「おかしいわ!有り得ないわよこんなのっ!」
ルーレット台を叩き、少女が叫ぶ。賭場では実にありふれた、現実逃避の声。しかし今回ばかりは、彼女に集まるのは侮蔑でも嘲笑でも無く、同情の視線だった。
通算50ゲーム。最初の10回は3:7で負け。次が5:5と並び、更に次が6:4。間も無く9:1となり、最後に10:0。回数を減る毎にコウの勝率は上がり、遂に百発百中の境地へと至った。コウの眼の前には、大量のチップが山と積まれている。換金すれば、億単位に届くかどうかと言うレベルだろう。
「イカサマよ!それかディーラーを抱き込んだか!そ、そうに決まってるわ!じゃないと有り得ないわよ、こんな勝ち方!」
「ハァ・・・下らねぇ」
少女の癇癪に犬歯を剥き出し、苛立ちを隠そうともしない勝者・・・コウの一言。
その声に温度は無く、氷のように冷えきった鋭い怒気だけが込められている。
「負け犬の遠吠えになんざ、耳貸してやる趣味はねぇんだが・・・テメェのそれは頂けねぇな」
「な、何よ!」
「テメェ、イカサマだと俺を糾弾するならよ。証拠はあるんだろうな?ん?ほら出せや。戯れ言だろうが聞くだけ聞いてやるわ」
ドス黒いならぬ、ドス赤いとでも形容すべき右眼の瞳。大きく見開かれ、ガラス玉のように無機質に輝くそれが、敗者を射貫き逃さない。
「し、証拠・・・」
「無ぇのか?無ぇんだな?証拠も無しに人を陥れようと、嘘を吐いた悪い口はこの口か?」
ぐにりと少女の頬を摘み、虫のように見開いた眼から視線を注ぐ。亡者を呑み込む血の池染みた瞳は、敗者の心臓を縛り上げるように縮こまらせた。
「で、でも!有り得ないわ!こんなの、絶対何か・・・!」
「・・・教えてやる。俺が勝てて、お前が負けた理由を。俺は何も・・・特別な技術も、イカサマも使っていない。ただ、この眼で
「は・・・?」
「このルーレット盤と玉の速度。どちらも時速10kmにすら届いてねぇ。相対速度にしたって20km未満・・・ちょっとした駆け足感覚で30~40km程度余裕で出せる俺達の眼なら、容易く読み切れる程の鈍さだ。にも関わらずお前が負け続けたのは、何故だと思う?」
「な、何言って・・・うぐっ!?」
眼を一瞬たりとも逸らさぬままに、コウは敗者の頬を掴み上げる。苛立ちと怒りは留まる所を知らず、右腕と右眼、そしてヘイローから毒々しい黒色の霧にも似たオーラが漏れ出し、重く零れ始めた。
「どうせお前は、下の階層でビギナーズラックにハマって調子こいたんだろ?そしてこの階層で負ける回数が徐々に増え初めて、けれど勝つ時は勝って・・・気付いたらこのザマなんだろ?違うか?」
「っ・・・!」
「お前が負けた理由、それは自棄っぱちになって適当に突っ込んだからだ。何故負けたのかを分析せず、自分の身体も鍛えず、技術も磨かない。そして当然のように負けて沈む。何も可笑しな所は無いだろうが。
それなのに、鍛練でものにした身体能力とこの場での学習で勝ち方を身に付けた俺に対して、何だ?イカサマだ?袖の下だ?巫山戯ンのも大概にしろやカスが」
重圧を伴うコウの怒気は、最早殺意の域に達しようとしている。詰められている少女は、殺気に押し潰される経験など初めてなのだろう。眼を白黒させ、溺れたように口の開閉を繰り返す事しか出来ず、既にだくだくと涙が流れ落ちていた。
「自分に何が出来て何が出来ないのか、本気で考えた事が無いんだろう?出来ない事を出来るようになりたいと、本気で鍛練した事も無いんだろう?した事あるなら、こんなふざけた事は言わない筈だもんな?」
眼から眼へ、瞳から瞳へ。憤怒と憎悪を混ぜ合わせ、涙を分け与えるかのように流し込む。その強烈な視線の交わりは脳を苛み、また絡み付く猛毒の茨だった。
「クックックッ、随分苛烈ですね」
「あ゛?」
「おっと、そんなに恐ろしい顔で睨まないで下さい」
