はふりの書   作:witoitaa

60 / 61
事後談「ラネーメ晩餐会」前編

四人は本社ビルに帰ってきた。

「お腹がすきましたね。」

「まってな、姉ちゃん。すぐにうちが呼んだ料理人が料理を持ってきてくれるさ」

コックまで呼んだのか。大がかりだな。

入り口にはもうリーダが待っていた。

「遅いですよ。もう会は始まっていますよ?みんな主役がいなくて待ちくたびれております。」

「はっはっは!それはすまないな。よし、すぐに行こう。」

「え、」

ピッ

 

「・・・は!」

気が付くともう例の会場への入り口と思われるところにいた。

「このドアはあの舞台に通じている。きれいな登場の仕方だろう?」

「おお、そうだな」

「よし、ツァピウル、カラム、開けるんだ」

「え、私がですか?」

「誰が開けても同じだろう。早く開けるんだ。」

「んー、まあ、いいですけれど」

ガチャ

 

ドアが開く、先にリーダが入った。

「あ、リーダ」

するとリーダが入ってきた途端に歓声が聞こえた。

「そんなに人がいるのかよ」

「ウチの舐めないでほしいね。連邦の企業だぞ?」

向こう側で声が聞こえる。

「皆さん、お集まりいただき、ありがとうございます!私はラネーメ公営地下鉄の副社長、アレス・ラネーメ・リーダです。」

するとまた歓声が聞こえた。

いや待て、あいつ今副社長といったか?

「リファン、リーダってここに副社長なのか?」

「いかにもそうだ。私が死んだら次の社長となるように約束している。」

 

「それでは、今回の主催者、アレス・ラネーメ・リファン氏の登場です。」

たしかに、リファンを舞台に呼ぶ声が聞こえた。

「よし、こっちにくるんだ」

「え、」

リファンは私を誘導して上にジャンプした。

 

すると下から謎の音楽が聞こえた。

“いやーさっさーいやーさっさーわれらーがしゃーちょーだよー”

「なんだこの入場曲」

「素晴らしいだろう。私が作曲した」

 

するとリファンはよくわからない穴へ飛び降りた。

「な、」

すると下で着地した。なんだこの登場の仕方。

「ハハハハハハーアレス・ラネーメ・リファンだよー!!!今日は楽死んで逝ってねーwww」

これは本当に晩餐なのだろうか。

すると野次が聞こえる。

「舞台爆発させてその煙からターミ●ーターの音楽流しつつ登場するんじゃなかったのかよー」

「リハンカ氏、もちろん爆薬はあなた自身がやってくれるんですよね?」

なんだこの茶番。すると社長はジャンプして私の手をつかんで私を引き込んだ。

「うわっ」

一同がざわめく。

「ははっはっはっは!みなさんご承知の通り今日はわが社の自慢のパトロンを用意してある。ファフス・ラヴヌトラートだ!ラヴヌトラート、適当に挨拶を」

「え、えーっと、ハタ王国から来ましt」

「堅い堅い堅ーいッ!」

リファンは私の頭を叩いた。一同は笑う。

「え?」

「いや、いいんだ、続けてくれ」

「は、ハタ王国で育った。彼の友人、ADLPの者だ。よろしく。」

「アァ~?ADLPだとぉ?アレス一族がそいつによってどうなったか知ってんのか~?」

「おい、リハンカ氏、潰されてえのか?彼は重要な客人だ。」

「あ?上等だ、コラ。そっちからかかってきな」

まずい。まずいぞ。いきなり乱闘を始めてしまう。

「はっはっは、相変わらず頭おかしいなラネーメ民族党」

ある客が笑っていた。

「む、貴様何者だ。」

「私か?私はアレスだ」

「おい、ここにいる奴らは彼を除いてみんなアレスだ。下の名前を言え。」

「悪いな。特別警察行政相談部部長アレス・ラネーメ・シュカージューだ。」

「おうおう、部長さんよ、最近のラネーメ一族はあのころの気迫を失いつつある。さもなければ貴様を殺すぞ!」

「はいはいはい、そこまでだ。殺し合いならば外でやってくれ。」

おい大丈夫かよ。私の自己紹介をしたばかりなのにもうこんなに荒れているぞ。

 

