とあるアストル(厄災の黙示録)の女神創造 作:ネシエル
大妖精の森の空にて
アストルは龍の姿となり、瘴気に満ちた森を見下ろしていた。
その目に映ったのは、禍々しい瘴気に包まれた巨大な蕾。
やがて、その蕾の前で瘴気が渦巻き、肉塊を形作る。
それは次第に人型へと変貌し、異形の姿を露わにした。
「あれは、カースガノンか!」
アストルは驚愕し、
その下でリンクが剣を構えた。
蕾から現れた怪物は、
全身を植物に覆われており、
まるでガノンのような姿をしていた。
しかし、肩には大きな花弁が生え、
そこから煙が立ち上っている。
赤く光る目が、不気味な威圧感を放っていた。
「いや、これはカースガノンとは違う…。
花のカースガノンとでも呼ぶべきだな」
アストルの言葉を裏付けるように、
花のカースガノンが耳障りな叫び声を上げた。
そして、その大きな体を揺らしながら、さらに濃密な煙を辺り一帯に放出する。
「ふうううう!」
アストルは大きく息を吹きかけ、その煙を一掃した。
その一瞬の隙を逃さず、リンクがマスターソードを構えて突進する。
「!」
花のカースガノンは反応し、鋭い拳を振り下ろしてリンクの攻撃を防いだ。
剣と拳がぶつかり合い、凄まじい衝撃波が周囲に広がる。
互角の戦いが繰り広げられる中、リンクは徐々に敵の動きを見極めていく。
勝機を見つけたリンク
「はああああ」
やがて、リンクは花のカースガノンの隙を見つけた。
花のカースガノンが大きな拳を振り下ろし、
地面に大きなクレーターを作った瞬間だ。
拳は地面にぶつけ、地震と共に
大きなクレーターが生み出した。
当たればひとたまりもない、
攻撃であった。
ぶつければ、リンクさえ一撃で仕留めたかもしれない。
しかし、リンクはとっさの判断で飛びあげ、
空中で一回転し、マスターソードの刃は
花のカースガノンの頭部へ打ち込むことに成功した。
「キィィィィィィ!」
マスターソードは頭部を真っ二つへ切断し、
リンクは地面へ着地しその場から離れた。
カースガノンは機械のような断末魔が響いた後、
上空から大きな雷がカースガノンへ直撃した。
「が、がが」
声を司る部分は消え、
焼け焦げになったカースガノンに再生しようとする瞬間
リンクは隙を見逃さずとどめを刺す。
首、足、腕、胴体を次々に切断し、
再生能力を凌駕する猛攻を繰り出したリンク
やがて、花のカースガノンは完全に力尽き、
瘴気の霧とともに消滅した。
▲▲▲
霧の晴れる森
「えげつないな…」
アストルは呆れたように言いながら地上に降り、
龍の姿から人の姿に戻る。リンクは黙ったまま、
花のカースガノンの消滅を見届けると、静かに振り返った。
「別に悪いとは言っていない。
ただ、敵に対して容赦がないな。
いや、その性質こそが、この世界を救った理由かもしれない」
「・・・うん」
『反応した?
今は肯定でも否定でもなかったな。
ますます、感情がねばえている。
これは、いい傾向かもしれない』
瘴気は消え、煙、否、霧は晴れていく。
大妖精の蕾に纏わる瘴気も消え、綺麗な花弁へなっていく。
花弁は開き、美しき湖が姿を表す。
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