後ろから掛けられた声に、ギロリと振り向くコウ。声の主、黒服は彼女を宥めながら、紙に包まれたハンバーガーを差し出した。
「ここに来てから、マトモに補給もしていないでしょう?そろそろ、枯渇するのでは?」
「・・・ケッ、ありがとよ」
眼を逸らしながらも、素直にバーガーを受け取る。そして包みを剥がし、中身を僅か3口で完食した。
「既に貴方はAランカー。此処に留まる理由も無いでしょう。何より、貴方の目的は此処で弱者を押し潰す事では無いのでは?」
「ハッ、人聞きの悪い事言うなよ。身の程知らずにお灸を据えてやっただけだろ」
悪びれもせず言い返し、既に手の中で気絶している少女の頭を離す。そして換金装置の投入口を開け、チップをザラザラと流し込んだ。
「そう言えば・・・Aランク初昇格に際して、景品として銃やパーツが贈呈されるのですが、どうです?見た所、銃を持っていないようですし・・・」
「あ?・・・まぁ、目立つか。俺としちゃどうでも良いが、ドレスコードは揃えるとしよう。ディーラーさん、その景品ってのは何処で?」
「彼方のカウンターです。会員証をスキャンすれば、案内がありますので」
「おう、ありがとよ。悪かったな、大暴れしちまって」
「いえいえ。お客様の実力ですから」
ディーラーに手を振り、コウはルーレットコーナーを後にした。その大勝ちぶりを見ていたギャラリーは、生唾を呑みながら道を開ける。そんな視線を気にもせず、コウは自然体のまま歩を進めた。
「これか?」
『おめでとうございます。景品は此方のカタログからお選び下さい』
交換所の機械に会員証を挿入すると、タッチパネルに複数の景品が表示された。
「んーと?こういうのじゃ定番のデザートイーグルに、レミントン、ウィンチェスター、S&WのM500、ATMからドラグノフまであるな。けど、どれも俺の特性考えると・・・ん?」
今一パッとしないカタログをスワイプする中、1つに眼を止める。
「コイツだな。うん、コイツが良い」
『承りました。少々お待ち下さい』
小さく笑い、迷い無く選択。そのリクエストは受諾され、ディスプレイは初期化された。
「迷いがありませんね」
「どうせ俺は普通の銃は使えん。なら、癖が強くて一芸に特化した隠し弾として持っとくべきだ」
「成る程、それは間違いない」
「お待たせいたしました」
黒服とコウの短い問答の直後、バニースーツの従業員がアタッシュケースを持って現れた。机の上にそれを乗せ、ガチャリと開ける。
「ほう、これはこれは・・・」
「どうぞ、手に取ってみて下さい」
「あぁ、遠慮無く」
瞳に好奇の色を滲ませながら、コウはケースの中からその銃を掴み上げる。
大振りな、しかし同じく大柄なコウの掌には丁度良く収まるウッドグリップ。親指でコキリと小気味良くハンマーを起こし、引き金を絞って空撃ちすれば、かなりの軽さにチューニングされたトリガープルに口角が上がる。そして何より特徴的なトリガーガードを中指で引き絞り、銃身を下方に
「お気に召しましたか?」
「あぁ。実に俺好みだ・・・コンテンダー・
トンプソン・センター・コンテンダー。狩猟用として作られた、中折式の単発シングルアクション拳銃。その中でも、アンコールとはより強力な銃弾を扱う為に剛性を向上させた改良モデルである。
「そちらは、プロのガンスミスがロマンを求めて作り上げたワンオフモデルとなります。使用弾薬は、デフォルトで454カスール。また、セットとして410ゲージのショットシェルに対応した10.4mm滑腔銃身、更に専用のホルスターも付属します。此処で装着なさいますか?」
「あぁ、そうしよう」
コウは迷う事無くケースの蓋側に固定されていたホルスターを取り出し、自分のベルトに装着。固定バンドを太股に巻き、コンテンダーを差し込んだ。ショットガンバレルの方は、懐にスルリと仕舞い込む。
