雅ピック終わっだーー!!!
まだ2凸なのにぃ!!!
どうして!
どうしてぇ!!
とりあえず第2話どうぞ(急に冷静になる)
ホロウ内部
AM 9:48
ホロウの中は迷路のような物だ。
取り込まれた建築物が見慣れたものだろうと別の空間同士が繋がり全く別の場所へ放り出されることがある。
故にキャロットと呼ばれるホロウ内部の構造に関する地図データが必要とされる。
「は、走れ! とにかく走れ!!」
赤いジャケットとズボンを着た全身機械の人が駆け抜けていく。
それに追従するようヘッドフォン付けた銀髪の少女と黒いアタッシュケースを持った桃色のツーサイドアップの女性が駆ける。
「あーも! なんでデータの通りに進んでる筈なのに構造が変わってるのよ!」
「多分ソレ偽物。でも今回お金ケチってプロキシ呼ばなかったのはニコのミス」
「今週までにツケ少しでも払わないと事務所差し押さえられちゃうのよ! そうなったら何もかもがなくなるわ!!」
走りながらも元気な掛け合いをする二人の少女、その背後から獲物を狩らんと大きく顎を開け迫る4足のエーテリアスが襲い掛かる。しかし、エーテリアスが次に見たのは目の前に突き付けられた銃口だった。
「待ても出来ないワンちゃんにはお仕置きが必要だな」
轟く銃声、放たれた銃弾はエーテリアスの核を確実に撃ち抜き消失させる。
仲間の消失を皮切りに建物の陰から次々とエーテリアスが湧き出てきた。
背中合わせで構える3人、人型機械の死角から1匹のエーテリアスが襲い掛かる。
「危ない、ビリー」
抑揚のない少女の声に反応しビリーと呼ばれた機械人はしゃがみ、電気を纏った剣にエーテリアスは2等分される。
「ナイス、アンビー!」
「報酬は新作バーガー全種奢り」
「そこは仲間としての無償な助け合いじゃないのか!?」
「あんたらぐだぐだ言ってないでさっさと抜けるわよ!」
ツーサイドアップの女性がアタッシュケースを操作すると側面から大型の銃口が伸びエネルギーを充填していく。
「吹っ飛びなさい!!」
アタッシュケースから弾丸が飛び出すと1体のエーテリアスに着弾、弾丸に纏っていたエネルギーが周囲を巻き込みながら誘爆し5体もいたエーテリアスは全て吞み込まれた。
「さっすがニコの親分! 機転が利く!」
「でも、あの弾最後の1発じゃなかった?」
「そんなことよりさっさと足動かしなさい! 逃げるわよ!!」
ニコと呼ばれる女性の指示に従い2人は駆け出す。追手を警戒し、死角から飛び出す敵から対応できるように素早く安全確保できる場所を探しながら奥へ進んでいく。
しかし、彼女たちは気づけなかった。
彼女たちの向かう先に気づいたエーテリアス達がそこから
先ほどビリーが倒したハティは従来の個体より強靭で更なる獰猛さを兼ね備えた要警戒個体であるにも関わらずビリーの弾丸1発で倒せるほど弱体化していたことなど。
この後、彼・彼女にとって切っても切れない深い縁が繋がる。
ホロウ内部
AM 9:02
今日は時々ある休日だ。
普段午前午後とバイトを入れていたが雑貨屋【141】は在庫見直しで人手が足りて、ゲームセンター【GOD FINGER】のアシャ店長から定期メンテナンスが入っていた為、今日一日休日となったのだ。
【Random Play】に居ても良かったが暫く潜ってなかったホロウに入り久々の練習を再開させる。
「さて、やりますか」
体の関節を伸ばした所で腰に差していた棒を取り出す。
布に包まれたそれを剥くと錆と汚れだらけの刃物が顕になった。
大きさと刃渡りは小太刀程度、素人が研いだであろう刃文は傷だらけで持ち手も布で巻いただけで辛うじて武器と見られるが切れ味や耐久性は市販の物に劣るだろう。
だが、この鉄くずの様な物が彼の武器であり彼自身であった。
「すぅ……っ」
得物を逆手に持ち集中、これまで彼がひた隠ししていた異能を開放する。
