転生したらスライムの敵だった件   作:一宮 千歳

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ここから独自設定、大きめの原作改変が入っていきますのでご容赦ください。


訓練準備

「ノーカラテ、ノーニンジャ」という言葉がある。

これは名作にして迷作、ニンジャスレイヤーに出てくる言葉で、転スラ世界の概念に一部修正するなら、いかに強力なスキルや魔法、アーツを持っていても基本的な身体能力の鍛錬を怠ったものは敗北するという教えだ。

俺の場合、『思考加速』で認識はできても対応するための身体能力がなくてガードしかできなかったという経験もある。また、『料理人(サバクモノ)』の『確定結果』任せで味以外に頓着しないヤバい見た目の飯を出す現時点のシオンも、スキル任せはよくないというのの典型例だ。

つまり、ノーカラテ、ノーニンジャは普遍的概念。いいすぎか。いやそんなことはない。

 

その上で。「『思考加速』だけは神レベルの究極能力(アルティメットスキル)の標準装備」という俺の原作知識を合わせると、基本的な身体能力が多少あっても所有スキルによる足切りはあるのではないか、ということになる。これはユニークスキルが究極能力(アルティメットスキル)に通じないとマリアベルにたびたび言ってるやつにも通じる。

 

まあ、結論は身体能力もスキルもどっちもしっかり鍛えよう、である。言ってみれば普通のことなのだが。

そしてこれを(まあノーカラテ、ノーニンジャという言葉は使わなかったが)マリアベルに説明したところ、理解が得られた。頭の回転が速いので話がすぐまとまる。好き。

 

「それで? 身体能力の強化とスキルの修練が強さの両輪だということはわかったのよ。けど何をするの? どういう目的で?」

「俺とマリアベルで戦闘演習だな。目的は2人で訓練して推定グランベルが到達してる聖人への進化を目指す」

「……正気で言ってるのが狂気なのよ」

 

褒められた。いや褒められてねえな。まあどうでもいいわ。

 

「つってもなあ、俺の記憶が正しければ聖人でようやっと覚醒魔王、現状の十大魔王の上の方、およびリムルと同格扱いなんだよ。魔国連邦(テンペスト)を仮想敵にして武力面でどこを目指すかといえばそこしかないだろ、残念ながら」

「……頭が痛いのよ」

 

そして馬車はシルトロッゾ王国の大きめの街に到達した。

 

 

マリアベルの用意してくれた宿(一応マリアベルが支配済み)を拠点におとなしく生活していたのだが。

マリアベルと遭遇して3日後に、再度マリアベルが訪ねてきた。

 

「お爺様1人に対して私とあなたの2人で模擬戦をする約束を取り付けたのよ」

「待て待て待て待て待て待て」

 

どうしてそうなった。いやほんとにどうしてそうなった!?

 

「どうしてって、『魔国連邦(テンペスト)の強さを目の当たりにしながらも、魔国連邦(テンペスト)から支配を受けていない唯一の生存者の元ファルムス王国騎士、ヤマスと接触した』『魔国連邦(テンペスト)が想定以上に強大であることがわかったので、ロッゾとしては一度対魔国連邦(テンペスト)は雌伏の時を過ごすのもやむなしと考える』『また、『強欲者(グリード)』で支配出来ていたはずのユウキ=カグラザカはなんらかの方法で支配を脱したため、今後はロッゾの敵となりうるものとして最大の警戒が必要』『ヤマスはユニークスキルによりあらゆる者と敵対せざるを得ない状況になっているが、それを逆利用して『人の世の敵』と振るまってもらうことで人間勢力を一つにまとめ上げられるし、そのように合意を取り付けた』と伝えたのよ」

「オイ最後ォ!」

「でもそう言わないと見限られて死ぬわ。ソウゴも私も」

「オイお爺様ァ!」

「お爺様、なんて言ったと思う? 『その身を賭して人の世を導こうとする意志、気に入った、ワシ直々にお前たちを指導してやろう』ですって……ああ、会ってプラスがあるとは思えない、っていうのももちろん伝えたのよ?」