「良くお似合いです」
「ありがとな。いいもん貰ったぜ」
「では、引き続きお楽しみ下さい」
丁寧にお辞儀をして、従業員はバックヤードに戻って行った。
(コウサイド)
「さて・・・では行きましょうか」
「何だ、どっかに案内してくれるってのか?」
「えぇ。それが、彼方からの
「・・・へぇ」
歩き始める黒服の背中を追いながら、少しばかり思考を回してみる。
コイツの言う《彼方》が何を意味するか、分からない俺では無い。自分の預かり知らぬ場所で、黒服が俺を商品にしやがった。それだけだ。
それに関しては、俺はもう怒る気すら起こらない。コイツはそう言う事をする。俺はそれを知っている。
そして黒服は黒服で、俺が暴力と言うカードを割と躊躇せず切れる事を知っている。加減したとは言え、先のアビドス事変で実際にその矛先が自分自身に向いたのだから。多分、俺が正面から拒否はしないような、する必要の無いような条件だろう。推し量るに・・・
「お前、此処のドーパントを俺と勝負するよう煽ったな?」
「おや、何故そのように?」
「お前は俺とドーパントの接触データが欲しい。俺は此処のドーパントを始末しなきゃいけない。そしてお前は、俺がドーパント目当てだと言う情報を持ってる。ドーパントとの接触が不可欠って点が、俺等の思惑の一致地点だ。更に、お前にはドーパント本人とのコネがある。話を持ち掛けるのは簡単だ。
そんで、この賭博客船のトップに居座るヤツだ。お前直々に紹介された対戦者である俺に、興味でも持ったんじゃないか?さっき話し掛けて来たタイミングからして・・・俺が自力でAランカーに上がったら案内しろ、って所か?」
「クックックッ、相変わらず頭の回転が早いですね」
パチパチと控え目に拍手する黒服。此処で正解と言い切らず、尚且つ正解だと確信させようとするのもコイツの十八番だ。
「お前に言われても嫌味にしか聞こえねぇよ」
「おやおや、信頼が無いですね」
「当然だろ。お前は『あー言えばこー言う』、『あーすればこーする』って
「クックックッ、確かに。信用と信頼とは、そう言う意味ですね」
喉を鳴らして笑う黒服に、変わらず着いて歩く。そうだ。どうした所で、コイツと俺の関係は消極的敵対以上にはなり得ない。その上で、嘗ての行動パターンの統計から信用出来る予測は多少立てられる。
「しかし、興味深いですね。先程の少女、あれに対する、あの尋常ならざる敵対心・・・彼女も、この賭場に搾取される被害者と言う側面もあるのでは?」
「何だよ。困ってれば誰も彼も助ける神様じゃねぇぞ俺は」
「ほう。では、貴方の線引きは?」
「本人の対処能力を著しく超過する理不尽か、ガイアメモリ絡みか。このどっちかが当て嵌まってりゃ助けるさ」
指を2本立て、ヒラヒラと振って見せる。そしてポケットに手を突っ込み、溜め息を吐いた。
「例えば、誘拐されて監禁されて、アングラファイトクラブで無理矢理戦わされ見世物にされてる・・・これは助けよう。拘束を受けて、自分じゃ反抗出来ないだろうからな。
そして、崖崩れや地震なんかで怪我した奴の救助。これも喜んで引き受けよう。災害に遭うのは不可抗力だ。
だが・・・ギャンブル中毒。これはどうしようも無い」
あぁ、口に出しただけで改めて虫酸が走る。
「ギャンブル中毒は救済が必要な病ってのは知ってる。だが、それを選んだのは自分だ。自分から破滅の崖に突っ込んでいく奴はどうしようも無い。
何より、アイツは観察と研鑽と修練を嘗めた。初めて知ったよ。俺は自分で掴んだ成果を踏み躙られるとこんなにキレるんだな」
思い出すだけでイライラして来る。自分が負けたら運が無かった?他人が勝ったらイカサマしてる?全く馬鹿げてる。確かに、何度も連続で当たればそれは偶然じゃ無く必然だ。だが、勝ちを必然にするのは何もイカサマだけじゃない。ルーレットなんて動体視力でどうとでもなるギャンブルの筆頭だろう。事実、全くの未経験だった俺がこの短時間で必勝法を習得出来た。これは別に俺しか出来ない事じゃ無い。
