新エリー都に導かれる銀の運命   作:黒瀧汕

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社会の波に袋叩きされ現実からを背けながら書いてました。
お久しぶりな人はお久しぶりです。
筆置いて読む専だったんですが、どうしても二次の欲求に抗えなかったです。


第0話

 ホロウ内部

 

 この日、とある組織による大量虐殺目的としたエーテル兵器の違法実験が行われると情報が入り治安官達はホロウの内部に潜入していた。

 以前からマークしていたその組織に兵器開発に携わっていた科学者が加わり一気に拡大、表立った行動が現れ始めた為治安官は強硬手段を取りアジトから何まで包囲逮捕する作戦を決行した。

 しかし、その矢先で知ったのがエーテル兵器の違法実験である。治安官達は現場に急行し何とかボスと科学者、兵器を使用する前に押さえることができた。

 だが、兵器は充填段階までセットされていたため行き場のないエネルギーは暴発、大量の瓦礫と濃厚度のエーテルが漂う空間を生み出してしまった。

 爆発音とエーテルに誘われ様々なエーテリアスが群れとなり押し寄せ治安官達は苦戦を強いられる結果となった。

 絶えない銃撃音、夥しく流れる血とエーテルに侵され結晶化し化け物になっていく治安官。

 

 阿鼻叫喚の地獄絵図が広がっていた。

 

 その時、悲鳴と銃撃の坩堝の中を透き通る声が聞こえた。

 

 

 

「創生せよ、天に描いた星辰を──我らは煌く流れ星……」

 

 

 

 流星の様な輝きを放つそれは次々とエーテリアスを刻み塵に変えてゆく。

 

 あまりの処理速度に噂のH.A.N.D.直属の武装組織を思い浮かんだが即座にその考えは否定される。

 

(違う、こんな動き、人間に出来る訳がない……)

 

 異常、異常、異常

 

 その流星は二十体はあろうエーテリアスをたった一人でかつ同時に相手していたのだ。

 

 正面に並ぶ敵に一太刀入れ倒すと背後から奇襲して来たエーテリアスを振り向くことなく回し蹴りで砕き更に別個体の頭部を掴んだと思ったら軽々と集団に向け投げ巻き込んだ。

 巻き込まれたエーテリアス達は仲間の手足に絡れながら立ちあがろうとするも「パチンッ」と指を鳴らす音が響くと投げられたエーテリアスが爆散、周り共々消し飛ばしたのだった。

 

 すると一際大きな音と共に頭上から獣のような奴から巨体のエーテリアスまで一斉に押し寄せてきたのだ。

あまりの絶望に我を忘れ途方に暮れる中流星の輝きが黄金に弾けた。

 

『――ケラウノス』

 

次の瞬間そこらに犇めいていたエーテリアスは殆どが蒸発していた。

 最後の一体を葬った流星はその輝きを抑え目深く被ったフードの隙間からこちらを覗くとその場から去っていく。

 

 

 その後、治安官はその現場を検証、調べたが突然現れたエーテリアスや流星の正体について何も分からなかった。

 分かったことと言えば流星の通った跡から異常な程のエーテル反応が検出され、流星は未確認のエーテリアスまたは未知の軍事兵器を使用した警戒対象として定められた。

 今後接触した場合、他の治安官に連絡し小隊で対応、意思疎通が叶うなら交渉による同行、場合によっては捕縛か無力化した上での捕獲せよと通知が他治安官に通達された。

 

 

 

「あー、しんど、雷霆使うと体への負担が半端ないわ」

 

 ルミナスクエアの路地でフードを被った男がその場に座り込むと壁に体を預け緊張を解く。

 

「目標のレベルまで達してないけど、しばらくはホロウに入らない方がいいなぁ」

 

 フードを脱ぎ外気に黒髪を晒す。

 走った時の蒸れた空気が放たれ乾いた空気が心地よく滑り込む。

 

「また遅くなっちまった、こりゃリン辺りからどやされるかな……」

 