「……それについてはなんと?」

「『それはワシが決める』ですって」

「アッハイ」

 

えー。……いやでも、推定とんでもない格上が指導に付き合ってくれるのか。たしかクレイマン配下の名前覚えてない人がスピンオフ作品で短期間で原作並みの強さになってたってことだから、モチベと特訓相手がいれば強化に必要な期間は短縮できる。普通に大チャンスなんだよな。よし、プラスに考えよう、プラスに。

 

 

翌日早朝、こっそりと宿を出る。

夜逃げのように出なければいけないのは気が引けるが、支払い気にしなくていいのはいいね。

特訓場所として指定されたのは宿のある街の、地下闘技場。

本来は賭け事に使われる裏の施設に招かれた。

 

そして、地下闘技場の中心に目録と共に置かれたのは特質級(ユニーク)装備一式でした。

これくれるの? 本t

 

「"霊子崩壊(ディスインテグレーション)"」

 

男の声と、装備に触れようとした瞬間に地から天井に向かって解き放たれる七条の光芒。

すんでのところで回避したが回避できなかったら右肩まで吹き飛んでただろうな。

ていうか訓練ってもう開始済みみたいな感じ? そういえば場所しか指定されてなかったね。じゃあおもむろに仕掛けられた罠に対する警戒度を見られてたってコトネ? OKそういうの嫌いじゃない、自分が対象になるとは思ってなかったけど。

あと、地下でそんななんでも破壊しちゃうような魔法ぶっ放して大丈夫かと思いきや、天井付近で消失している。オイオイ、効果範囲の調整もお手のものか……? 格が三つ四つくらい違うくねー?

 

「ああ、心配しなくていい。特質級(ユニーク)なら別のものを与える予定がある」

 

マリアベルと共に現れたのは髭のおじさん。

ふーん、アンタが私のプロデューサー(訓練相手)? 思ったより声若くなーい? やっぱ数百歳ともなると常識が通用しないね。

 

「察しの通りワシがグランベル、グランベル=ロッゾ。シルトロッゾの王、またロッゾ一族の長。西方諸国評議会(カウンシル・オブ・ウェスト)五大老の一角であり、そして、元"光"の勇者である」

 

えっ勇者なの。聞いてないんだけど。聞いてないからね。

 

貴様は勇者になり得ない(・・・・・・・・・・・)。が、勇者のやるようなことを宣う。それは何故だ?」

 

いやあ、そうやって聞かれたらさあ。

 

「特別な誰かじゃないと世界は救えないなんてのは間違ってるだろ。平和が成り立つ理由は世界に住む人々の努力の結果であるべきだ。そのために敵が必要なら俺がそれになってやる」

 

いやほんとは生き残りたいけどねえ! あっマリアベルが呆れた顔してるゥ! でもカッコつけたいもん!

 

「よくぞ吠えた。なるほど覚悟はできている様子、殺す気で稽古をつけてやるからかかってくると良い。マリアベルはサポートに回ってやれ」

「……はい、お爺様」

 

……殺す気で、の修飾の位置おかしくなかったですか? 正常? そんなー。




生きるため、生かすために必死で善良な"人"の存在を自らの"希望"から知らされたことでグランベル=ロッゾが感動し、人の心を少し取り戻しました。

理由が雑ゥ? いいんだよグランベルみんな好きだろ! 好きなキャラは軽率に救っていこうぜ!
ソウゴくんは人間転生でよかったね! 人を救えたぞ!

ソウゴ「あの、他作品みたいにリムルと仲良しでテンペストの一員が良かったです」

よかったね!

ソウゴ「アッハイ」

なお、(リムル視点)では魔王達の宴(ワルプルギス)中。ギィとかルミナスたちも動けないタイミング、だからグランベルが自ら動けるんですね。動くな。

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