「自己研鑽もせず、選べる筈の逃走も選ばず、挙げ句自ら飛び込んだ窮地で助けてくれと泣き喚く。こんなのは理不尽じゃ無い。只の甘ったれだ。心が折れるまで痛い目を見るしか無いのさ」
「成る程・・・徹底的ですね」
「当然だろ。薬で治せるのは、用法用量を守る賢い奴の病気だけだ。医者に従わねぇ馬鹿につける薬がねぇのと同じだよ」
「成る程・・・となると、貴方をテーブルに着けるのは難しそうですね」
「残念だったな」
嘲りを込めて返すが、黒服がプランBを考えて無いとは思えない。警戒はしとかないとな。
「着きました」
黒服が脚を止めた。豪奢な、分厚い扉。黒服がノックをすると、独特なダミ声で「開いているよ」と返答があった。何か、想像以上に想像通りの声なんだが・・・
「邪魔するぜ」
黒服に開けられた扉を潜り、最奥のVIPルームに脚を踏み入れる。そこはさながら高級ホテル。色調も全体的に渋いダークブラウンやダークグレー、所々にワインレッドが入っていて落ち着いた雰囲気だ。だが、その部屋に浮き上がるような異物が1つ。
でっぷりと肥えた腹。蛙にも似た、こめかみが左右に突き出した頭。何より、全身を覆う安っぽい金ピカの表皮。
「ようこそ、チャレンジャー。我が私室へ」
その両手を左右に広げ、ねっとりとした声で語り掛けてくる異形━━━━マネードーパント。
「思った通りだ・・・だが、その頭は何だ?」
予想通りの配役。しかし、その姿は知っているモノと少し違う。首から下は同じだが、頭の両端に見える
「クククッ。彼は現状、貴方に最も近い所にいるドーパントです」
「あぁ、適合変異したって事な。分かった分かった」
勿体ぶった言い方してるが、要するにレッドナスカとかマツのスパイダーと同類って事だな。
「取り敢えず、聞いとくぞ。今すぐメモリを捨てりか、この場で俺に叩き潰されるか・・・どっちが良い?」
蝗丸を取り出し、居合の構えを取る。しかし、マネーは余裕の態度を崩さない。
「いやいや、君に取れ━━━話は最後まで聞くものだよ」
「チッ」
抜き放った蝗丸を、マネーの頚に振るう。しかし、当たる寸前でその刃はピタリと止まった。バリアみたいな物理的に弾かれる感覚じゃねぇ。何処か磁性反発みたいな・・・
「テメェ・・・何か仕込んでやがったか」
「だから言ったのだよ。話は聞くものだとね」
刃を引き、納める。変貌越しにでも、ヤツがニヤニヤと笑っているのが分かった。
「この船に乗った時点で、君の選択肢は2つに1つだったのだよ。大人しく引き返すか・・・私とゲームで勝負するかだ」
「チッ・・・概念系に脚突っ込みやがって、この流れでマジにエリートなのかよ」
スルリと蝗丸を納め、バックステップで距離を取る。概念系相手にゴリ押しは悪手だ。相手を分析し、最適解を出さねば逆にしっぺ返しを喰らいかねない。何とも面倒だ。
「一先ず、説明させて頂こうか。このカダス・フィーヴァー号は全て、私の縄張りだ。この中で認められる強さとは、ギャンブルのスコアのみ・・・公平なる紳士協定の元、暴力行為による野蛮な略奪は禁止されている」
「さっきの居合斬りが止まったのはそれか。双方に不可侵を強制する結界って所か?」
「フフフ、黒服さんの言う通り、理解が早くて助かるね。因みに、例外的に許される暴力もある。それは、2回以上故意に攻撃して来た相手への報復・・・因みに、その報復の一撃がクリーンヒットするまでの間、対象は身動ぎ1つ出来なくなる」
「あっぶねぇ!?」
「フフフ、あと1回攻撃を試みていたら、君は詰みだったね。運の良い事だ」
冗談じゃねぇ。リベンジアタックが直撃するまで強制緊縛だ?マネーでそんなリソースどうやって確保して・・・いや、待てよ?
