「……それで、魔王と勇者がお揃いで一般人に何の話です?」
実際には元なんだが、元勇者が二とそうでない魔王が二、バランスがいいのでそういう表現を使わせてもらった。
「『特別な誰かじゃないと世界は救えないなんてのは間違ってるだろ。平和が成り立つ理由は世界に住む人々の努力の結果であるべきだ。そのために敵が必要なら俺がそれになってやる』……悪くねえ言葉だ」
ギィが語る。立派な言葉ですね〜。誰の言葉だろうな〜。
「ソウゴ。お前の吐いた言葉だそうじゃねえか」
グランベルの方を見る。見つめ返される。
くそっこのおじいちゃん何も悪いことしたと思ってねえ! 実際誰が悪いかっていうと10:0で俺だが!
「そうですね。それがいかがいたしましたか?」
「個人的には、お前が世界の敵をやる必要なんかないと思ってる」
意外だなあ。けど、それはリムルに世界のてっぺんをまかせてみんな仲良くルートじゃないの?
「善良に見えますし実際自分の定めた善には忠実であろうとしてますが、意外と取りこぼすことに責任をとりませんよ、リムル=テンペストは」
俺は
リムルは好きだよ? それに、恩恵に預かれるならたしかにリムルの治世は過ごしやすいだろう。
だがリムルは積極的に人を救いに行くわけではない。手が足りてないのもあるが、別に無限に優しくはないんだ。
手が足りてないを理由に救うべき人を探しにいかないなら、俺の基準ではそりゃ善人とは言い難い、普通人だ。別にそれが悪いわけではなく、あくまで普通。身内にしか優しくないんだよな。
なら世界を全部あいつの身内にしないとならん。が、それは無理だ。なら計画自体がダメだろ、という簡単な話だ。
「お前、実はアイツ以上に潔癖なのな……」
「私の知る限り、転生前のアレの本性は結局は市民です。王ではない。それが特別な力を持ってるから『調停者』を任せる? やめた方がいいですよ。
次案、王であれるように徹底的に傍を固める。ま、それだと個人の良さがつぶれます。リムル=テンペストの人格である必要がなくなる。
だから根本的にはアレを王や調停者にするのは間違いなんですよ。見方を少しだけ変えれば、状況に巻き込まれた不幸な一般人です」
「……なるほど、検討しよう……」
「『調停者』の一番の適任は間違いなくあなたなんですからね、胸張ってください」
ギィが考え込んでしまった。別にものすごく悪い判断ってわけじゃないが、人の理性を信じるなら民主主義に目覚めてもろて。魔王目線、魔王が人を支配することに慣れすぎてんですよ。
はー、次のお話相手は誰だろう。真面目な話するの疲れるんだけど。
「次はワシだ。……人による人の平和は実現可能だろうか」
「何で俺に聞いちゃうのか心の底から分かりませんが、実現のためにはマリアベルをもっと鍛えましょう」
「それは?」
「まず、魔王が人を支配するのは人が不甲斐ないからです。グランベル翁とルミナス様はその辺で利害と現実が一致してマッチポンプしてたんですよね?」
マリアベルからそう聞いた。グランベルはルミナスに敗れた後、手を組んだと。グランベルとルミナスが頷く。
「なら単純に、魔王に代わってトップに立ちうる、甲斐のある人間を立てるしかないんですよ。マリアベルであればおそらく王の資質がある。であればマリアベルを、という話になります。ああ、もちろん『平和を崩して経済を回すようなことはするな』と説得するのも必要ですが」
「何故マリアベルに限る必要が」
「人の身でまともに世界レベルのバランスを見られて私情を入れずに平和を実現するための意思決定能力がある純人間種ですよ? 今は一旦ジュラ以西に限りますが、マリアベル以外にいますか?」
「……マリアベル以上は、おらんな」
おらなんだか。コリウス王国の王族はマトモっぽいと聞いてるのだが、グランベル的には劣る判定らしい。
「というわけで、ロッゾが対
「
おじいちゃん倫理観どこに置いてきたの。
「一人では飽くか
「……そうか、そうだな。仲間は欲しいものだ……」
「さっきギィ様が引用した俺の言葉ですけど、結局一人に任せちゃダメなんですよ。みんなでやらなきゃ」
おじいちゃん遠い目しはじめちゃった。次でいいかな。
ギィとグランベルの言ってることは俺からすると実質「種族:人間の平均値が魔物や魔人、亜人のソレより低くてこまっている」という話なのだが、そこは平均値、中央値、最頻値を上げる努力を地道にやってくしかないと思うんだよな。ファンタジー世界だからこそ起こりうる人類の革新というものに期待したい。それでも!の精神ですよ。そのうちキュインキュインして大当たりするでしょ。継続は力なりだよ。
「次は俺でいいか」
「ええどうぞ、レオン様」
何聞いてくんだろ。普通に謎だな。
「お前の見た未来では俺とクロエは仲良くできているか!?」
「見てないですね」
コイツはよお!!!!!
でも癒しだわ。こういうのがいるからいいんだよ世界は。
「これからの頑張り次第で良くも悪くもなると思います」
「そうか、では失礼する」
コイツはよお!!!!!
それ聴きにきただけかい!!!!!
でも許すよ。気になる女の子と仲良くなれるかは全人類気にするからね。俺はこうみえて恋愛脳だぞ。
さて、
「帝国の侵攻、其方はどう見る?」
え、そこなの。
ていうかレオンの時にもう感じてたけど、多分これ俺がシオンとゴブリンの子の仇なのと、未来を知ってるのはギィが共有してんな。
で、リムルニハナイショダヨってしてる。
「魔王リムルが全部何とかするのでは? 対帝国を自分に聞く理由になっていませんよ」
「……聞き方を変えるのじゃ。この情勢でリムルは、
「……その言い方は……あー、なるほど……」
忘れてたな。
この世界、
そしてリムルは身内以外には優しくない。
「帝国は帝国以外の世界全体を攻めてくるのに何で俺たちが真っ先に矢面に立たないといけないんだ、全部俺たちがやったぞ? 何かいうことは?」みたいな
そしてリムルは
「帝国戦ではなく、戦後のこと。
全員が頷いた。
マジでそうなったら詰みくせえんだよなこれ。
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