転生したらスライムの敵だった件   作:一宮 千歳

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40時間で死に支度しな!

ガチャリがギィとドアを開けて入ってきた。

違う。逆だ。動転して変なこと考えちゃったな。

 

「喜べソウゴ。いいニュースと悪いニュースを持ってきた」

「ヤダーッ! 絶対ロクでもないーッ!」

 

ギィにため息つかれた。

 

「なんのため息?」

「いやもう、何を足掻こうが伝えるからな。

お前の言葉に耳を傾けて話が長くならなかったことがない」

 

チッ、バレたか。

 

「いいニュースの方、しばらくこのレオンの城にオレが滞在する事になった。喜べ」

 

は? 別に良くないが?

 

「は? 別に良くないが?」

「言ってろ、オマエのいいニュースもオレにとっちゃ特に良くなかっただろうが。で、悪いほうだ、心して聞け」

「なんだろ、ギィとずっと一緒以上に悪いことなんかねえと思うんだが」

 

「ディアブロもレオンの城に長期滞在する。リムルにオマエの所在がバレるぞ」

 

今俺作画崩壊してるんだろうな。

ばなな。

 

 

「落ち着いたか?」

「まあ一応……で、どういう流れだったか教えてもらって良いか?」

「すでに相手陣営についてるディーノなんだが、リムルが半ば寝返らせてる状態にしててな、相手の情報が入ってくる。

相手は今から五ヶ月ほどは動かんらしい。そんで、出来た時間での準備として、どこに攻めてくるかハッキリしねえから残る八星魔王七人全員にリムルの部下を付けて守りを固める作戦になった。

レオンのとこはお前がいるから、リムルの部下はいらねえって流れにしたかったんだが、ルミナスがあえてなのかも知れねえがレオンのところにも付けろって言い出した。

で、リムルがオレにディアブロを押し付ける嫌がらせを思いついたんだろうな、あとは流れのままだ」

 

ギィ視点リムルがぐう畜なんだが。お前ほんまそういうとこやぞ。

ディアブロ自体は最高戦力なの間違いないけど厄介者なのも間違いないだろ、しかもお互い名無し時代からの腐れ縁をひと所に置くとかさあ。

しかもディアブロ俺のこと探してそうでしょ。

的確な采配すぎて泣いちゃうね。

そしてそれとは逆にメチャクチャ配慮してくれてんじゃんギィ……。

 

「なんかちょっとギィの優しさに涙出そうだよ」

「おっと好きになるなよ、オレからオマエへの好感度はまだレオンほどじゃない、その愛には応えられないぜ」

「それはそう」

 

ワハハ、と笑い合う。なんかずいぶん仲良くなっちゃったな。『敵対者(マジワラヌモノ)』の存在忘れそう。

でも多分普通に喋ってるのって俺がギィやレオンにとって脅威じゃないからなんだよな。

 

「あとな、魔王の支配する土地を繋ぐ転移魔法陣を設置する事になってる」

「敵に利用されたら……あーいや、そこはそもそも転移でやってくる相手には意味ないのか?」

「そういうことだ。即時の軍事的連携が取れること、非戦闘員の避難ができること、平時にも人の行き来に運用できる事を優先した」

 

交通手段の逆利用ってのは戦争の基本だ。

劣勢の時に線路とか橋とか道路を壊して逃げるのはそういうことだな。

ギィはその辺を考えつつもメリットを取ったらしい。

 

「じゃあその辺はいいのか……ディアブロの派遣時期はいつ頃になりそうなんだ?」

「一週間あればいい方だと思うが」

「うへ。俺の命日は遅くて一週間後か?」

「早ければ明後日にでもくるだろうよ」

 

俺、明後日から一週間までの間で死亡確定するってよ。

わー、なんかゲンナリしてきたな。

 

「ある程度は味方してやるが、殺し合うとなったら手出しはしねえからな」

「こんだけ匿ってもらっといて更に手を貸してもらおうなんか思ってないって」

 

一応鍛えはしたけど生き残れそうにはないな。

グランベルとマリアベルに最後の挨拶でもしとくか。

 

 

まずはグランベルおじいちゃんだ。

なるべく早めに会話時間をとってほしい、と伝えたら全ての予定をキャンセルして俺との会話を優先したそうだ。マジで言ってんの。

 

「グランベル翁、どうやら別れの日が近いようです」

「……そうか、ワシはお主を鍛えきれなんだか」

 

うおおなんかめっちゃ辛気臭い声しよる。

大丈夫ですかおじいちゃん、そんな大事な孫に先立たれた人みたいな声やめてくださいよ、単なる師と弟子じゃないですか。

 

「いえいえ、知り合って短い期間の間、良くしていただきました。

……すみません、大言壮語しておきながら先に死ぬ事になってしまって」

 

ねー。めちゃめちゃ啖呵切ったのに先に死ぬんだもんね。カッコ悪いったらありゃしない。球磨川大先輩に顔向けできねえぜ。

 

「その点は非常に残念だな、それに時代を託せる人間が"転生者"しか見つかっておらん」

 

転生者は心がつええからな。

普通の生まれの人たちは確かに期待しにくいところはあるかもしれん。

それでも。

 

「それは本当にどうしようもなく……まあ、気長に行きましょうや。

人間はまだ生きてるんですから、希望は繋がりますよ。

一人で絶望して一人で背負わない、ですよ。

前向きに行きましょう」

 

グランベルおじいちゃん立場が元勇者で現国王だからね、自分がやらねばって思いがちなんだろうね。

でも重荷は一人で背負ってもいい事ないんですよ、10kgの荷物を一人で背負うのと20kgの荷物を二人で背負うのだったら重さは変わんないけど気持ちが楽になるんでね。

あるいは15kg分と5kg分で負担を変えてもいい。20と0はあかんけどな。

そういう感じでいかないと。

 

「……何から何まで、すまぬな」

「? 俺なんかしましたっけ」

 

なんもしてない気がするんだけどな。そりゃマリアベル生存には介入したけど。

 

「それじゃあ、お元気で」

「ああ、またな」

 

またな、とは異なことを。

 

「あっはっは、魔王リムルに目をつけられてんですよ? 

次の機会なんてあるわけないですって! それでは!」

 

ぷつりと連絡を切る。

またなって、また転生してこいってことかな。それならワンチャンあるかもね。あるといいなあ。なさそう。

 

さ、あとはマリアベルと話して、未練とおさらばですわ。

……でもちょっと勇気出ねえな。明日でいいか?




せっかく日曜なんで+書き溜めができたので+ここで引くのも辛気臭くなりすぎるので本日分は二話更新です。

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あらすじちょっと書き換えたんですけど、どうですか?

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