あの事件から一か月。
あの「王国人暴動事件」以来、私についての噂がxelken幹部たちの間で広まるようになった。「古リパラインのよさを見失って拉致してきたものを見逃した」とか、「実は女に弱いのでは」とか、酷いものだと「私が王国人女性に恋をしている」とか。そんなのが多くなった。そのせいでxelken追放、とかそういうのはなかったけれどやはりいい気はしなかった。今までものすごくあこがれていたxelken。それが実はこんなに陰湿な集団だったのかと思ってしまった。私はxelkenに対して忠義を通している。それなのにどうして――
――
あの事件から一年。
さすがにあの時の噂はもう時代遅れであるかのようになくなった。私も普通に同僚たちと会話できるようにまで関係が回復した。あれ以来、女性は私の前に現れていない。本当になんだったのだろうか。
ところで最近はもはやxelkenの幹部ともいえるようにまで上層部に近づいてきた。ケートニアーというものはもともと階級を上げやすいらしい。いまや普通の作戦でも重要な戦力として重宝されるようになってきた。戦うのは嫌いではない。早速今日は一度ファイクレオネの本部へ向かいそこの兵たちと合流した後部隊を率いてラメストというところを攻撃するという任務を授かった。まずこの基地からは15人の幹部、その下には一人の幹部に大体数千の兵がついている。
“皆の者!士気を高めよ!”
総司令官Xelken.lavyrlが前で叫ぶ。
今思う、名字にxelkenが入っているのはあこがれる。私なんてTarf.lavnutlart。まあこれはあとから名づけられたものだけれど。今からにでも総司令官とか頼んでxelken姓をつけてもらおうかな?いや、やめておこう。それだとxelken姓に対するロマンが失われる。
でもやっぱり憧れる。エリもフルネームはXelken tarf eliでxelken姓だ。三ヶ名だけれど。
とはいえ、あと数分でこの巨大な体育館みたいな部屋ごとウェールフープで移動してラメストまで行き各自テロを始めるそうだ。どうやら現地には治安維持隊やら警察気取りのケートニアーとかがいるらしい。すべて蹴散らしてやる。
すると、目の前に閃光が広がる。どうやら間もなくのようだ。
“いざ、ラメストへ!”
あまりにも眩しくて総司令官の姿も見えなくなった。
――
ラメストについた。我々はただ道の真ん中で規則正しく並んでいた。しかし、それは数秒もたつと崩れ、各々さだめられた方向へ進撃していった。我々はラメストの南部を制圧する。私は幹部なので兵士を率いている。また、同じくエリも一緒についてきている。
今回のプランはこうだ。
まずはこの大通りを制圧してラネーメ公営地下鉄の事務ビルを占領する。上層部の人間を人質に取った後、地下鉄をハイジャックしまくって暴れまくる。総司令官の合図があったら殺しまくる。と言った感じらしい。なんとアバウトな。
ちなみに今回のテロで連れてきた兵士の中には強制的に兵士にさせた拉致被害者も交じっている。従わなければ再教育。さもなくば殺してもいいらしい。これは楽しみだ。
早速我らの軍も進撃せねば。
“いくぞ!”
今回のラネーメ公営地下鉄の占領を担当するのは3部隊だがそれら部隊を取り仕切るのはXelken.skarnaだ。彼は私より2年ほど前にxelkenに入ったエリート。あこがれの一人でもある。
まずはその辺に爆弾を置きまくる。いずれもWP爆弾だ。当然あたりは爆破四散する。今ので何人死ぬんだろうな。楽しみだ。
すると数分でラネーメ警察が駆けつけてきた。逮捕しに来たらしい。向こうもNZWPを持っているが数で言えばこちらが断然勝る。
早速警察との交戦を開始した。警察は最初にNZWPを発射してきた。しかし、それは周りのなんかの建物にぶつかった。あーあ、警察が市民の家を吹っ飛ばしちゃった。我々はこれらをいちいち手でWPを発動させて吹き飛ばした。すると警察軍が出てきた。我々は囲まれた。さすがに囲まれていると隙だらけのNZWPでは破壊されて終わりだ。どうしよう。
“おい、お前。あれくらいお前一人でやれるだろう。”
どうやらXelken.skarna指令がエリに指示を出した。
“はい、やってみせましょう。”
エリはやるようだ。
エリは戦車から出て上に立った。警察軍が銃口を彼に向ける。どうせケートニアーだから死なないというのに。そのことをエリは予想したかのように相手に叫んだ。
“あなたたちがいくら俺を私を撃っても弾の無駄だ。私はケートニアーだ。”
すると警察軍が一瞬ひるむ。その隙を見てエリはそこらじゅうにウェールフープを仕掛けようとする。しかし、銃弾のほうが速い。数百にも及ぶ銃弾は彼の体を突き抜けた。案の定、すぐに元に戻る。頭も攻撃されていない。
やがてWP波を放つ。警察軍は4割が吹っ飛んだ。残った警察は怯み、一部は逃げようとした。
“ふふ、観念したか”
エリがニヤリと笑い第二波を放つ。するとそれはすべて防がれてこちらに返ってきた。
“!?”
“お前らXelkenだな?”
煙の中から一人の男が出てきた。警察軍のケートニアーのようだ。
“フン、古リパラインを理解するまで、貴様をたっぷりいたぶってくれる。”
エリは戦車から降りて応戦しようと戦車の上で低い姿勢になる。
“おい!待て!”
指令がエリに注意を促した。
“こんなところでそんな奴相手にしてはいけない。相手もお前と同じ実力を持っているかもしれないぞ。目的を見失うな!”
“・・・はい、分かりました。”
“先輩!Xelkenが逃げます!”
“いいさ。また捕えにかかる。そんなことより負傷者の手当てを。”
そんな警察たちのやり取りが私の耳には入ってきた。
しかし、その直後。あたり一帯は閃光に包まれた。そうだ、私たちが仕掛けたWP爆弾が一気に爆破したのだ。するとさっきまでいた警察の姿もほとんど見えなくなった。あたり一帯にはがれきが散らばっていた。