転生したらスライムの敵だった件   作:一宮 千歳

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こんなことが許されていいのか

なにがおきたの? 俺バカだからわかんねえわ。

 

まあ『敵対者(マジワラヌモノ)』ってば、基本的に味方を増やせないスキル、

居たとしても敵対してしまうスキルとして作成されたものっぽい。

じゃあ今の結果を踏まえた『敵対者(サタン)』への進化条件は、

スキル効果を通じてもなお仲間であると、同格の相手に信任されること、

同様に相手を同格と信任することってとこか……?

 

あっなんかこれで答えっぽい。すげえぞ。俺天才だったわ。

そして権能も獲得時点で大体わかった。

ていうか『敵対』がオンオフ可能になった(・・・・・・・・・・)だけで十分すぎる。

 

しかしこのスキル相当戦闘向けっぽいけど、

今回、あんまり戦闘する予定はないんだよな。

 

「えっ」

「えっ」

 

マリアベルが素っ頓狂な声だすから俺もびっくりしちゃった。

どうしたの。

 

「戦闘する予定はないって、てっきり魔王リムルと互いの存在を賭けて殺し合うものかと」

「対話によって利益を得ろよ。商人やめちまえ」

「やめたら責任取ってくれるのよ? お爺様の説得もよろしくね?」

 

あかんレスバに勝てん。撤退撤退。本題を話すぞ。

 

「実際のところ俺は体と記憶のどっちかが同じならそれは同一人物とみなしていいと思うんだよ。だから体が殺してるし記憶もほぼ連続してるからオレは殺人者、罪を償う必要がある」

「私の意見は違うわね。ヒトをそのヒトたらしめるのは記憶が主体なのよ。ソウゴの記憶が混ざった時点でそれはまた新たな個人。ヤマスの罪を償う必要はないわ」

「でも、それは内から見たらじゃないか? 外から見たら同一人物だろ」

 

マリアベルがぐむ、という顔をする。

こっちのレスバは勝てちゃうな。

 

「自分に覚えのない事をやっても心神喪失なのよ?」

「その理屈で言っても残念ながら覚えはあるし故意なんだよな」

 

生き残りたいんだけど俺は結局は罰されるべきなんだよな。

さっき自罰感情は知らないとか言われたけど法治国家の出身(転生元:日本)としてそこを曲げることはできんぞ。

 

「命令されたから仕方ないという路線は?」

「リムルの『俺は命令者を殺さない、その実行者を殺す』があるから主張してもちょっと……」

 

(リムル)の名に於いてYE GUILTYですわよ。

そこはマジ意味わかんないけどそういうもんだからしょうがないよ。あいつの遵法意識マジでわかんないんだよな。記憶が正しければけっこうノンデリだし。

 

「法に寄らない私怨での断罪なんてクソなのよ」

「女の子がクソとかいうんじゃありません。

第一リムルは自力で刑罰決定してもおかしくねえ立場だろ。王だぜ」

 

マリアベルの中身の年齢は一旦無視するものとする。

 

「じゃあ贖罪意識があるから減刑……」

「それはまあ常にあるけど、一方で逃げ回ってはいたんだよな」

「もーーー!!!!!」

 

俺の有罪性が証明されちまったようだな。

したくなかったけどできちゃうからしょうがない。

 

「私としてはお互い全部飲み込んで世界を良くするために生きてもらいたいのよ」

「それが俺の贖罪か? そういうのもなくはないと思うけど……」

「そもそも。殺したつもりの相手が生きてるのよ? 余地があると思わない?」

「そこを言い出すと結局相手の出方次第なんだよなあ……」

 

まあ、加害者とその弁護士だけでなに言っても、である。

すると、こんこんこんとノックの音がした。

 

「今日こっちの昼飯が終わった後、ディアブロが来ることになった。……あいつちゃんと先触れとか出せるんだな」

 

ギィの声だ。

 

