ルパン4世with銭形   作:メジロカイリキー

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15話 ダイヤモンドダストは死の香り

扉を開けた先はサーバールームだった。

 

「情報科や通信科が使ってる部屋ね…」

 

後から来たアリアが後ろから言う。

 

「ここなら銃使っても構わないだろう。アリアも銃を取り出しな」

 

そう言うとアリアはガバメントを取り出した。俺も十手をしまい代わりにニューナンブを取り出した。M360Jは理子に取られて以降行方不明になったため代わりに使ってる。

 

「早いところ魔剣(デュランダル)を見つけないと逃げられちまう。さっさと捕まえるぞ」

「その心配はないわ。魔剣(デュランダル)の狙いは白雪よ。白雪がここにいる限りは逃げる心配はないわ。それに…」

「それに何だ?」

魔剣(デュランダル)から見たらあんたは自分の策略を愚弄したって思い込んでるわ。奴はプライドが高いのよ。そうなると自分をバカにした平一を許さないってわけ。つまりあんたを殺すと決めてるはずよ」

「恨みを買われたってわけかい。やれやれ」

 

めんどくさい話になってきたな…だが逃げなくなったのは好都合だ。

 

「とにかく早く奴を探し出そう。出ないとキンジと白雪が危ない。二手に分かれて探すぞ」

「ダメよ。奴は複数人でいる時は一人ずつ誘き出して始末するのがよくやる手口よ。前はあたし、後ろは平一でフォーメーションを組んで行くわよ」

 

アリアと俺はサーバーの間の通路を警戒しながら歩いて行く。どこから奴が来るかわからないし何よりサーバールームに鳴り響く無機質な機械音が鳴り響くのが尚更警戒心を上昇させる。

魔剣(デュランダル)を早く見つけ出さねばキンジと白雪が溺れ死ぬ。しかしあるけどあるけど見つからない。焦りも生まれてきた。

奴は…どこにいる…そう考えていたら背中に何かがぶつかった。

振り返ってみるとそこには氷の壁が出来ていたのだ。

 

「あ、アリア!魔剣(デュランダル)だ!奴が出てきたぞ!」

 

声をかけるもアリアの返事はない。

 

「無駄だ…ホームズは気づくわけないからな…」

 

後ろから声が聞こえたので振り返ってみるとそこには甲冑を纏った銀髪の女がいた。

 

「お前が…魔剣(デュランダル)かい…」

 

俺は銃を魔剣(デュランダル)に構えた。

 

「その名前で呼ばれるのは好きじゃない…私には歴史ある名があるからな…貴様と同じように」

「何が言いたい?」

「貴様ら銭形は銭形平次から始まり200年その名は歴史と共に歩んできた…せいぜい200年な…私は600年もの間影として歴史を刻んできた…」

 

銭形平次の子孫であることを知っているようだな…

 

「お前は…何者だ!」

「我が名は30代目…ジャンヌ・ダルクだ」

 

ジャンヌ・ダルク……15世紀に起きた百年戦争でフランスを救った救国の英雄だ。最後は火炙りにされてたと聞いたが…

 

「火炙りにされたのは影武者ってことか…」

「その通りだ。我らはそこから600年影と共に歴史を刻んできた…我らは策の一族、影となり策略で長き時を歩み、自らを研鑽してきたのだ…200年のお前達とは違う」

「笑わせるな。歴史が長けりゃ偉いとは限らん。何が策だ。俺を孤立させたところでアリアはすぐに気づいてこっちにくるぞ」

 

ジャンヌは不敵な笑みを浮かべて手をかざした。するとそこにはアリアが現れたのだ。

 

「!?」

 

俺は目を見開いた。突如出たアリアをジャンヌは剣で一振りで消し去った。

 

「……空気を凍らせることで産まれる幻覚だ。ホームズは私の生み出した貴様の幻に惑わされて気づくことはない…」

 

おいおい中々チートじみてるぞこいつ…アリアの言う通り一人一人確実にやる気だ!

ジャンヌはゆっくりとこちらに歩み寄ろうとするので銃を再度構え治した。

 

「これ以上近づけば撃つぞ!」

「ふっ……やれるものならやってみるがいい…弾丸ぐらいなら止めれるぞ。それに…足元を見たらどうだ?」

「なっ……!?」

 

足元を見たらなんと左脚が凍っているのだ。そのせいで動けない。

さっきの幻といいこれはブラフやハッタリではなさそうだ…ジャンヌはさらに歩みを進めようとしたため俺は一発発砲した。弾丸はジャンヌの足元へと当たった。一瞬ジャンヌは歩みを止めた。

 

「脅しじゃない。次は当てるぞ。わかったらさっさと止まれ!」

「武偵第9条を忘れたわけじゃないだろう?貴様ら武偵は甘いのだ。貴様らに私は、殺せない」

 

ジャンヌはゆっくりとこちらにまた歩み寄りだした。それを見てジャンヌの横と顔を掠めるように二発撃った。

 

「ただの武偵の癖に、何を怯えてる?敵は私一人だぞ?私に向けて当てねば意味ないぞ?」

 

ジャンヌはただ外しただけと思ってるみたいだ。こちらの狙いも知らずにジャンヌは俺の方へ来る。足を凍らせられたせいで動けない。仮に動けたとしても下がろうにも後ろには氷の壁なので逃げ場がないが不思議と安心感が出てきた。

