プチプラコスメ、とっくに量産開始してて後は売るだけになってた。
え、絶対おじいちゃんも協力してましたよねこれ?
孫の連れてきた彼氏に華を持たせてやろう的なやつじゃない?
爺孫揃って俺にデレデレじゃん……ヤバ……。
というわけで俺は何もしてない。いや一応プチプラコスメの話はマリアベルとしたことあるんだが、実際の事業としてのお膳立てはマリアベルとグランベルとおそらく名前も顔も知らない方々が努力してくれているのに、俺の手柄となった。
それが軋轢を生まないわけがなく。
マリアベルに聞いた話、ロッゾ一族は高級化粧品市場を寡占しつつ、競合しうる化粧品事業の芽を叩き潰して回っていた。
が、その中で突然現れたヤマスとかいう何処の馬の骨かわからない男に対してグランベルがノータッチを指示し、あまつさえグランベルが握ってる販路を使って低価格化粧品市場を作り上げちまいそうなもんだからもう大変。
妬み嫉みの嵐が西方商人の中で渦巻いていますとさ。
一説にはグランベルの男娼らしいですよ俺。その噂撒いた奴ら潰していいか? 無論物理的に。玉を。
まあ、裏の話知らないと俺が厚遇される意味はわかんないですよね。俺がいなきゃロッゾ一族という商人/政治グループは存続危機に陥ってるとか想像もつかんだろうし。
俺もマリアベル憑依二次読んでなかったらマリアベルが
「ぽっと出の成り上がりが嫉妬される流れを御せるかどうか試されてんなー……」
夜、襲ってきた刺客と戦いながら考える。
実力差があるのはすぐにわかるだろうから、命に換えてもお前を殺す系っぽいな。
でもなー。比較対象がだいぶ悪いが、推定ゴブエ未満じゃ何人命を賭けても俺を殺せんよ。
そもそも普通に刺しても切っても『痛覚無効』で痛くないし『無限再生』で死なないし。
グランベルおじいちゃんも意地が悪い、グループ内である程度話通ってるんかと思ったら全然そんな事ないんだもんな。
ワシャ知っとるけどお主を知らんやつに多義的に力を示せってことかな。
おかしいな商業的成功としか言われてない気がするんだけどな。
言ってることとやらせることが違うのは部下の心離れを招きますよ!
まあマリアベルとの婚約を認めてもらいたいので頑張りますが。
さーて、考え事しながらボコボコにしてさしあげた刺客くんたちはどうしてくれよう。
「依頼主にメッセージは頼めるかな?」
「げほっ、返り討ち、にされた時点、で俺たちに、信用はない……」
「じゃ君たち、俺個人の手駒にならない?」
「正気、か?」
今回返り討ちにした刺客四人がざわざわとし始める。
正気も正気、金払うだけで命を賭けて汚れ仕事やってくれるなんか神に等しい。いや
「今みたいな安易な殺しはさせない。
外回りに出してる連中の用心棒として、敵対勢力に非戦闘員や商品が狙われたら時間稼ぎをしてくれるだけでいい。
けど、商品狙いの相手っぽいなら自分の命を優先して逃げていいぞ、『強いが逃げられる程度の相手』『逃がしてくれる相手』みたいな情報も重要だから、むしろ勝てなさそうな相手からは積極的に逃げろ。
命の危険がある仕事だ、報酬は弾む」
「……理解しかねる、考える時間をくれ」
「おう。刺客失敗で命を狙われそうってなら、俺に殺されたぐらいの偽装工作と身辺整理はしといてくれよな。顔変えて正規ルートで就職面接受けてくれ」
「……そうさせてもらう」
そういうと刺客連中は去っていった。
別に空間転移するわけでもなく傷を庇ってひょこひょこ歩いて行くのシュールだわ。
いや、なんか漫画とかだとこういう時も一瞬で姿消すからそれを思うと「ああ転移とかできない現実路線だとそうなるよな」とは思うのだが。
取り込めそうな刺客を取り込みつつ、ロッゾの関係各所にはグランベルおじいちゃん経由でお手紙も出している。「新参者ですがよろしくお願いします。ところでグランベル翁の許可はとってあるので俺の下に付きませんか。早めに付いてくれれば厚遇しますよ」みたいなニュアンスの文面で。
文面はグランベルおじいちゃんにOKをもらっている、というか文面はおじいちゃんから指定があった。