「早くね!? ギィきのう、最短明後日って言ってなかった!?」

「知らねえよ予定空いてたんだろ! まあせいぜい残りの時間を二人っきりで(・・・・・・)楽しんでろ?」

「「そんなんじゃない!!」のよ」

 

ハハハと笑いながらギィの気配が遠ざかっていった。

え何? はたからはそういうふうに見えるの俺たち? 完璧に事案じゃん。

 

「ああいう手合いは、そう見えないからこそ揶揄(からか)うのよ。逆にそういうふうに見える相手に声かけてガッツリイチャつき始めたらイヤなのよ」

「完全に理解した」

 

 

昼食を終えた後、ディアブロが来た。

部屋越しにもわかるのだ。

気配や妖気(オーラ)ではない。

単純に、いつでもどこでもリムルを賛美するし他の悪魔を煽るので、騒々しい。

 

「こっちから出向こう」

「いいの?」

「どっちにしろバレるなら主導権を取っておこうと思って」

「貴方、そういうところあるわよね」

 

褒められた。褒められてないけど。こういう些細なことをプラスに受け取るのが人生を楽しく生きる秘訣だ。

(シオンとゴブリンの子)殺しの自首しに行くときに考える事じゃねえが。

 

てくてくとディアブロのいそうな方向に向かうと、どうもあちらも"レオンの客"の存在に気付いたようで、気配が変わった。

 

そろそろディアブロと対面する。

5,4,3,2,1,今。

 

「久しく会っていなかったが、ディアブロという素晴らしい名を得られたようで、何より」

 

久しぶりーいい名前もらえてよかったね〜

だから報告しないでくんない? だめ。そう。

 

「……クフフフフ、ここに居たのですか。

どうですか? 私に挑めるほどには磨き上げましたか?」

 

バトルジャンキー側面優先すんなや! 仕事しろ仕事! 

いやするな! でもバトルもしたくない! あれこれ詰みか?

 

「いやあ、まだ全く自信がない。

こちらが2対1でいいなら挑ませてもらうが」

 

 

「――なるほど。では、リムル様に貴方の存在と所在を報告させて頂きます」

 

……? 今なんか不自然じゃなかったか?(・・・・・・・・・・・・・・・)

マリアベルをチラリと見る。

手を繋いできた。

なんで?

 

《身体接触しながら『念話』すると盗聴防止できるのよ》

《なるほど。手を繋ぐ理由にはなっていない気がしますが?》

《で、やったことといえばディアブロの『目の前の相手と戦いたい』『殺したい』という欲を『リムル様に褒められたい』という欲にすべて移し替えたわ。それで戦闘が起きなくなったのよ》

《……え、ディアブロに、あのディアブロにそんな小技が通るの? あと手を繋いだ理由は?》

《悪魔って、"欲"で動いてる精神生命体なのよ? それなら簡単に操作できると思わない?》

《……納得いかねえけど、マリアベルが悪魔族(デーモン)にメチャクチャ強いことだけ覚えとくわ》

《理論上、ギィ=クリムゾンにも効くと思うわ。今のところソウゴの味方のように思えるから、何もしないけど》

《やめてね!? 効いても困るし効かなくてもマリアベルになんかあったら困るから! やめてね本当に!?》

 

というわけで、ディアブロ戦はなくなりましたね。

いいの……? いや戦わなくて済むならそれに越したことはないけど。

 

「そちらのお嬢様は彼の同行者という事で良いのですか?」

「ええ、私はそのつもりでいるわ。 あと、彼の名はヤマスと言うのよ」

「ヤマス、ですか。 覚えておきますね」

 

ディアブロに一歩も引かないの頼もしいなあ。

で、手はいつまで繋いでればいいんですかね? 

ディアブロ以外の全員が変な顔してるんですけど。空気が辛い。




(無理があると思われるかもしれないんですけど、マリアベルとユウキがデーモンと絡んでなさすぎて「あるかも」って思っちゃったんで、独自設定ということで一つ……)

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