一度は折れた魂で少年は本物を守る   作:ノ ル

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番外編後編です
お待たせしましたm(_ _)m


どんな子供にも母親は必要だ(後)

オイ、イタカ?………イヤ、アッチヲサガソウ。

 

 

「行ったぞ」

 

「……」

 

「おい、行ったぞ」

 

「…」

 

「行ったと言っとろうが!」

 

「そんなとこ隠れられっかァァァ!!」

 

「あ、やっぱりそっちに隠れたのか」

 

「元からそんな所に隠れれるわけねぇだろ!お前バカか?馬鹿なんだろ!」

 

あのあと、托鉢に分した材木座の後ろの塀に隠れていた八幡は材木座に呆れながら言った

 

「八幡、アレはおそらく樫本屋の手のものだろう」

 

「何か知ってんのか?」

 

「樫本玄道という男は曲者でな。チンピラ共を援助する代わりに、奴らを裏で操り今では1商人とは思えんほどの権力を有してるらしい」

 

「なんでそんなヤツの孫が俺ん所に…」

 

「まさか貴様、玄道のところの娘とニャンニャン」

 

「ニャンニャンってなんだよ!古いんだよテメェは!!」

 

「では、チョメチョメ」

 

「チョメチョメも古いわ!」

 

古いボケを2度もする材木座にツッコミを入れる八幡

 

「それより八幡、下を見てみろ」

 

「下?」

 

言われたように見てみると、八郎が漏らしていた

 

「おいィィィイ!背中で漏らすんじゃねぇ!」

 

 

 

 

 

《とある会社》

 

色々な職場を転々とした長谷川泰三は今度は使用人になっていた

 

「クソ!使用人なんてやるんじゃなかった!ババアにはあそこ見られるし、その上左曲がりって馬鹿にされるし、可愛いメイドなんて居ねぇしよぉ…」

 

長谷川が愚痴を言っている時、廊下の奥から声が聞こえた

 

オイ!…ハヤクアルケ!!

 

「アレは…確か美代ちゃんって子じゃ…(…こいつは長居するとこじゃなさそうだなぁ)」

 

「だがこの仕事辞めてどうする?またプー太郎に戻るのか?」

 

「(そうだ。俺はいつも、ちょっと嫌なことがあれば仕事変えて、俺は逃げ癖が付いてるんだな)」

 

「その通り、まるでダメな男,マダオだ。そうだタヒのう」

 

「いやいや『そうだ京都に行こう』じゃねぇんだから。(あれ?このやり取り前にもあったような…)………って八さん所の妹と坊主じゃねぇか!!」

 

「川崎大志ッス」「小町は比企谷八幡の妹の比企谷小町です!」

 

2人は長谷川に自己紹介をした

 

「おじさんは長谷川泰三だ。よろしく」

 

「よろしくお願いします、マダオさん。ところで…ここで何してるんですか?」

 

先程のやり取りチャイナ娘を思い出した

 

「何ってここの使用人をしてんだよ」

 

「へ〜。じゃあ、ここの間取りとか分かります?」

 

「そりゃあ、ある程度は分かるけどそれがどうしたんだ?(なんか前もこんな事あったな…嫌な予感)」

 

長谷川がそう思うのも無理もない。なので早々に去ろうとするが……

 

「それじゃあ、俺は仕事にも「長谷川さん、ちょっと案内してほしいッス」どれないのね…。」

 

失敗した長谷川は諦めて同行する事にしたのだった。

 

「仕方ねぇ、どこに行きたいんだ?」

 

「さっきの女性が連れていかれた場所へ…」

 

 

 

 

 

 

「ダァ。」

 

「お、右曲がりか将来、大物になるぞ?」

 

「まぅ!」

 

「なんだ?漏らしたくらいで落ち込むなよな。人生そんな時もあるさ。……ったく、父親に間違われたり誘拐犯に間違えられたり、今日は厄日だね」

 

「だぅ!」

 

「悪ぃ悪ぃ、お前の方が厄日か。お互い大変だな。でも生きてりゃなこういう日もある。人生の大半はこんなことばっかりだよ。でもな、こういう日の終わりに飲むマッ缶は美味いんだよ。お前ももう少し大きくなったら飲ませてやるよ」

 

 

……行くか

 

 

 

 

 

「だから、社長に会わせろって言ってんだよ」

 

「失礼ですが、アポは取られていらっしゃいますか?」

 

「アポ?なんだそれ、禁断の果実ですか?アポゥ」アポゥ

 

「アップルじゃねぇよ。なんでそこだけ英語なんだよ」

 

「あーあ!この国はどうなるんだろうな!!」

 

「ちょっと!騒がないでください!」

 

ドォォン!!

