ちょっとやり合った感じ、シオンとゴブエには負けない。勝てないが。
このままダラダラやって中断、そのままリムル戦になるとちょっとまずい。
なので戦いながらペラ回してリムル戦は回避したい。させてくれ。
「さて、こちらの強さを見せるため、少々反撃もさせてもらう……行くぞ」
今度はこちらから攻める。
もちろん狙うのは不意を打たれると怖いシオン。
走って寄ってパンチして左にサイドステップしながら切り付けて返す刀でもう一撃ィ!
苦し紛れの反撃は回避させてもらうぜ。……こっちの攻撃当たってるけど再生されとるゥ!
「なッ……!? 速い!」
今度はシオンの懐に飛び込んで突いて切り上げ、右サイドステップして袈裟斬りに切りかかってそのまま逆袈裟をぶち込む。反撃を回避するのは忘れない。
うーん、これも全段当たってるんだが、シオンのおよふくが切断によりセクシーになるばかり。『無限再生』が厄介すぎるな。
「手数が尋常ではない……ッ! なんですかその
要は連続コンボ攻撃を放ったのだ。
参考にしたのはとあるゲームの
動作の最適化と連携を突き詰めた
この
まあ、シオンやゴブエ、ディアブロに対してわざわざこの
まあ攻撃アーツが特に身につけられてないからこれを開発するしかなくてやったところはあるんだよな。
……待てよ。『
「こういう手もある」
「……受けてたち「シオン! 受けるな!」ません!」
ぶん、と雑にシオンに向けて振った
いやいやいやアカンアカン。これじゃシオンがまた死ぬゥ!
「……回避したか」
「そんなもの受けられませんからね」
シオンもさー。リムルの制止がなかったら絶対受けてただろ。
そんで大ダメージだったぞ。
封印封印。
「これは封印しよう。余波が大きすぎる」
「敵の……いえ、連れてきた娘の心配ですか? 余裕ぶって……」
「そもそも敵ではないからな」
「侮辱ですか、侮辱ですね」
「いや違っ」
どす、と衝撃。見る。
ああ、シオンと喋ることに集中しすぎたか。
ゴブエに刺された。しかも鎧の隙間を抜いた綺麗な一撃だ。
これを決めたのはゴブエは誇っていいと思う。ただなあ。
「ふふ、ふふふ……どうだ、痛いか、苦しいか!
思いしれ!
貴様が私に、シオン様にやったことだ!」
ゴブエの短剣が引き抜かれる。
俺の傷が
「……は?」
ゴブエの気の抜けた声。まあそうだろうな。
「いや何、俺も『無限再生』があるだけの話だ。
……魔素に満ちたこの空間で我々同士の殺し合いは無意味なので、少し話をさせていただきたいのだが?」
ゴブエは今の再生でかなり戦意喪失ぎみだが、シオンの眼が死んでいない。
諦められても困るけど戦意旺盛なのもけっこー困るなこれ。
どうすればいいこれ、考えろ考えろ。……思いついた!
「……私の攻撃が当たれば、当たれば勝てます!」
「……なら、続けようか」
ここで終わったら困るから是非続けてくれ。
あとリムル(とディアブロ)の視線がめっちゃ痛い。
マリアベルの方は怖くて見れない。刺されたの怒ってるでしょこの気配。
●
ゴブエは攻撃頻度がちょっと減ってしまい、シオンとの連携の形が崩れてしまっている。
無意識によるものかな。まあ、自分の攻撃効かないんだもんな。
魔素たっぷりなこの空間、魔素で傷を補填する『無限再生』持ち同士なんか、基本千日手になる。
でも相棒……上司? とにかく共に戦う味方の目が死んでないからだいぶ良くないんだよな。意識してゴリゴリ攻めに来るべきだった。
こちらとしては元々シオンの攻撃を落ち着いて対応すればいいだけではあるが、連携攻撃の頻度が下がった分こちらの負けの目が減った。
まあ、それはいいことだ。
そしてその間、俺は
「
屋台飯うまいね。宿リラックスできるね。温泉気持ちいいね。住人が幸せそうだね。ダンジョン挑戦者は夢がある顔してていいね。物価安いね。物の品質がいいね。人の数が多いね。観光客も多いんだろうね。など。思いつく限りの良くとれるところを全て並べ立てていった。
「貴様らは、それを羨んで攻めたのだろう……!」
褒め言葉に、ゴブエが反応する。
言葉の反撃チャンスヨシ!
「逆に聞くが、リムル陛下が敵国を攻めろと言った時。それに逆らう選択肢は貴女たちにあるか?」
ぴたり、とゴブエが止まる。シオンもだ。
それに合わせて俺も足を止める。ただしさっきの二の舞は避けたいので両者ともが視界に入る位置で。『思考加速』は起動したまま。
二人は何を言ってる、という顔をしている。
「ないだろう。貴女たちは、リムル陛下の正しさを信じている。逆らう必要がないと信じている。
それは、他の国が、
「……そんな、そんな事」
「いや、実際には、
「それなら……それならッ!」
ここだ。ここで押す。
「だが、兵が命令に逆らえないことは正義の有無に関係がない」
「しかし! 貴様は! 正義に酔っていた! 我々を楽しんで殺していた!」
「今もその時と同じに見えるか、私が」
「……ッ!!!!!」
あと、俺がずっと、めっちゃ戦いたくないって顔してたのは見えたと思うんだよね。
まあ戦いたくないのは心の底から本当なんだけど、兜をしなかったのはわざとだ。そこはある意味フェアじゃなかった。
そしてすまんな、卑怯な物言いをさせてもらう。
「戦いたくない。アレは我が人生痛恨の過ちだった。
あの時殺した君たちに謝らせてくれ。……すまない」
「……卑怯な……言い方を……ッ!」
心の底から申し訳ない、と思っていると。
シオンが、
ゴブエが、
泣いた。
…
……
………
彼女らが泣いた理由は一つではない。
倒したい相手を倒せない、不甲斐なさがある。
直接自分を殺した相手を許せない気持ちがある。
その相手が素直に謝ってくるような厚顔無恥に、苛立ちと悔しさがある。
だが、二人は思い至れるのだ。
正しくない命令で自分が人を殺せば、それを悔いて生きることになるだろうと。
自分たちの王はそんな事をしないが、そうならないことは単なる幸運でしかないと。
王に仕える立場として、目の前の元騎士の不運に、同情することができたのだ。
そして今は戦いたくないという意思を、理解してしまった。
故に
………
……
…
「くっ……」
「なんだよ……なんだよぉ……」
「……すまない……」
二人の嗚咽と、
ソウゴの謝罪が、
●
しばらくして。
「なあ」
「分からないことがあるんだ、聞かせてくれよ」
根本的な解決はまだだ。
「あの時、なんで逃げた?」
リムル=テンペストを、
口先で誤魔化そ〜
なんだこの情緒不安定主人公。
※リムルはまだ怒ってるし戦闘した二人も別に許したわけではない
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