「おっと、彼には家族がいて妻と娘がいる。おい、呼んでくれ。」

「お、おう。」

私は舞台から引っ込もうとしたがリーダが止めた。

「ここは私が」

 

しばらくするとツァピウルとカラムが入ってきた。

「おうおうおう、かなりかわいい子ちゃんが入ってきたじゃねえか」

「リハンカ氏、彼女らに近づくとそこのラヴヌトラートが黙ってないぞこのエロジジイが」

「ちっ、若い奴はいいな」

「ほう?リハンカといったな。ラネーメ民族党のか?」

ラネーメ民族党のアレス・ラネーメ・リハンカか。たしか、もし本物ならば今は19歳か。私よりははるかに年下のはず。

「でもまあ、かわいいじゃねえか。その辺で適当にリパコール氏とでもいっしょに踊っときゃあいい見ものにうわなにをするやめr」

「おい、アレス・ラネーメ・ゲーン。しっかりするんだ(棒」

うむ、死人が出なければいいが。

 

――

 

「さて、今回の会合では全員分の晩餐をご用意しております。」

副社長が丁寧にしゃべった。

「おおお、うまいんだろうな?爆発しねえだろうな?」

リハンカだ。さっきから結構うるさい。

「は?そんなもの貴様が食ってから確かめろ」

社長が突っ込んだようだ。おいおい殺されるぞ。

運ばれたのは一見豪華に見える和風な食事だった。

「うむ、やはりラネーメ族はこれに限る!」

これもやはりリハンカだ。

「さあ、ラヴヌトラート氏も」

副社長が私のテーブルに料理を運んできた。

「おう、悪いね」

 

「!?」

「なんだなんだ?」

いきなりリハンカの方向から爆発音が聞こえた。どういうことだろうか。

「と、豆腐が・・・リハンカ氏の食べていた豆腐が爆発した!」

「は?」

やっぱり、ただの料理じゃねえか。

「ねえ、私の食べているこれも爆発するんじゃないかしら?」

「イヴァネ氏・・・」

 

「ぐっ、誰だこれを作ったのは!」

「私だ」

すると最も真ん中の列にて味噌汁を飲んでいたリパコール氏が言った。

「あ、アレス・ラネーメ・リパコール氏・・・本当なのか?」

なんと、あのユエスレオネ中央大学ウェールフープ研究所主任研究員がこの会合に参加しているとは。ラネーメがついているから呼ばれたのだろうか?

「この豆腐は私が作った。研究室でね。その中の一つに爆発性のあるウェールフーポを半分ほど混ぜておいたのさ。」

「貴様、なぜそんなことをした」

リハンカが立ち上がってリパコールに近づいた。

「盛り上げるため。」

リハンカは激し、ウェールフープした。

「姉さん!」

あれはアレス・ラネーメ・イヴァネだ。

「あら、イヴァネ、生きていたのね」

「生きてるよ!」

そこへリファンが止めにかかる。

「はっはっは、止めたまえよ君たち。もっとうまい豆腐が来るさ」

「ここには豆腐しか来ないのか?」

 

しかし、あのリパコール氏が用意したのか。一人でこの数を用意したのだろうか?