「・・・成る程、この船の中に予め仕込みをしておいて、長時間掛けてじっくり強力な結界を張った訳か。となると、この船の外じゃ弱体化する訳かい?」
「どうだろうね。少なくとも、君が船の外で私と衝突する事は無い。無駄話はここまでで良いかな?」
マネーがリモコンを取り出し、ボタンを押し込む。すると壁や床が展開し、様々なゲームの卓が展開した。そして、腹部から1枚の紙を取り出して見せ付けて来る。
「さぁ、私と勝負するかね?すると言うならば、この同意書にサインしたまえ。それにより、敗北には支払い義務の強制力が発揮される!私は己のメモリと、そしてこのミステリアス・コインを賭ける用意がある!」
契約書を取り出した穴から、メモリと同じ端子の付いた紫色のコインが取り出された。カットされた宝石のようにキラキラと輝くその色は、強い既視感を引き起こす。
「成る程。敗者から神秘の力をひっぺがして奪う・・・それがお前の特質って訳だ」
「で、契約書は、と」
差し出された契約書に眼を通す。
・・・要するに、両者の合意に基づきゲームの勝敗に強制力を発生させる契約。これを破れば、身体能力が著しく低下するペナルティを負うらしい。
「成る程・・・なら俺は
「ほぉう?何とも珍しい要求だ。だが・・・君が負けても、その要求を押し通せると思っているのかね?敗者の立場で、口を出せるとでも?」
「だからここで、追加の提案だ。俺が賭けるのは、手持ちのガイアメモリ。そして・・・愛刀、蝗丸だ」
「・・・それでも、私の条件と漸くイーブンでは無いか。勝利後では無く、決着後の要求を通すには・・・まだ不足があると見受けるが?」
「・・・あぁ、分かったよ。じゃあ・・・俺の神秘も賭けてみるか」
「何?」
「神秘だよ。お前が今まで負け犬から吸い上げて来たソレ。俺が負けたら、そこにくれてやろうっつってんのさ。これなら充分だろ?」
「・・・ンフッ、んフフフフッ!良い!良いねぇその勢い!良いだろう!これにて契約は成立だ!さぁサインを!」
上機嫌に投げ渡された万年筆で、署名欄に名前を書き込む。すると、お互いの上げた条件が炙り出しのように浮かび上がり、契約が完成した。
「おい黒服。ゲームマスターはお前がやれ」
「良いでしょう。では、何のゲームで?」
「ポーカーだ。俺はそもそもババ抜きとポーカーしか知らん」
「良いでしょう。では・・・」
黒服は懐から新品のトランプを取り出し、シーリングテープをブチリと千切る。そして取り出したカードを手際良くシャッフルし、双方に5枚ずつ振り分けた。
「さぁ、幻夢郷の賭場へようこそ!」
To be continued・・・
~キャラクター紹介~
・叢雲コウ
怒れる飛蝗少女。
キヴォトス人の動体視力ならスロットやルーレットはどうとでもなる筈なのに、それを怠った奴からイカサマ扱いされてえげつないキレ方をした。精神構造が極めて男性的なので、自分の尊厳を傷付けられると簡単に殺意レベルまでボルテージが跳ね上がる。
乗船初日にAランカーとなり、昇格祝いのギフトには手放した銃の後釜としてコンテンダー・アンコールを選んだ。
オーナーがマネードーパントである事も予想通り。そこから初手で暴力的に解決しようとしたが、マネーがレベル2に達していた事で紳士協定結界により不発に終わる。原作のダブルと違い、奪われたのが生命力では無く神秘である事、更にコウが「自分で賭けると言う選択をした馬鹿が被害者面しても通らない」と言うスタンスなので、コインによる人質効果は皆無。しかし、依頼達成の為に取り敢えずハイリスクな賭けに乗る事にした。
・黒服
相変わらず良い空気吸ってるブラックスーツ。
オーナーであるマネードーパントに話を取り付け、今日中にAランカーになれば勝負を受けると言う条件を呑ませた。
因みにオーナーにマネーメモリを譲渡したのは黒服だが、時期的にアビドス編の前なので少なくとも契約上は咎められる謂れは無い。
・オーナー
マネードーパント。
賭博客船カダス・フィーヴァーを仕切るトップVIPに君臨する。原作に登場したマネー以上の適合率を誇り、短期間でレベル2に到達。頭部の左右に天秤皿が出現している。それにより、カダス・フィーヴァー内に領域展開に等しいルールを敷いている。
原作と同じくギャンブラーとして高レートの勝負を客に仕掛け、金を全て毟り取った上で神秘を担保にした最終ゲームを持ち掛けていた。これまでに何人もの神秘を奪い、自身の腹に溜め込んでいる。
~アイテム紹介~
・コンテンダー・アンコール
コウの新しい愛銃。
使用弾薬がデフォルトで454カスールと言う馬鹿魔改造仕様であり、更にショットシェル用の追加バレルもセットで付いている。コウ曰く、「数撃っても当たらねぇんだから、ゼロ距離で馬鹿デカい1発をブチ込む奥の手として持っとく」との事。
・ミステリアス・コイン
キヴォトスに適応したマネードーパントの固有権能。
挑戦者の了承により、1億円分のギャンブルのチップとなる。そしてその挑戦者が敗北した時、その神秘を取り立てる。
・紳士協定結界
マネードーパント、レベル2の固有権能。
カダス・フィーヴァーの内部に限定し、武力によるあらゆる交渉決定を禁止する結界。これにより銃の撃鉄は撃針を叩けず、近接攻撃は接触前に停止する。但し、「勝ったら1発殴らせろ」等、暴力の行使権そのものを勝利報酬として要求した場合は、この限りでは無い。