1話 銭形は燃えているのか…?!
ショッピングモールのとある廊下、辺り一面が火の海になっている。
そんな中俺は父さんの肩を借りてなんとか歩いている。父さんも怪我してるはずなのに俺と違ってちゃんと歩いてるし俺を支えてくれている。こんな暑い中でも汗もかかないのは凄いな。
そんな父さんとは対象的に熱さで頭がぼんやりするが脇腹の痛みで冴えてしまう。脇腹が痛くて息も絶え絶えになり、さらに足元もおぼつかない。
さらに段々息がしたいのに出来なくなって来た。精一杯呼吸しようにも痛みで出来ない。不思議な感覚に囚われて意識が遠くなり、瞼が閉じて来た。
「
聞き慣れた父さんの声でハッと目が覚めた
「……父さん、もうダメかもしれない…」
「何を情けないことを言っとるか!もうすぐ出口だ!だから意識をしっかり持て!」
俺を支えてる父さんの手にグッと力が入ったのを感じた。父さんは俺を本気で助け出そうとしてるんだ。
「平一、安心しろ。このワシが助けてやる!命に変えてもな!」
俺が父さんの息子じゃなくてもし赤の他人でも父さんはきっと同じことをやるだろうと考えると少し涙が出そうになった。父さんは立派な警官なんだというのを改めて実感した。
だけど、もう火の勢いはさっきよりも強くなってきた。このまま行けば父さんまで死んでしまう。そう考えた俺は歩くのをやめた。
「どうした?歩けなくなったか?」
「…いや、父さん…もういいよ、このまま、行けば、父さんまで、死んで、しまうよ…だから、俺を、置いて行ってくれ…」
「バカモン!お前を置いていけるもんか!だから……っ!」
そう言った父さんの手を振り払いなんとか父さんから離れた。立てる気力もないので力無く倒れてしまった。
父さんは即座に俺に駆け寄りしゃがんだ時に固まった。
「な、何故お前がここに!?」
一瞬何を言ってるかわからなかった。しかし、俺は父さんの目線の先を見てみるとそこには男がいた。
その男は緑色のジャケットを羽織っていた。顔は見ただけで誰かわかった。
ルパン3世だ。父さんの宿敵であり、世界を股にかける大泥棒だ。
俺は何が何だかわからなかった。何故ルパンがここにいるんだ?どういうことだ?
頭の中がこんがらがってきたその時
パァン!
と銃声が轟いた。その後に父さんはまるで木が倒れるかのように倒れた。
ルパンに目を向けるとそこには、銃を構えたルパンが立っていた。
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ハッと目が覚め、起き上がった。そこは火の海ではなく、自分の部屋だった。
息が荒くなっていた俺は少し落ち着きを取り戻した。
「また……あの夢か…」
今何時かと見ると時刻は午前6時。まだ起きる時間ではないがあんな夢を見ては2度寝なんか出来るわけもない。仕方なく起きることにした。
向かい側で寝ている同部屋のキンジはまだ寝ているので起こさないように洗面所へ向かった。
シャワーや歯磨きなど身支度を済ませてSNSを見てみるが絵師が描いたイラストや漫画があがってるが、いかんせんあんな夢を見たせいか気持ちが紛れない。
あれからもう2年は経ったはずなのにまだあの時のことが夢で、それも正確に覚えている。自分の記憶力がいいのかトラウマだからなのかわからないがうんざりするよ。
「ハァー…」とため息をついて俺の銃、M360Jを取り出して整備してみる。手作業ならまだ気が紛れるし、何もしないよりはマシだ。
銃を分解して掃除し、組み立てて作動確認を実施すると
ピィィン、ポォォォン……
ゆったりしたインターホンに気づいて玄関に向かう。ドアの覗き穴から覗いてみるとそこには白雪がいた。いそいそと小動物みたいに前髪直してる。まぁ可愛らしいなぁ。その姿を見て憂鬱とした気分は吹き飛んだような感じがした。
こんな可愛い子に慕われてるキンジは幸せもんだな。そう思いながらドアを開けた。
