お手数ですが前回を先にご覧ください。
珍しくレオンが夕食後の時間に部屋を訪ねてきた。
「ソウゴ」
「なんだレオンか。珍しいな」
思い詰めた顔してんなー。でもイケメンだ。
「ああ。少し話さないか?」
「まあ別に構わんけどさ。この部屋でいいよな」
「すまない。今のお前だと『
あれ、マジで? 俺そんな強くなってんの? やったー。
優しい嘘かもしれんけど嬉しいね。
「……惜しいな」
何があ? 俺が死ぬ事?
「別に人間死ぬ時には死ぬんだよ、俺の場合、死ぬ理由とタイミングがわかりやすいからあらかじめ惜しめるだけだし」
リムルからは仇だと思われている。「仲間殺し」という正当な理由だ。
仲間が好きだから、地獄にだって落ちる、罪を背負って生きる。
真っ当に歪んだ決意であいつはファルムス兵の虐殺をやり遂げてる。
俺たち当事者の間で、敵討ちは正当化されてる。
リムルは俺を恨んだままだし、シオンだってリベンジに燃えてるだろう。
ゴブリンの子だって
俺は本人たちやリムルにやり返されてもしょうがないと思ってる。
それだけの話だ。
「……実に惜しい。一つでも道が違えば、お前もまた勇者だったかも知れない」
いやあ勇者様にそう言っていただけるのは光栄なんですけどね。
「心の底からなりたくねー」
「お前らしいな」
レオンが笑う。
そーだよ俺は俺らしくやってるだけなの。
みっともなく生き足掻いてカッコつけてるだけなのー。
「だから、気にすんなよ。フェルドウェイとミカエルの事があんだろ」
「……いや、いちいち尤もなんだが、ひとつ言っていいか?」
なんだよ。
「グランベル翁の後継と話をしてやれ……嫌そうな顔をするなよ」
だってさあ、明確に俺が救って、その癖俺が先に死ぬってめちゃくちゃ拗れそうじゃない? やなんだけど。
「わかってるじゃないか。拗れは解消しておけ」
「おまっ……お前が言うかあ!?」
「俺は純愛だ、拗れていない」
「そういうこと言う奴は拗らせてんだよ!」
わーわーどたばたと騒いで、そのまま他愛のない話をして。
「お前が死んだら、この部屋はこのままにさせてもらう」
「……男同士でセンチメンタルを覚えてんじゃねえよ。けどまあ、好きにしろ」
そんなことを言って、その晩は別れた。
●
「ソウゴさん〜。お客さんですよ〜」
朝。部屋の外から知らん女の声がする。
「客も誰だし呼んでるやつも誰だぁ……?」
「呼んでるのはギィ=クリムゾン女体化バージョンですけど〜」
バッッッッッッッカ野郎!!!!!
原作でも存在が仄めかされただけで一切姿が出てねえんだぞ!
気になるに決まってるだろうが!
ドアの前で放たれる爆弾発言に慌ててドアを開ける。
ふつうのギィがあらわれた。
「は?」
「騙されたね♡」
女声でギィが俺をバカにする。
声真似……ッ! 圧倒的声真似……ッ!
クッッッッッソ……がよ……!!!!!
完ッ全ッにやられた……!!!!!
悪魔かよ……悪魔だったわ。
「まあ冗談はさておき、客はマジだ。ほれ」
「あーサンキュ……」
客の顔を見て、固まる。
「久しぶりなのよ、ソウゴ?」
金髪幼女が、そこに居た。
アイエエエ!? マリアベル=ロッゾサン!!? マリアベル=ロッゾサンナンデ!?
……このくだり初対面でやったな。
でも本当になんでここにいるの?
●
部屋に二人きりにされてしまった。
え、大丈夫? とギィとマリアベルに聞いたが、大丈夫らしい。
ほんとかあ? って思ったら「密室で起きたことは内緒にしといてやるからよ」とか言われた。
いやだから、そういうのがだめなんですよ? 相手は未婚の女の子ォ!
