Archives   作:彼岸花ノ丘

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No.04 報告書

【サンプル001】

 全長36・2センチ

 全幅20・5センチ

 質量9・63キログラム

 現場で採取した生体部位。魚の鱗に似た形状をしている。色彩は光沢のある青。表面には粘液があり、別途採取済み。詳細はサンプル001―2を参照。

 質量から純粋な有機物ではなく、金属を多量に含むと推測される。断面は滑らかで、『垢』などのように自然と脱落した可能性が高い。

 以下採取組織に対して行った、試験の結果を記載。

・強度試験

 研究室の圧縮強度試験機(最大四十平方ミリメートル/ニュートン)を使用。最大圧力を加えたが変形を確認出来ず。これは強化コンクリート以上の頑強さである。

・強酸・強塩基に対する反応試験

 塩酸と水酸化ナトリウム溶液を使用。反応なし。

・電気試験

 反応なし。五万ボルトで電流を検出出来なかったため、極めて絶縁性に優れるものと考えられる。

・磁力試験

 反応なし。

 

 

 

【サンプル001―2】

 サンプル001に付着していた粘液。未知の糖タンパク質を検出した。粘液は電気に特別強い抵抗性はなく、簡易な実験器具でも分解可能。酸性や塩基性に対する特別強い耐性も確認出来ず。

 百度で水分が気化し、糖タンパクなどの成分だけ残る。ただし比熱容量及び熱伝導が極めて高く、蒸発させるには多くの熱量が必要。

 以上の事から、高熱から体組織を守る役割があると推測される。

 

 

 

【サンプル002】

 平均体長13・2センチ

 平均体重2・10キログラム

 現場にて採取された八脚の甲殻類。クモやダニに近い形態をしている。採取されたのは八個体。全個体が平均値から十パーセントの範囲内の大きさをしており、外見的特徴も均一。これらが幼体か成体かは不明。

 口器が特殊化し、針のようになっている。強度にも優れ、厚さ2センチの木版を貫通。詳細な強度は現在調査中。

 口器の形から吸血性の種と推定。採取した個体のうち七個体は既に死亡していたが、一個体は調査員を襲撃。防護服を貫き、右足の太腿部分を口器で刺した。刺した理由が吸血か、攻撃のためかは不明。

 甲殻は頑強だが、調査員の持つM16自動小銃により貫通可能。調査員を襲撃した個体も銃により殺傷している。ただし生命活動が停止するまでに十発以上撃ち込んだとの証言があり、死因については詳細な調査が必要である。

 刺された調査員は病院に搬送。失血多量による体調不良以外に異常はなく、一ヶ月後には全快。現在は経過観察を行っているが、三ヶ月時点で異常は見られていない。

 

 

 

【サンプル003】

 現場で採取した大気成分。全十三ヶ所で採取。

 いずれのサンプルでも酸素濃度、二酸化炭素濃度、窒素濃度に異常はない。メタン濃度が平均値よりもやや高い(人体への影響はない水準)場所が多く確認されたため、対象はメタンガスを放出している可能性がある。

 塩素ガスなど、人体への悪影響が懸念される気体成分は、一般的な大気と顕著な差異はない。一部地域でアンモニア濃度が平均値より著しく高い。原因は調査中だが、周辺に破壊された工場があるため、これらから流出した可能性が最有力候補である。

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