「おはよう白雪」
「あ、お、おはよう銭形くん…」
「キンジはまだ寝てるよ。今から起こすから上がりなよ」
「あ、ありがとう」
白雪はお邪魔しますと一礼し靴を揃えて上がった。俺はキンジの元へ向かった。こいつは相変わらず寝ている。彼女さん来てるのによくこんなだらしなく寝れるな。
「起きろ、白雪が来てんぞ」軽く揺するとキンジは起きた。
「んぁ…なんだよ…もう来てんのか」
「そうだよ。早くその寝ぼけたツラを直して彼女さんのとこに行ってやんな」
「いや、白雪とはそういう関係じゃねぇよ…」
そんなこと呟きながらキンジは白雪のところ向かって行った。
朝から重箱に朝飯詰めて通ってくる女が彼女じゃないってなんだよ。しかもこないだ白雪が合宿行く前は夕飯まで来たのに。こいつらいつになったら付き合うんだろうかと思う。
リビングに向かうと白雪は重箱の中身をテーブルに広げてた。たけのこの炊き込みご飯に鮭に卵焼き、さらにはミカンまである。キンジはそれをもう食べていた。
銭形くんも、と白雪に言われて俺もご馳走になった。炊き込みご飯は醤油の加減が素晴らしいしオカズも絶品だ。
「こんな美味いものを毎日食べれる旦那さんはさぞ幸せだろうなぁ。なぁキンジ?」
そうキンジに言うとキンジは飲んでたお茶を吹き出し
「そ、そ、そんな、キンちゃんが旦那さんなんて…」
「おい平一!お前なぁ!」
白雪は赤面であたふたするし、キンジは恥ずかしいのかわからないが何故か反応する。俺はこの反応を見るのが楽しくてしょうがない。
何せこんな平穏な日常はある日突然終わることがあるのを俺は経験したからだ。あんな思いはしたくないしさせたくない。
食事を済ませた俺達は身支度を進める。ホルスターをズボンのベルトに取り付けて、防弾仕様の制服に袖を通す。一人でやる俺とは対称的にキンジは白雪にやってもらってる。さらにはネクタイまで閉めてもらうとかこれもう夫婦だろ。
そう思いながら一人寂しくネクタイを閉めると
「キンちゃん、ダメだよ。銃は必ず持ってないと…校則で決まってるから。それに最近は武偵殺しとかがいるっていうから…」
「あれはただの模倣犯って話だろ?」
そんな会話が聞こえた。
「おいキンジ、白雪の言う通りだ。警察でも躍起になってるが今だに犯人はおろか被害者すら出てないんだぞ。それに話じゃ被害者は誘拐されてるって聞いてるぞ」
「そんな話聞いてないぞ平一。誰から聞いたんだ?」
「姉からだ。武偵殺しの捜査の主任だからな」
うちの姉は警視庁の管理官だ。俺が武偵をやってる身であるため役立つ情報を聞ける範囲で姉から聞いている。もっとも銭形家は代々警察一家なので警察には顔が立つ。今使ってる俺のM360Jも警察の払い下げで貰ったものだ。
俺と白雪から言われたのでキンジは渋々ホルスターをつけて銃を仕舞った。
「それにキンちゃんを今朝占ったら…女難の相が出てるって出たから気をつけないとダメだよ…」
「へぇ。キンジに女難ねぇ。なんか女の子とトラブルになるとかか」
「実は……銭形くんにも出てるんだよ、女難の相」
「俺に?」驚きの余り素っ頓狂な声で答えてしまった。
「キンちゃんにそれが出た時…その後に続けて出たんだよ、普通こういうのは一人ならまだしも2人連続だから…もしかしたら何かとんでもないことが起こるんじゃないかって…もしキンちゃんに何かあったら…ぐすっ」
占いはわからないが白雪は今にも泣き出しそうだった。キンジは宥めている。この反応を見る限りどうやら普通じゃあり得ないことみたいだ。
「まぁ……ネガティブな意味ではないかもしれないぜ?」
俺は場を和ませようとして言った。
「ほら、例えば………ラピュタみたいに空から女の子が!ってなって大冒険とか!」
まぁこれがのちにキンジ曰く予言だと言われた。
初めまして。
緋弾のアリアを読み返したらハマったのと来年ルパンの映画がやると聞いて書いてみました。
駄文ですがよろしくお願いします。