はふりの書   作:witoitaa

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#62 “デュイン戦争”

ツァピウルが戻ってきた。

「どうだい姉ちゃん、トイレのにおいは」

「は////」

「おいこら」

 

リファンはそのまま商店街を進んでいった。

「しかし、さっきから食べ物のにおいしかしないぞ。この商店街ってレストランしかないのか?」

「ラネーメ人は『食こそが人類の生活の基盤』と昔から言ってきたんだ。私はこの町を作るときにその教えに従ったまでだ。どうだ、カラムちゃんも食うか?」

「え、私はそんなに食べないよ?」

 

“らっしゃーい、取れたてのマグロがなんとこのお値段だよー!”

遠くに魚屋があるらしい。

「リファン、ユエスレオネに海ってあったっけ?」

「ないこともないさ。人工的な海だが。」

「そういえば、陸地を作ったんだもんな。海も作るのか。適当に底に魚でも放流したって感じか?」

「そうなのかね。私はこの浮遊島にはあんまりかかわっていないから分からないね」

 

しばらく歩いているとカラムが止まった。

「ん、どうした?」

「とうさーん、私喉乾いたよー」

「そういえばあの蕎麦屋で水飲んでから何も飲んでいないのか」

私はその辺の店に入って水を注文しようとした。

“すいません、水を下さ”

“リンゴジュースを8つお願いします!!”

え、

“かしこましましたー”

“な、ツァピウル、そこまでリパライン語を話せるのか!?“

“ええ、当然ですよ。”

“ていうか、なにゆえリンゴジュースなんだ”

“えーっとー・・・”

飲みたかったのだろうか。わざわざ割り込んでまで。

しばらくするとりんごジュースが8つ渡された。

「ん?そういえば、なんで8つも頼んだんだ?私たちは二杯も飲めないぞ?」

するとツァピウルはカラムと自らの三つ、私とリファンに一杯ずつ渡した。

「あー、なるほどな、やっぱり飲みたかったのか」

「な、何か悪いですか?」

ツァピウルは少し怒り気味であった。

すると、商店街内にあるテレビに男が映し出された。

「え、」

すると、いきなり報道が始まった。その男はどうやらアナウンサーだったようだ。

「臨時ニュースか?」

 

“ニュースをお伝えします。先日、xelkenがここ数年急激に兵力を増やしていた理由がわかりました。また、数十年前に現れた伝説の専制国家「ハタ王国」も存在が確認され、xelkenがその土地へ拉致を行っていたことが分かりました。”

 

どうやらこの前の戦争の件についての報道だったようだ。

“このことを危惧して王国に被害がこれ以上及ばないように連邦はハタ王国の首脳である「スカルムレイ一族」と話をしてサニス条約を締結し、王国の護衛に努めました。戦場となったところはxelken.valtoalがここ数十年で見つけた新大陸で彼らは「デュイン」と呼称しております。xelken.valtoalと共に同盟を結んでいた王国の過激派「ハフリスンターリブ」は連邦軍と王国軍によって全員逮捕に至りました。”

すると、スカルムレイ陛下が映し出された。

「あ、陛下!」

“今回の事件に関して、大きく貢献されたケンソディスナル氏は来月にはハタ王国のネステル市、およびフェーユにて表彰がされる予定です。新大陸デュインに関して連邦の措置は未だ定まっておりません。”

 

私は社長の方向を向いた。社長は少し微笑んだ。

「万事解決だね。」

「ああ、そうだな・・・」

 

連邦にハタ王国の存在が確実に示され、新大陸デュインが見つかり、ハフリスンターリブも闇に葬り去ることができた。これでいいんだ。私は王国の為に、大切な人の為に動くことができた。

「さて・・・そろそろ時間かな」

 

この一連の戦争は「カラムの乱」「デュイン戦争」と後世に語り継がれることとなった――

 

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