「リパコール氏か?」

「なによ、リパラオネ人」

「いやいや、ファフス・ラヴヌトラートだ。ユーゴック名はガルタ=ケンソディスナル。この晩餐は貴方が用意したのか?」

「はっはっは、ウェールフープを使えば食事の大量生産くらい容易だ」

「ほかにウェールフープで何ができる?」

リパコールは顎に指を当てて上を向いた。

「うーん、人殺しと周りを更地にするのと・・・あと産業とかに使えるかな。私が取引しているところだと再教育装置とかもあるわよ」

物騒な。

「そうなんだ。たとえばどこだ?」

「えーっと、FFとかxelkenとか」

ずいぶんとヤバいところと取引しているな。

「普段から研究所を爆破させたり、xelkenとっ捕まえて人体実験しているわけではないわ。これでもそろそろ新たな技術が生まれそうなのよ。」

新しい技術か。それはすばらしいな。

すると後ろにいたツァピウルが彼女に質問した。

「さっきから感じるこの気迫もウェールフープですか?」

「違うよ王国のお姉さん、姉さんから出ているのは狂気のオーラよ」

ツァピウルへの疑問にはイヴァネが答えた。

「ふっふっふ、いつからそんなオーラが出るようになったのかしらね・・・!」

するとそこへ社長が現れた。

「リパコール氏だな?適当に舞台で茶番をやってくれ。場を盛り上げるんだ」

「は?私が人を笑わせるだと?吹っ飛ばされてえのか?」

するとツァピウルはこちらに寄り付いた。

「ラヴヌトラートさん、この人恐い・・・」

私も今ばかりは彼女からすさまじきオーラを感じる。ウェールフープ研究所の主任研究員は非常に恐ろしいとは聞いていたがこれほどとは。聞けばその辺のケートニアーくらいなら数秒で殺せるらしい。

「はっは、人気が出るかもよ?」

「・・・」

何も話さずにリパコールは立ち上がって舞台に上がっていった。

「何が始まるんです?」

ツァピウルがリファンに尋ねた。

「知らん」

 

――

 

「あなた、マイクを」

「あいよ」

リパコールは舞台の真ん中に仁王立ちした。

「おいてめえらぁぁぁぁあああ私の方向をみろぉぉぉぉぉおおおおおおお」

まるで耳が潰れそうな音量。すべての参加者が彼女に視線を集める。

「今からラネーメ国家社会主義人民共和国国歌歌うぞぉぉぉぉぉぉおおおおおお耳ふさごうとするやつらは全員爆破だぁぁぁぁぁぁぁあああああ」

まさか歌を歌おうとするとは思わなかった。

リパコールは目を閉じて息を吸う。よく見るとマイクが試験管だ。

 

“喜んで、立ちなさいすべてのラネーメ人よ!”

“喜べ、汝の血がこれを成就する!”

“ラネーメ人の偉大なる国がここにある!”

“民族の血がこれを強靭とする!”

 

“喜んで、立ちなさいすべてのラネーメ人よ!”

“喜べ、汝の血がこれを成就する!”

“ラネーメ人の偉大なる国がここにある!”

“民族の血がこれを強靭とする!”

 

“喜んで、立ちなさいすべてのラネーメ人よ!”

“喜べ、汝の血がこれを成就する!”

“ラネーメ人の偉大なる国がここにある!”

“民族の血がこれを強靭とする!”

 

“喜んで、立ちなさいすべてのラネーメ人よ!”

“喜べ、汝の血がこれを成就する!”

“ラネーメ人の偉大なる国がここにある!”

“民族の血がこれを強靭とする!”

 

すると拍手の代わりに爆破が大量に起きた。歌い終わったリパコールは下がっていった。

「ご苦労だったな、リパコール氏よ」

「ええ、ほんと、ラネーメ至上主義者でもないのに」

ラネーメ人でもそんな奴はいるんだな。現にリファンがそうだった。

「安心せよ、私もラネーメ至上主義者ではない」

おいおい、リハンカが来るぞ。

「さて、次は誰に出てもらおうかな」

リファンは私を見ながらそう言った。

「な、なにをすればいい」

「いやいや、君は客人だ。客人にふるまいを城なんて無理なお願いはしないさ。私が見ているのはその後ろの人だ。」

後ろ?誰だ?

 

「そこ、シェルケン・ターフ・エリよ」

その男は片目に眼帯をしていた。

エリ?確かその名前ってデュイン戦争の時にも聞いたような。

「え?私かい?」

 

――

 

「そうだ、君だ。君は彼がxelkenにいたころの戦友でデュイン戦争の後はxelkenを抜けたと聞いているぞ」

そうだ、こいつは私がxelkenの基地で目を覚ました時に私を見ていた奴だ。

「おお、戦友よ、久しぶりだな。やはり私のことは思い出せないか?」

「・・・デュイン戦争のあの時以外な」

「残念だねー・・・あの時は私も君も古理語に夢中だったじゃないか・・・」

「そうだったのか。私にはその記憶が一切ないが」

「だがな・・・私はやはり王国への愛を捨てることはできない。私はやはり王国の文化が好きだ!」

「それはうれしいな。王国人と血縁関係がある私が喜ぼう。」

「だからこそ、またそこのお嬢ちゃんみたいに美人なシャスティを見ると興奮してたまらないんだ。」

まさか、ツァピウルか!?