 男は頭を掻きながらボヤくと通信端末から着信がいくつも届いていた。

 言い訳となる言葉を組み上げながら悩んでいると男の後方から大声量の罵倒が飛んできた。

 

「どこいってたのこの馬鹿ちんがぁ!!!」

 

男は声の方に振り向くと青髪の少女が勢いをつけたまま走ってきた。

 

「ぐはぁっ!!」

 

とっさに反応できなかった男は少女を受け止める姿勢になるが勢いをつけすぎた少女の肩は男の鳩尾へ直撃し少女と一緒に倒れこんだ。

 

「今日夕飯当番なのにとっくに時間は過ぎるし!見た感じ買い出しもしてないし!!連絡三回も無視しやがって!!」

 

男に馬乗りしながら少女は「バカ!方向音痴!たらし!三白眼!」と言いたい言葉を容赦なくぶつけていく。

一通り罵声を浴びせた少女は最後に小さく「……心配したんだよ」と呟き男の胸に顔を埋めた。

 

「……リン、悪かった。ちょっと迷子になってて」

 

「だから寄り道はだめだって、まっすぐ帰ってあれほど言ったのに」

 

「悪かったって、お詫びと言っちゃあれだがチョップ大将から貰った割引券をあげるからさ」

 

「ダメ、141のアイスも付けて」

 

「りょーかい。そんじゃそろそろどいてくれ。周りからの温かい嫉妬の目から逃れたいからさ」

 

そういうとリンは顔を紅潮させ素早く立ち上がり男も背中の土埃を払いながら立ち上がると歩き出した。

 

「……そっちじゃないよ」

 

「んぐっ」

 

いい感じに締めくくった筈なのに居た堪れなくなった男は恥ずかしさで立ち止まるとリンはその姿に吹き出し笑った。

 

「しょうがないな、ほら、手繋いで行こ」

 

「いや、いいよ。そんな子供じゃあるまいし…」

 

「また迷子になられたら嫌だからね。ハイ決定!」

 

男は強引に繋がれた手を振り払うこともなく大人しくリンに連れて行かれるのだった。

 

 

 

 

 彼、『アポレイア』が来たのは半年ほど前だ。自分や兄より高い背丈、くすんだ黒髪にキレ目の三白眼から見えるルビーの様な紅い瞳。

最初はその目に恐怖を抱いたけど、今となっては愛嬌すら感じられる。

初めての邂逅は今でも覚えている。冷たい雨の中店の前に血だらけで伏した彼を私が見つけたのだった。

兄は彼の素性を警戒し調べ上げたけどなんの情報も名前すら出なかった。

意識を取り戻した後彼の名前を聞き出したものの自分の名前以外記憶がないらしく今後の行く先について相談も話し合った。

 

この時私たちは裏の仕事が軌道に乗り落ち着いていた為、余裕があったからしばらく面倒を見るという話になったのだ。

 

それからアポレイアとの生活はとても楽しかった。

街に馴染めるよう色々手伝いをやらせた結果街の皆からは好印象、特に麺屋【滝湯谷・錦鯉】のチョップ大将と喫茶店【COFF CAFE】の店長ティンから勧誘をされる程だった。

 

以前までは料理人だったのだろうか何か思い出せることはないか尋ねたが、

 

「いや、前世のバイ……いや、なんだろ、色々ちぐはぐな感じだから、そうかもしれないな…」

 

と何か言いかけて愛想笑いして濁したのだった。

 

彼にはまだ私たちのことは話していない。

ホロウの中の案内人「プロキシ」非正規のプロキシの中でも、都市伝説になるほどの手腕を誇るプロキシ「パエトーン」が私達だ。

いずれ私達のことも伝えるつもりであるが、まだ彼のいる日常が心地よいから私たちは今もこうして日常を享受する。

 

「わかったからリン! だから六番街では離してくれ! だああ!大将もからかわんでくれ!!」

 




色んなキャラに絡ませたいけど、主人公の性格まだ完全に固まってないんだよなぁ(見切り発進)
イメージとしてはやる気のまだあるゼファーをイメージしています。

7/22誤字報告を頂きました。
報告感謝です。
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