やってきました西方諸国はシルトロッゾ王国。
ルートとしてはジュラからファルムスに戻り、そこからシルトロッゾに入った感じ。
シルトロッゾは
たしか首魁の1人であるマリアベル転生モノをハーメルンで見た覚えあるんだよね……? いや、違ったっけ? なんだ記憶の混乱かあ? やめてくれよ(絶望)
うーん、外見も
多分好みはメチャクチャ分かれるんだけど、俺としてはお口とお目目がとても良き。なおかつ冷酷で頭がいいとかとてもいいと思います。小学生並みの感想だな。でも男って好きな女の前だと小学生みたいになっちゃわない? 俺だけか。そうか。
でもマリアベルさあ、ほっとくと死ぬんだよな、慢心して。そうなるなら救いてえ〜〜〜。メッチャ救いてえ〜〜〜!
なんなら異世界転生者同士仲良くしてえ〜〜〜!
リムルとはもうどうしようもないけどマリアベルは可能性ないか!? ねえ! どうなの世界の言葉さん! 返事はない。知ってた。
まあ普通に考えたら叶わないんだよな多分。【
おいおい待て待て、なんの冗談だ。
「ごきげんよう。少々貴方の時間をいただきたいのよ」
金髪幼女が、そこに居た。
アイエエエ!? マリアベル=ロッゾサン!!? マリアベル=ロッゾサンナンデ!?
●
馬車に乗って話を聞くと、なんでも暴風竜ヴェルドラの復活の気配から日を待たずしてジュラの大森林方面からのこのこと単身旅をしてる推定武芸者、つまり俺のことが気になったらしい。何か情報を持っていないか、との事。
ええ……何この嗅覚と行動力……こわ……。
もちろん、対面に座るマリアベルの口から語られたのは「シルトロッゾの重鎮が気にしている」という名目の上での言葉であり、メッセンジャーを装っている体だった。
だが俺は知っている。お前も十二分に重鎮じゃろがい、お前姫じゃろがい、と。なのでこれはマリアベルの手のものの監視に、割と前から引っかかっていた、ということ。全然気づかんかったな。
あと今のマリアベル、内容としては一つも嘘をついてないから、言われた言葉を嘘か真実かを見破るだけのシンプルな看破系スキルが効きませんね。いや、そんなもんあるか分からんが。
方々に張り巡らせた監視の眼から伺える注意深さ、自分の外見が油断を誘えるという確信、強スキルをもっているから負けることはない、という自信。やべえよやべえよ。まあこれらには慢心もセットなのだが、さすが10年早く産まれていたらリムルに勝っていたと原作者からお墨付きをもらうだけはある。ムーブが強い。しかも俺の権能による敵対も気にしてない風。ああ、根本的に相手を信用してないから演技ができるのか。すべて支配するタイミング待ちと。
マリアベルの耳元に口を寄せ、こっそりと小さな声で囁く。
「ユウキ・カグラザカは貴女より大きな欲望を持っている。その欲望が大きすぎて、貴女の欲望による支配はできていない」
「……!?」
「加えて、『
「……貴方、何者?」
パチリ、とウインクすればギリリ、と歯軋りするような顔でコチラを睨みつけてくる。
よしよし、パーフェクトコミュニケーション。相手の知らない・想定してない内容をおもむろにぶつけるのはいつの世も策謀系キャラ特効だ。
俺は「ルーツをこの世界に持たない、貴女と同じ転生者。そしてこのままであればこの世界を支配してしまうであろう、かの魔物たちの国
よし! 強キャラムーブが決まった! かっこいい! 内心垂れ流されてたら道化だけど!