 

「……やっぱりお前は何もわかってないようだな、ジャンヌ」

「強がりか?今は私が有利なことがわからないのか?」

「いや、お前は変わったんだよ。自分の手のひらで動かしたつもりが、自分が手のひらにいることをな」

「何をバカなことを…」

 

ジャンヌが呆れた顔をしたその時だ

 

「平一ぃぃぃぃぃ!」

 

アリアが後ろからジャンヌに襲いかかったのだ。不意をつかれたジャンヌは何とか躱したが、体勢を崩し、アリアが続けて剣撃を加えてきたのを受け止めるのに精一杯のようだ。

そう、発砲したのは脅しでも、ジャンヌを撃つためでもない。アリアがこちらに気づくようにするためだ。アリアは銃声に気づいて幻の俺に話しかけたが反応がなく、それで本物の俺が今交戦してると気づくという算段だ。上手く行った。

俺も加勢するため手錠を取り出したその時、水が流れてきたのだ。下で流れてた水が溢れてしまってこっちに来たのか!

俺は水が流れたせいで氷が剥がれ、流れに負けて転けてしまった。何とか体勢を立て直し辺りを見るとアリアはいた。しかしジャンヌはいなかった。

 

「逃げられたわ!水が流れてきたのに気を取られた隙に逃げていったわ……水が来たってことはキンジや白雪は…」

「いや、あいつらは無事だろうな…今水の流れが収まった。入り口を閉じない限りはそんなことは起こらない。となるとあいつらが上に昇って止めてくれたんだ…」

「じゃあ入り口に行きましょう!平一!絶対に離れたらダメよ!」

「了解!」

 

足の氷を砕いて、俺達は入り口へと向かい、サーバーの間を駆け抜けていった。

 

 

 

 

 

「キンジ!」

 

入り口へと到着した時、キンジがそこにいた。

 

「あんた!無事だったのね!」

「あぁ…可愛いアリアを置いて…死ぬわけにはいかないからな」

「か、かわ、可愛い!?」

 

このキザなセリフを吐くということは…キンジはヒステリアモードになってるっぽいな…

 

「白雪はどこに行った?」

「……お前に話すのは癪だが…白雪はさっきの鉄砲水に流されたみたいだ…辺りは探したが見当たらなくてな…」

「なら…探すのが先決じゃ」

 

その時だ。

 

「キンちゃん!」

 

皆が声がする方へ向かうとそこに白雪がいた。無事みたいだな。

 

「白雪!あんたも無事なのね!」

「うん…アリア、ごめんね。ちょっと手を貸して欲しいの…ちょっと怪我したみたいで…」

 

アリアは白雪に言われ手を貸した。怪我をした様子はないが…恐らく滑ったのかな。

 

「……白雪、口は大丈夫か?」

「へ?別に何とも…どうして?」

「さっき口を切ったみたいだからな…」

「ううん。何ともないよ」

 

キンジと白雪がそんな会話をした時、キンジの目が変わった。

 

「アリア離れろ!こいつは白雪じゃない!」

 

そう叫ぶ刹那、白雪はアリアを羽交締めにした!さらに白雪の右手には先程ジャンヌが持っていた大剣が握られており、それをアリアの首元へ当てたのだ!

 

「……ただの武偵がよく私の変装に気づいたものだな…」

「貴様…ジャンヌか!」

「正解だ。さっきは見事なものだった。私も危うかったが…今は形勢逆転だ。貴様らただの武偵が超能力者(ステルス)などに勝てるものか」

 

やはりただものではない。能力のみならず、変装や変声術などの技も身につけている。今の状況もアリアが人質である以上手が出せないのだ…

 

「キンジ…平一…あたしは気にせずに撃って!あぁ…!」

 

アリアの太ももあたりが凍り出してきたのだ。ジャンヌが凍らせてるのだ。早く助けなければまずい…このままじゃアリアが凍っちまう!

しかし近づけばこちらも餌食になる…手は…手はないのか…!

 

 

「アリア!」

 

 

白雪の声と共にジャンヌの剣には鎖鎌が巻きつき、さらにアリアがジャンヌの手から離れた!その隙をついてキンジはアリアを救い出した!

 

「ジャンヌ!逮捕だぁ!」

 

縄手錠を投げつけてジャンヌの左腕に手錠をかけることに成功した!このまま縄を引っ張りジャンヌを引き寄せようとしたが

 

「小癪な!」

 

ジャンヌは手榴弾のようなものを投げつけると、そこから煙が出た。煙と同時にスプリンクラーが作動した。スプリンクラーのせいか煙は段々と落ち着いて視界は明るいままである

 

「バカめ!手錠をかけたまま逃げれるわけないぞ!」

 

縄を手繰り寄せようとしたが

 

「ダメ平一くん!逃げて!」

 

その時だった、ジャンヌの周り、いや部屋全体にキラキラとした煌めきが見えた。一体何があったかを理解する前に、無数の氷柱が俺の体へと飛び、それが俺の体へと何本も刺さったのだ。

 

「ーーーーっっっっああああああっっ!!!!」

 

身体中の痛みに負け、縄から手を外してしまい、そのまま倒れてしまった。

そこから俺の意識は闇へと消えてった。

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