でもギィに「いいから」って言われたら逆らえない。
うん、不可抗力不可抗力。
というわけでギィの手により俺の部屋にマリアベルが押し込まれた。
……いややっぱ外聞のヤバそうさすごいよ。大問題だよ。
「ソウゴ」
「ひゃい」
脳内で言い訳に終始していたらマリアベルが話しかけてきた。こわいよお。
「私になにか言うことはないの?」
なんだぁ? ……え、ほんとに何?
「……えーと、俺、一週間以内に死ぬ」
「そうじゃないのよ」
え、じゃあわからん。
「……久しぶり?」
「……遅い」
「状況が悪くないか!?」
世界最強に連れられて幼女がやってくるとか想像してないんだよな。そんなん挨拶も遅れて当然じゃない?
「久しぶりに顔を見てみれば」
なんだ?
「あなたのその欲は、なに?」
ああ、そんなことか。
「
んー、俺の生きる欲がほぼゼロに見える、ってことかな。
マリアベルの『強欲之王』、とんでもない進化をしたもんだ。
相手の欲が数値かグラフかなんかで見えてるんだろう、内心はスケスケだ。
マリアベル
しかも『
それでいて
強くなったなあ。
「
マリアベルが生きろという。
しかし、
「
マリアベルが繰り返す。生きる。どうやって?
リムルは最終決戦前だ、流石に創造神の力なんかには目覚めていない。
けど、十分すぎる強さだ。俺はユニークしか持ってないが、リムルは
俺は、そいつに仇として狙われてるんだぜ?
「世界は、よくなるのよ。あなたが、運命に、そして絶対の神のような存在に立ち向かう勇気を人間に分け与えてくれたから!」
誰の話してるの? あなたって言われてるし俺か。えー?
運命、こりゃマリアベルが死ぬ定めを曲げたからか?
しかし絶対の神のような存在は、ちょっとよくわかんない。
……もしかして魔王連中と楽しくおしゃべりしてたことか?
「その『裁かれたい欲』もしらない!」
お見通しだよなあ。そうだよ、俺は罪を犯した。
それは変えられないだろう?
人を殺したから裁かれて死ぬ、当たり前じゃないか。
でもしらないとか言っちゃうのか。だめでしょそんな適当じゃ。
「私が決めたの。
この世界は、あなたの為にある!
だから、生きなさい!」
メチャクチャだ。だけど一種の真理でもある。
世界は誰かのためじゃない、一人一人のものだ、
それを拡大解釈すれば、確かに俺のためにも世界はある。
全く、前世知識もあるにせよとんでもないことを言い出してくれる。
そうだ、マリアベルの言葉には、力がある。
「過去も今も、未来に繋げるためにあるのよ。
重苦しい過去にだけ囚われないで!」
今何を成して、未来に何を繋げるかってこと?
いいのか? いいんだな?
少しは夢見てもいいんだな?
「私の敵が、あなたの敵だったように」
そんなことあったっけ。ああ、ユウキ=カグラザカか。
確かに言ったね。初対面でぶち撒けた。俺の敵、とも言った。
「あなたの敵は、私の敵!」
ああ、なるほど、強欲だ。
そこも手に入れようというのか。
嫌がってたけど。
一人なら折れそうだったけど。
今の二人なら、ちょっとだけ、勝てる気がしてきた。
「そうよ、
一人で負けそうなら、二人で一緒にやりましょう?
負けたら全部を失うけども、勝って生き残ったら丸儲けなのよ」
どこで何を聞いたんだよ、またグランベル翁がアレ拡散してるな? と思いながら。
とんでもないバクチを挑む商人もいたもんだと。
マリアベルが、手を差し出す。
俺は、その手を取る。
人生を賭けた大博打の契約が成立した。
世界の声が、二つ、同時に響いた。
アンケート「あらすじちょっと書き換えたんですけど、どうですか?」は12/16 2:45ごろ締め切りました。ご協力ありがとうございました。
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あらすじちょっと書き換えたんですけど、どうですか?
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いい感じかも。
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もうちょっと長くしていいんじゃない?
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内容に関係ないしどうでもいい。