 

上の階で大きな音がした。八幡はその隙にエレベーターに乗った

 

「ちょっと!勝手に入っちゃ困ります!」

 

「アポゥ」アポゥ

 

 

 

 

《長谷川side》

 

それから色々あって

 

「お美代ちゃん、アンタ若いのに苦労してんだな。それにしても玄道って野郎はとんでもないゲス野郎だな」

 

お美代の話を聞いた長谷川が号泣していると、玄道がチンピラを連れて来た。

 

「ゲスはその女だ!私がどんな思いでこの樫本屋を守ってきたか分かるか!泥水を啜り、汚い事にも手を染め良心さえも捨ててこの店を守ってきた」

 

「源次郎さんは、貴方のそういう所が嫌いだった!何故そこまでこの店に執着するんですか!」

 

「黙れ!女に何がわかる。この店を保つためなら私はいくらでも手を汚せられる!掛かれ!」

 

玄道の周りのチンピラが向かってきたその時、エレベーターが開いた

 

チーン、ドアガヒラキマス

 

その中には赤ん坊を背負った八幡がいた。

 

「お〜う、社長室はココかい?これで面会してくれるよな?アポゥ」アポゥ

 

 

 

 

 

 

 

「なんか面倒な事になってんな。小町、30字以内でここに居る理由も含めて簡潔に述べろ」

 

ちょうど小町が居たので、聞いてみる八幡

 

「ん〜無理だね。お兄ちゃんこそ30字以内で簡潔に述べてよ」

 

「無理だな」

 

「オメェは馬鹿かぁ!!わざわざ敵陣にガキ連れてくる奴があるかよ!」

 

「なんだ?人がせっかく助けてやったってのによ?なんで居んだよ。30字以内で簡潔に述べろ」

 

これまた何故かいる長谷川に聞く八幡

 

「うるせぇ!あのジジイはその赤ん坊を狙ってんだよ!自分の息子が孕ませたこの子を足蹴にしときながら、息子が死んだらその子供を奪って跡取りにする気なんだよ!」

 

説明してくれる長谷川

 

「せっかくガキ返しに来たってぇのに、無駄足だったようだな」

 

「無駄足ではない、その子は私の孫だ。樫本屋の大事な跡取りだ。こちらに渡せ」

 

「俺は解放されるならどっちでもいいけどな。お前はどうだ?「まぅ!」……なに?残念だがこの子は、臭ぇジジイと居るくらいなら母ちゃんの方が良いってよ」

 

そう言ってお美代に赤ん坊を渡す。すると玄道は怒ったように言った

 

「逃げられると思っているのか!こちらにはまだ手駒が居るんだぞ!」

 

その時、後ろのシャッターが切り裂かれ盲目の男が現れた

 

「盲目の身でありながら、居合を駆使しどんな獲物も一撃必殺で仕留める殺しの達人。その名も岡田似蔵。“人斬り似蔵”と恐れられた男だ。似蔵、八郎の所在が分かればこちらのものだ。全員叩き斬れ!」

 

「お兄さん、そいつは居合の達人っス。間合いに入っちゃダメっすよ」

 

大志がそう言ったその瞬間、2人は踏み出し肩を斬られた八幡が膝を付いていた。

 

「お兄ちゃん!(お兄さん!)(八さん!)」

 

「おやおや、しっかりと抱いていないとダメじゃないか〜。」

 

似蔵はそう言ってすれ違いざまに奪い取った八郎を玄道に渡す

 

「さすがは居合の達人と名高い似蔵だ、孫も取り返した事だ。高みの見物といこうじゃないか」

 

「悪いねぇ旦那。そうも言ってられないみたいだ……ガキ連れて早く逃げな」

 

似蔵の頭から血が流れる。すると玄道に抱かれている八郎が暴れ出す

 

