。終わったのか?終わったのであればこの戦争を続ける意味はないんだが。”
“・・・それが、奴のことだから、死んだのかどうかまだわからないんだ。死体も見つからないし。このまま数分間誰も殺されなければ大丈夫なのかもな。”
“うーむ、難しいな・・・”
「ケンソディスナル氏、どうですの?」
「まだわからないです。今はただ、後ろに注意を払っていただければ・・・」
――!?
刹那、スカルムレイに斬撃が及んだ。
「きゃ・・・」
「へ、陛下!」
「スカルムレイ様!!」
ツァピウルがスカルムレイに近寄ってきた。
スカルムレイは背中の下のあたりを斬られたらしく、後ろから倒れた。
「くそっ、やっぱり生きていたか、ハタ!」
「いつの時代も、いつの時代も、結局は経験が勝つ。貴様のさっきのビームだって1000年の時を経て得たものなのだろう・・・」
ハタはこちらに手を向けていった。
「全く不憫である!ならば・・・あらゆる手段を使って貴様らを再生不能にしてくれる!!」
ハタの手に気が集中し始めた。
「く、来るか!」
“ご安心を、ケンソディスナル氏。今すぐにウチのNZWPを・・・”
「あんたの軍のNZWPならばすべて私が爆破しておいたさ・・・それに、ここ一帯に結界を張る。逃げられないさ」
結界!?
するとツァピウルが手に抱いていたスカルムレイが起き上がって叫んだ。
「あなた・・・結界なんて張れるのね・・・」
「それがどうした。スカルムレイ」
「・・・あなたがこの地で好き放題暴れ始めてから・・・他国から何の輸入も来ず、ネステル港からの船も全く帰ってこないと思ったら・・・あなたのその奇術のせいだったのね!?」
ハタは笑い始めた。
「クックックッ、その通りだよ・・・」
「外部からの刺激があるから、自らの政権をとりのがす!外部からの刺激なんかがあるから時代は変わってしまうんだ!ならば、それらを全て取っ払ってしまえば我らの支配が永遠にこの地に続くと思ったのさ!」
なるほど、こいつがすべての事件を犯していたのか。しかし、それをこちらに話してしまったのが運の尽きか。
「そういうわけだ・・・無力なネートニアー!そして王国民よ!貴様らは先に死んで逝った同じ王国の無能たちと共に屈辱を味わうのだ!」
ハタが手に溜めていた気を全てこちらに放出した。私は抵抗をしようとする。
「させるか!」
こちらも走り出して手に溜めて相手に放出する。しかし、あんまり巨大なものは出ない。さっきのでかなり使い果たしてしまったようだ。
「はっは、弱い!」
光る。辺りが光る。私が弾き飛ばされたように感じられた。
「な、何が起こっている?」
私は全くダメージを受けずにハタの方向を見ていた。同じように、スカルムレイ陛下も、ツァピウルも、カラムも、リファンも見ていた。私は今までに見たことのないものを見た。いや、「もの」と呼んだら失礼か。
なんせ、目の前にいるのは間違いなく・・・
「我はアルムレイ あなたたちの媒体です」
私はあまりにも強い光を前に直視ができずに女性っぽい、高き声を聞いていた。
「今、この男は私を侮辱したうえにこの支配者であるスカルムレイを殺そうとしました 私は この男をチェクセルによって永久にイミレホのできぬように 縛ります」
声が出ない。
するとハタが前に倒れ、血が一気に噴き出した。そして見る見るうちにハタの体は見えなくなり、血は天に昇り謎の黒いものによって見えなくなっていった。