気が付くと、部屋のベッドで寝ていた。
「・・・?」
となりには誰もおらず、正面に時計がぶら下がっているだけであった。私はベッドから降りて窓を覗いた。
そこには以前にも見覚えのある中央フェーユの街並みが広がっていた。
私は最後の記憶を引っ張り出すことにした。
たしか、ハタと戦っていた。それで最後にハタにとどめのビームを当てたはず。それからどうなったんだっけ?あのまま勝ったのか?なぜ意識を失っていたんだ?
“ツァピウル殿、こちらに旦那様を寝かせております。”
“ありがと、助かる”
ツァピウルの声がする。まだ不自然なリパライン語。しかし三代目だ。
「ラヴヌトラートさん」
私は後ろを向いた。ツァピウルが立っている。
「どうしたんだ、ツァピウル?」
――
「そうか・・・君も記憶がないのか。」
「そうなんです。聞いてみればスカルムレイ陛下も、カラムも、社長も、司令も、あの時あそこでハタに狙われた人はみんな記憶がないのです。」
「ハタに一時的に記憶喪失にでもされたのかな?」
冗談を交えて私は言った。
「それは・・・違うと思います。」
ツァピウルは結構はっきり断ったがそれ以上私から理由を聞くことはなかった。
「先に言っておきます。これから私とあなたはこの建物を出ます。今夜はリファン氏に食事を食べに来てほしいとのことなので、昼から彼のビルまで行って途中はどこかで食べます。」
「そうか・・・陛下たちはどうしたんだ?」
「リファン氏は先ほど言った通りですね。スカルムレイ陛下は貴方より目覚めるのが早かったのですぐに使者を呼んでネステル・アルパに帰られたそうです。司令は軍に戻りました。カラムは今は外を散歩しています。あとは私二人だけです。」
カラムは外を歩いているのか。平和だな。
「結局、あの戦いはどうなったんだ?」
「連邦が勝ったらしいです。ハフリスンターリブもxelkenとともにそこでやられ滅びました。今ならもうスカルムレイ陛下の王政が復活していると思います。」
「そうなのか」
連邦が勝った。ハフリスンターリブを倒すことができた。よかった。私はこうして生きたまま平和な世界を見ることができている。まだフェーユにいるみたいだけれど、早く元気になったネステルと、イザルタを見たい。数年放置したままのディスナルも活気が戻っているかもしれない。
「早く、王国に帰りたいな。」
「ええ、本当です。」
するとドアが開いた。
「あら父さん、起きていたのね。」
「おう、悪いな、寝覚めの悪い父親で」
「いいよ、敵はもういないんだ」
カラムもそろったので早速ラネーメ公営地下鉄の本社まで行くとしよう。
私は支度をしてビルを出た。そのビルはどうやらあの時スカルムレイと泊ったホテルであった。
「結局あれ、爆発してないよな。」
「どうしたんですか?」
「いや、なんでもない」