「うわわわわわわ逃げろおおおお」
「お待ちください、逃げる必要はございません」
「だ、だってなんか重たそうなものが来ているんですよ?私の剣技で斬れそうな気がしません!」
「ツァピウル、彼を信じよう」
ツァピウルは落ち着いた。
「・・・はい」
ついに鉄球はこちらにどんどん近いて、もう2m以内に近づいた。
「やああああああああああああああああああああああああああ」
リーダが謎の奇声を上げたと思ったら謎のパンチを炸裂し謎の鉄球が謎の破壊をされた。
「謎だ・・・」
「さて、進みましょう。」”アレス君、手すりに触れてはいけませんよ”
“はい、気を付けます”
いや恐ろしい。普通の社員でも死にそうな目に合うのか。
もう5分ほど階段を上っているが一向に目的の階につかない。
「今何階だ?」
「今12階と13階の間ですね。」
「ツァピウル、カラム、大丈夫か?」
「ええ、な、なんとか・・・」
「なあ、リファンはこのビルにエレベーターは付けようと思わないのか?」
リーダはこちらを向いて話し始めた。
「社長は言っております。『あんな密室で物を運ぶこと自体頭がおかしい』と。あんな装置を使用していると事故の時の対応がしづらくなると言って設置しようとしないのです。」
「なるほどなー・・・」
まあ、あいつらしいっちゃああいつらしいか。ならば鉄道だっていつ何が起こるのかわからないのにな。
「なら、鉄道だってそうなんじゃないのか?」
「社長曰く、『鉄道の対応ならばわが社の右に並ぶ者はいない』だそうです。」
自信満々だな。
あれからさらに数分立った。
「さて、着きました。この廊下の向こう側の部屋にホールがあり、そこで会合が予定されています。」
「なるほど、ちなみにその会には私以外に誰か呼ばれるのか?」
「えーと、とりあえず彼に近いアレス・ラネーメ一族は大体呼ぶそうです。あとは聞いておりません」
呼ぶのか。まるで一家団欒だな。
「さて、着きました。ここが会場です。」
リーダが扉を開けた。すると中は結構広かった。
するとその部屋の舞台の中心に椅子がありそこにリファンが座っていた。
「やあ、ラヴヌトラート、ようこそラネーメ公営地下鉄の晩餐へ」
「おう、リファン。招待してくれてありがとう。なぜ私を呼んだんだ?」
するとリファンは立ち上がった。そしてこちらに歩いてきた。
「決まっているんだろう。君は私の友人だ。そして、今日は年に一度、ラネーメ公営地下鉄の本社の社員が集まる『ラネーメ晩餐会』だ。まさかあの事件がこの日とうまく重なるなんてね。君とは運命を感じるよ」
ラネーメ晩餐会か。ずいぶんとのんきな会社だな。だが、社長はあんまり堅苦しいシステムよりもこちらの方が好むのかもしれない。
「ちなみに、この会合には様々な言語の話者が来る。ヴェフィス語、リパライン語、ユーゴック語、アイル語、ナデュー語。しかし、この会合では統一してある言語を使うことにしている。」
「なんだ?」
「ユーゴック語だ。現時点では使用できる人数がこの会の参加者で最も多い」
「ところで、私は晩餐に呼ばれたわけなんだが何時にここに来ればいいんだ?」
「別に、パルソガ近郊を観光したいというのなら無理に留めはしない。」
なるほど、別にここにずっといてもいいというわけか。どうしようか。
「ツァピウル、カラム、どうする?」
ツァピウルは急に名前を呼ばれてはっとなった。カラムも同じである。
「観光しましょう?」
「カラムはどうだ?」
「ずっとここにいてもつまらないから私もそうしたいわ」
リファンは笑った。
「じゃあ、私が案内しよう」