エリは立ち上がってツァピウルとカラムまで近寄った。

「お、おい、ツァピウル、逃げるんだ、そいつの頭の中はもはやピンク一色だ」

「なあ、そこの元気なお嬢ちゃん。何て名前なんだああい??」

私はツァピウルをガードしていたがエリはカラムの肩に手を載せてニヤニヤした顔つきをした。こいつ・・・ロリコンだ。

「おいおい待て待てそこの子も私の娘だ。」

「えーなーんだ。面白くないnブヘェ」

気が付くとエリの顔が潰れていた。

「え、おい、エリ!」

 

「xelken.valtoalの奴だな!?死ぬがよい!」

「だ、誰だ!?」

「俺か、俺はAles lanerme elen、ラネーメ人民民族党の党首だ。」

「ラネーメ人民民族党?」

「そうだ、俺は古理語に執着し続けるxelkenは大嫌いなんだ。」

エリが起き上がった。

「ば、馬鹿を言うな。xelkenはもうやめたんだ。私は今後王国に移住することにする・・・ブヘッ」

「とぼけるな、貴様のかぶっているその帽子!」

「んん?この帽子はだな・・・」

エリは帽子の革をとった。すると特別警察の帽子が現れた。

「な・・・」

「これでわかっただろう?私はFFに転身したんだ。」

ドォォォオオン

「何だ!?」

舞台の方向から爆発音が響いた。煙が晴れて男が一人立っているのが見えた。

「な、アレス・ラネーメ・リパコール氏とアレス・ラネーメ・リーダ副社長!」

二人とも服が若干破れており息を切らしていた。

「な、私と互角とは・・・貴様は一体・・・!」

「ふっふっふ、私はただの、ラネーメ公営地下鉄の・・・副社長だよ」

ドォォォォォン

 

「おおお、リーダ、ラネーメ公営地下鉄の名を懸けてリパコール氏に勝つんだ!」

「おいおいリファン、奴らの戦闘を助長して大丈夫なのか?」

「大丈夫だ、問題ない。なぜならこの会場はウェールフープなんぞでは破壊されないようになっている」

イヴァネが叫んだ

「姉さんまた殺し合いしているのー!?」

 

「ふっふっふ、だが私と互角でいられるのもここまでよ・・・」

リパコールは紫の謎の液体が入った試験管を取り出した。

「何をする気だ」

「これで終わりだ!」

その試験管を空中に投げて手刀で割り火を近づけてなぞのシールドを出した。

「!?」

「これであなたを容赦なく殺れるわ」

「おのれ・・・ハッ!」

リーダの叫び声のみが響く。何も起こらない。

「な・・・ウェールフープが使えない!」

 

「残像だ。」

 

「リーダ!」

リパコールのすさまじい上段蹴り。リーダは吹き飛んだ。

「い、一体何が起こっている・・・!」

「見たかしら?これが『イールド』よ」

「い、イールド!?」

なんだその小細工は。

「イールドを張ることによってあたりのモーニ交換をできなくしてウェールフープを撃てないようにする技術よ。さあとどめね!」

「くっ、自動回復しない・・・」

なるほど、彼女がさっき言っていた新たな技術とはこれのことだろうか。

「り、り、り、リーダぁぁぁぁぁぁぁああああああおのれリパコール!許さん!」

「あ、ちょ、社長」

「リファン社長!何を」

リファンが手を前に出すと壁から列車が飛び出してリパコールを轢いた。

「ね、姉さん?」

 

――「その程度で私を倒せたと思っているの?」

「なにっ」

「残像だ。」

「り、リファン!」

 

リファンはぎりぎりのところでリパコールさんの巨大三角フラスコハンマーを避けた。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。