ミリモン   作:ブルーな雛菊

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社畜

~8040番地ピルボックスヒル医療センター~

 

ここは名実ともにロスサントスにおいて最大の規模を誇る緊急医療センターとなっている。

救急車は勿論の事、ドクターヘリ、更にはスポーツカーを改造して緊急車両として使用する事で迅速にサンアンドレアス島各地に医療サービスを行うことができる。

医療スタッフも優秀、更に緊急医療センターということで24時間体制。

 

市民にとっては至れり尽くせり、痒い所に手が届くといった理想的な環境

・・・勿論、これらはロスサントス名物となっている『表の顔』

 

病院の内情は労働基準真っ青な過酷な条件。

目の下に深い隈を作った医療スタッフがエナジードリンクをがぶ飲みしながら日夜、救急車両で島内を駆け回っている。

では、病院内は平和なのか?答えは否。

 

院内では「う~~~」だの「あ~~~~」などゾンビのようなうめき声が散見される。

これら、苦痛を示す声は患者から発せられたものではない。過労死寸前の限界スタッフの口から無意識のうちに発せられた音なのだ。

 

次から次へと緊急搬送の通報が届く院内。

・・・市民が病気や事故による怪我で運び込まれる分には病院関係者もまだ我慢できただろう。

しかし、ここはロスサントス。

縄張りだの、商売だの、強盗だの・・・市民からするならば理解に苦しむ様な理由で頻繁に銃撃事件が発生し、それに比例する形で患者が運び込まれてくる始末。

 

 

病院で勤務するドクター・『轟はじめ』も類にもれず、この町の被害者であるといえよう・・・

毎日起きて、勤務して、寝るだけの慌ただしい毎日。

唯一の楽しみは最近購入した自身の車に乗って、病院から自宅までの通勤路をドライブする事くらいだろう。

 

この日も()()()()()()勤務が終了したのは深夜。

日中の騒がしい街もこの時間帯では鳴りを潜め、病院前の幹線道路を走る車の姿も閑散としていた。

道路沿いに均等に設置された街灯は防犯対策も担っており、道路横にある病院の駐車場へ向かう際も薄暗いという印象はなかった。

 

「あれ?」

そして、自身の車に近づくにつれてハジメは異変に気付く。

 

無言で携帯電話を取り出し、ダイヤルをかけた先

「はいもしもし~?『メカニックにゃんにゃんか~さ~びすです~』」

 

『猫又おかゆ』が運営するロスサントスカスタム(自動車整備工場)の従業員である『火威青』が彼女からの電話に応答した。

 

「あにょ~・・・なんすっか?うちの車」

「え?なになに?」

 

ハジメは再び自身の車に目を向ける

屋根に『変態』とでかでかと貼られたステッカー

サイドのドア、ボンネットには・・・

 

「なんか…あんたの顔、めっちゃでかく貼ってあるんですけど!」

電話先の相手、火威青の顔面・・・通称『イケメンステッカー』が貼ってあったのだ。

 

「ええ!?知らないよ!?僕じゃない!!」

 

 

ハジメにとって青は長い付き合いだ。

彼の反応を見る限りはこの落書きの犯人ではないと彼女は感じた。

悪戯で自身の顔をデカデカと落書きするか?と問われれば彼女も当然『NO』と答えるであろう。

では、いったい誰がやった?

 

知り合いの顔の貼られた自家用車。つまり、自分と同様にある意味被害者である青にとっても面識のある者の犯行ということになる。

 

「絶対奏ちゃん!そんなことするの絶対奏ちゃんでしょ!!」

「そうか・・・」

 

青の口からでた名前は『音乃瀬奏』

2人の知り合いであり、この町の警官。そして、その勤務態度はお世辞にも行儀がいいとは言い難い。

ハジメは青との通話を切り、再びダイヤルを回す。

 

(ゆるつぇねぇ!だれだよこんな事やった奴!ガチで・・・ゆるつぇねぇ!!パチ切れてっぞこちとら)

 

「もしもし、わため警官。今、お忙しいですか?」

 

 

 

 

~8047番地ミッションロウ警察署~

 

ロスサントス警察は主に3か所に拠点を置いており

南署(9148番地、名称・デイビス保安局)

北署(1038番地、名称・パレトバイ保安局)

本署となるミッションロウ警察署がある。

 

犯罪の絶えないロスサントスだがこの町の警察は腐敗しているのだろうか?それとも、無能なのか?

答えは『どちらでもない』が正しい見解となる。

 

警察官の汚職が発覚し、市民の暴動が起きた21年前。

それを機に署内の不正を正し、職員も一新された。

目指したのは『市民のための警察』

 

セラミックプレートとケブラーで強化されたレベルⅣのボディーアーマー

M4A1カービンやMP5などの強力な火器

改造され、暴力的な速度と強度を両立した警察車両

市民の税金によって購入された装備品はどれをとっても高性能。

スラム街でギャング達が潰しあい、犠牲が出ようと警察が出動することはないが、その事件によって市民に危害が発生した場合は地の底まで追いかけられる事になるだろう。

 

限られた人員で数多の犯罪者を相手するには限界がある。

市民を優先した結果、それ以外に手が回せないのも避けることのできない結果だともいえる。

 

「スバル署長~実は相談がありまして・・・」

 

病院の職員と同様に、こちらも日々の激務に胃薬を手放せない警察署長『大空スバル』は部下の警官、羊の遺伝子を宿す獣人の警官『角巻わため』の報告に嫌な悪寒を感じずにはいられなかった・・・

 

「病院のハジメ先生からの通報で・・・「まさか、ダイスを振ったのか!?」」

 

スバルの言う『ダイス』とは患者が次から次へと運び込まれる現状に発狂した医療センター院長『白上フブキ』が発案したゲームで、ダイスを投げ出る目を当てる事ができれば医療費を免除するというものだ。これは『医療費ギャンブル』と呼ばれており予測が外れれば当然・・・

 

「正直に言いなさい、ワタメ。ダイスを投げたのか?」

血走った目でワタメの首を締め上げようとするスバルに必死に違うと説明をするワタメ。

 

「そうか、この間奏がダイスを振って通常の2倍の医療費を請求されたばかりだからてっきり今回もそれかと思った」

「その奏さんなんですが、ハジメ先生の車に落書きをしたかもしれないと通報がありまして」

 

「・・・奏は今どこにいる?」

 

胃薬を握りしめながら近くを通りかかった警官、『ラプラス』を呼び止め居場所を問いただす。

 

「今、パトロールにいっているようであります。場所は・・・」

 

警察車両に搭載されているGPS。現在地を示す赤い点が地図のとある場所で停止している。

7292番地 ダイヤモンドカジノ&リゾート

 

「・・・」

「・・・」

「奏ーーーーーーー!!!!」

 

 

・・・尚、落書きに関して彼女は関与してないのだが疑いが晴れるのは少し先の話




ギャングメインですけどここは書いとかないとって思った次第w

番長&被害者(イケメンw
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