頭の中に浮かび上がる言葉の羅列をなぞり彼はその力を呼び起こした。
「創生せよ、天に描いた星辰を──我らは煌く流れ星」
紡がれる詠唱。その言葉をスイッチにホロウの空気中に漂うエネルギーが収束し得物に染みこませた自分の血を媒介として迸る。
それはこの世界から乖離した力、常識を超えた独自の法則が彼を通して現実に現れる。
彼の前世は平凡であった。
普通に好み、普通に嫌い、普通に何かの影響を受ければ興味も失っていく。
その中で彼の心に軽く影響があったのは友人から勧められたゲームや音楽などの娯楽だった。
特に印象に残ったのが「シルヴァリオサーガ」と呼ばれたシリーズのゲーム作品だった。
そのゲームでは「
始めは突拍子もない内容と独特な描写に興味を引かれ、フィクションだとわかりながらも苦悩するキャラクターの姿、自身が導き出した答えに心踊らせながら瞳を輝かせていた。
そんなかつての思い出の力を彼は手にした。
教科書も説明書もないまま感覚で夢のような力を手にし、
自身の力に果てしない
週刊漫画やゲームに出てくるキャラクターは突如自分に宿った力を奮い見るものを魅了していた。
しかし、自分はどうだろうか。元から平凡で英雄願望など微塵も無く、自分ができるのは人並みの僅かな範囲でしかない。
そんな人間がいきなり力を制御し奮って厄災を振り払う所か厄災そのものに成り代わり得なかった。
過去に一度だけ激情に駆られてこの力が暴走した時がある。その被害もそうだが反動が凄まじく生き地獄を味わった。以来、その力を恐れ臆病で小心者な自分はこうして人目を避けいずれこの力に怯えながら少しずつ力の制御をしている。
誰にも見つからぬよう、誰も傷つけないよう、痛みに怯えながら、今いる居場所を失わぬように。
アポレイアは力の制御に神経を尖らせた。
ホロウ内部
AM 10:10
「っはぁ、ぜぇ、はぁ……」
廃屋の壁に寄りかかりながら息を切らすアポレイアは口に溜まる血塊を吐き捨て悪態をついていた。
「全く、不便な、力だ……げほっ」
シルヴァリオサーガ、その作品に登場したキャラクターは皆「
星辰体感応奏者、通称「星辰奏者」にはそれぞれの星辰光が宿り、その効果は千差万別。星辰光の威力、精度も個人差がある。
ここで星辰光と俺は呼称しているが、この世界に「
俺は星辰光を身一つで感応させることが出来る特異体質の星辰体感応奏者であったが、体外にある
「血が足りなくなってきたか……増血剤は効果まで暫く掛かるからな……」
閉じかける重い瞼を辛うじて押し上げながら立ち上がる。
軽い立ちくらみを堪え歩み出そうとした矢先、遠くで何か重低音が響き砂煙が上がる。ホロウ内におけるアポレイアの強化された聴力が微かな銃撃音と剣戟を捉えた。
「近いな、まあ、俺には関係無い事だが……」
踵を返そうとしたアポレイアだが、数ヶ月前に彼が介入したマフィアの試作兵器事件で治安官達が大量に血で染まり結晶化して塵に還る光景を思い出し足を止める。
もし、あの様な事件がまた起こってしまったら……。
もし、あの規模の問題が複数の街を巻き込むレベルなら……。
「六番街に近い訳じゃないけど、様子くらい見るか……」
行き先を定めアポレイアはそこへ向かう。
変装用として既製品だった狼の被り物を改造して禍々しい見た目にした物を身に付けて
天堕せよ、我が守護星──鋼の冥星で終滅させろ───。
極夜を思わせる闇がホロウの一角を塗り潰した。
今回もお気に入り登録して下さった方、
評価して下さった方(いつの間にか2人増えてる!?)、
このような拙い文でも一読して下さった方々に感謝!
イヴリン狙いたいけど、クロームががが…。
7/22誤字報告を頂きました。
読んで頂いただけではなく、指摘による質向上のお手伝いありがとうございました。
報告感謝です。