●
「リムル=テンペストの脅威は配下の魔物に全て自身で名付けを行っていることによる強固な組織力、それを下地にした事業を成功させた実績と甘い理想を実現させるだけの実力からくる求心力、そして異世界転生由来の発想力に由来する。貴女方が裏で動いていたファルムスを使った計画、ヒナタ=サカグチをリムル=テンペストにぶつけている間に
あかん初手が情報提供のつもりが割と盛大に愚痴になってる、これ肉体にちょっと引っ張られてるな。しかも話してる途中気づいたが、たぶんこれマリアベルは言われなくてももう解ってそうな内容だ。
「……わかっている、わかっているのよ。あれは威力偵察なの」
「威力偵察、か。それに参加して最終的に俺以外チリ一つ残らない全滅となった上、相手の被害は実質ゼロどころかむしろ国力を大いに上げているときたら、作戦立案側への愚痴の一つも言いたくなる」
「ああ、アナタファルムスの騎士でもあったのね……」
はじめてしりました、ごめんなさいみたいな顔しても意味ないよ、かわいいけど。俺はもうそっちはそんな程度のことはあらかじめ調査済みだと想定してる。おっかないおっかない。
「まあ、今頃ファルムスは
「……悪魔の最上位は
「受肉直後ならそうだが、名付けが起きるとな。いずれはさらに上の階級になるだろうし、
そう、
「見てきたように言うのね」
「見たからな、前世で」
事実はあっさりしたものだから、言葉もあっさりとしたものになる。
「……呆れた。嘘はついてなさそうな上、そのくせ私への敵意を感じるし、更にリムル=テンペストなる存在とあのユウキ=カグラザカを敵と言って憚らない。しかも欲が生きたい?支離滅裂なのよ」
「生存欲求は生き物の当然の欲だ。貴女が奥の手の一つにしてるのもそのせいだろう」
「……はあ。本当にどこまで知っているの?」
「このままでは貴女が死ぬことを知っている」
真面目に見つめる。
「気持ち悪い、気持ち悪いのよ」
「これはすまない。だが、本気は受け取れないか?」
こちらの問いに、マリアベルが答える。
「私は善意を信じない。そんなものより、踏み付けにして、利用して、他者を出し抜く"強欲"こそを信じる」
まあ、そうだよな。
けどなあ、この極端な思考、めちゃくちゃ裏がありそうなんだよ。指摘してみるか。
「そうか、だが
「ない、ないのよ。そんなことあるわけないのよ。これはあくまで私の"強欲"」
「なるほど。だが
「……!?」
現時点ではリムルの『
「……え……え……?」
「そんなこと想定もしていなかったって顔だな。でも、
「私は……私の……でも、私は前世でそんなこと……でもスキルがないから……スキルで……それならスキルが……? うそ、うそなのよ……」
「
マリアベルは黙り込んでしまった。考えを整理する時間が必要だろう。しばらく口は挟まないでおこう。
乗り込んだ2人が黙り込んだまま、馬車は進む。
未来はどこに進むかわからない。
まあ、俺が死ぬのはほぼ確定みたいなもんなんだけど。
●
目の前の男からもたらされた情報は、
商人として、情報の価値は見過ごせない。
「……ひとつ聞く。貴方は」
しかし、目の前の男は
「何がしたいのよ?」
けれど。
ピントのズレた回答からしっかりと読み取れたその"
"強欲"を
「とりあえず貴女に生き残ってほしい、かなあ」
「やるかやらないか」で検討して「やる」と判断したので、
マリアベル、遭遇です。
マリアベル転生もの確かに前あった気がするんですが検索して見つからなかったんですよね、どういうことだろう。
あとしれっとユウキに対しても自分から敵対宣言するマン。本人に言ったわけじゃないけど。
こいつ、先を何にも考えていない……!(だって最低でもweb版でラスボスだし、書籍版でマリアベル殺すらしいしなあ、ぐらいの考え)
「10年前に産まれていたら勝っていた」「慎重だったら勝てた」合わせて考えたら「大罪系スキルの自我」が関連してそうだと思ったのでこういう展開が思いつきました。穴はあると思います。先のプロット?ないと思います。
まあ、どれだけ交渉クリティカル刺そうがどいつもこいつも主人公のことは敵だと思ってるんですけどね!
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