「こら、暴れるな!?」

 

「おいおいだいぶ嫌われてんなぁ、孫には普通好かれるもんだ。あんた爺ちゃんの資格ねぇんじゃねぇの?」

 

「うるさい!おい、似蔵!早く始末してしまえ!」

 

「小町、他の奴らを連れて先に行け」

 

「でも!?」

 

心配そうにこっちを見る小町の頭を撫でて言う

 

「大丈夫、俺は小町の兄ちゃんだぜ?あの盲目野郎ぶっ倒して、必ず行くからよ!」

 

小町は何かを決意した顔で他の奴らを連れ玄道を追う

 

「必ず戻ってきて!」

 

そう言ってドアを通っていく

 

 

「良いのか?できない約束なんてするもんじゃないよ」

 

「こう見えても俺は律儀でな。一度言ったことは必ず守るさ」

 

「クックック…つくづく面白い男だねぇ。あの男にそっくりだァ。」

 

「誰だよそいつ。知らねぇな」

 

「俺は若ぇ頃に病で目をやっちまったが、人間ってのは存外タフな生き物でねぇ。失った目の代わりに他の機関が補おうとしやがる。おかげで今じゃ鼻も耳も勘も前より効くようになっちゃって、俺の全身は目玉さね。あんたは見た事あるかい?人が〇ぬ瞬間のアレを、ひょっとしたらあれが魂なのかねぇ。やった瞬間にポワッとこれがまた綺麗でねぇ。追いかけてたら人斬りとか言われちゃって。なぁ、あんたの色は何色だい?」

 

似蔵の話に呆れながら言う八幡

 

「ハァ…全身目玉だか目玉の親父だか知らねぇが、テメェの魂の色くらいなら俺にも見えるさ。うんこ見てぇな汚ぇ色だ!人きりなんてする奴は、他人の痛みも何も見ようとしねぇクソ野郎だけだ。全身で見えてても、テメェの魂は何も見えちゃいねぇ」

 

「試してみるかい?」

 

「来いよ。その頭、ぶん殴ってでも正してやる」

 

次の瞬間、似蔵は抜き身を見せない瞬足の抜刀術で八幡を斬り倒れたかに見えた

 

「来いと言うから言ったがねぇ?ちと早すぎたかねぇ。見えてないのはあんたの方だったねぇ……なに!?」

 

振り返るとそこに倒れている筈の八幡は居なかった

 

「おいおい、どうした?俺が死ぬ幻覚でも見えたか?」

 

「馬鹿な!確かに斬り捨てたはず!」

 

「あ?斬られてねぇから立ってんだ。だから言ったろ?テメェの魂は何も見えちゃいねぇってな。もうちょっと見開いて生きろ!このタコ助!」

 

警棒を上げて言いながらぶっ叩く八幡

 

 

 

 

 

【長谷川side】

 

 

 

玄道とお美代とのやり取りを遠目で見る長谷川

 

「フゥ〜、やっぱり母親には適わねぇな。母は強しってやつ?」

 

「なんでオムツなの?あんた」

 

 

 

《夜》

 

話をしている長谷川達を他所に、酒を飲む八幡とミルクの八郎

 

「ぷはぁ、どうだ?うめぇか?」

 

「まぅ!」

 

「なに!ミルクじゃ物足りねぇってか?おいおい、おめぇにゃ100年早ぇよ?酒は色んなところに毛が生えてから飲むもんだ。」

 

「まぅあ」

 

「そうさなぁ、お前がもうちょっと大人になって、俺の事覚えてたら、また会いに来い」

 

「すぷぅ?」

 

「おう、約束だ。侍は出来ねぇ約束はしねぇんだ。せいぜいいっぱい笑っていっぱい泣いて、早く大人になるんだな。待ってるからよ。……小町、帰るぞ」

 

そう言って立ち上がり歩き出すのだった。いつの日か再開し酒を酌み交わすことを夢見て……

 

 

 




今回はここまで。
どうだったでしょうか?
描き始めたのは年末だったので結構かかりましたね

感想やリクエスト等あれば、
コメントへお願いしますm(_ _)m

また次回もよろしくお願いします

ヒロインどうしよう…  

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  • 川崎沙希
  • 長谷川泰三(全力ネタ路線)
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