勢力の継承が目的で、おじいちゃん的には素直に俺についてくるにしてもグランベルの下に残るにしても逆らって別派閥に行くとしてもどれでもよいみたいな感じ。
雑じゃね? と思うけど結局ロッゾ一族内で完結してるから世界への影響力としては大差ないし問題ないらしい。こわ。
あとこの文面OK出してる時点で婚約許可みてえなもんじゃねえかとは思うが、権力の掌握ができなかったらやっぱダメよとも言われかねないので頑張らなければならない。
偉い人の家への婿入りって大変。
●
グレンダ・アトリーという女の人がいる。
異世界人で、美人さん。『
グランベル翁の部下で、マリアベルのこともよく知っているとの事。すげえ重要人物じゃん。
「今度からアタイの上役になるってのが、アンタかい?」
「こちらもそう聞いてますね。よろしくお願いします。裏組織『イツァム・ナー』の表向きの統率役を任せたいと思っています」
今はそのグレンダとの顔合わせの時間。威厳が感じられそうな感じで挨拶したつもりだったのだが、グレンダの次の言葉で俺の努力は破壊されることになる。
「わかった。アンタのことはお
「そりゃ好きではあるけどさあ!」
初対面ペド扱い、酷くない? 酷い(確信)。
「ま、アタイは上の性癖なんて気にしない。
適切な報酬さえ出してくれるんなら裏切りもしないさ、きちんと割に合う仕事をおくれ」
「あっ、うん……」
この人つよい。ちょっとかてない。
まあでも口が多少悪かろうと裏切らないなら良いか。
臆面なくペド扱いしてくるところも含め、王を嗜める
●
裏組織「イツァム・ナー」は基本は弱者救済の侠客組織として立ち上げた。
西側だけでなく帝国方面にもその手を伸ばしていく予定。
たまに暴利を貪る金貸しにカチコミを掛けたり、商隊・大店を狙った大規模強盗団を潰したりするが、それがたまたまロッゾ一族の敵対勢力、あるいは俺の敵勢力由来だったりすることが多くなるだけ。
俺との繋がりは一切ありません!(すっとぼけ)
名前の由来? どこかの神。詳細は忘れた。イグアナみたいな姿をしてるというのは覚えてたので、組織のシンボルマークはイグアナの横顔だ。まあドラゴンに間違われてるけど。
そんなこんなで、「ヤマス」は裏表両面での立場を得つつある。
が、勢力拡大しようとするのは俺だけではなかった。
「"四ヶ国通商同盟"〜?」
「
まーたリムルか。でもこれはリムルっぽくないな、ミョルマイルか。
だから
ないものねだりでした。失礼。
「表向き観光地の
「ブルムンド王国は改革したのよ。農業を廃止、食料自給を完全放棄してまで
「バカなの?」
「それが馬鹿とも言い切れないのよ。国家が国内全ての土地を管理する制度を実施、
「人材についてはどうなの?」
「あの国、元々裏社会にも通じてるのよ。それでなくとも
マリアベル、心底嫌そう。そこまで情報掴んでるってことは内通者はいたと思うんだけど、工作とかは無理だったんですかね。
「妨害工作はやったわ。でもあそこは絶対王政だからドラム王がやるといえばそう動かざるを得ないのよ。クーデターを仕掛けても
クーデター仕掛けさせることはできたんだ。すごいな。
「結局思い通りに動かれてるんだから何もすごくないわよ……」
「ま、裏社会は相変わらずこっちが握れそうなんだ。それでよしとしよう」
「そうだけどぉ……」
それに連中、多分重要なことを忘れてそうなんだよな。
「
「……そうね。各駅舎はこの世界視点では豪勢なものを作ってるし、
でも、
「じゃあ決まりだ、駅予定地付近の土地を抑えて百貨店とスーパーマーケットを作ろう」
「そうね、それがいいわよね。土地はもう抑えているわ」
マリアベルも当然知ってたな。
そう、鉄道グループの利益の大半は鉄道事業ではなく小売と不動産業でできている。しかしリムルは知らんようだな……!
そこもちゃんとシエルさんに聞いとけ案件。
まあ頼るなって言ったの俺たちだけどなワハハ!
もはや遅いですがあけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
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