ルパン4世with銭形   作:メジロカイリキー

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16話 燃えよ白雪

「ーーいち!平一!」

 

誰かの声でハッと目が覚めた。目覚めるとアリアが目の前にいた。

 

「目が覚めたのね!平一!」

「近くで大声出すなよ…耳が痛くなる…」

 

上半身を起こして自分の身体を見るが何ともなってない。さっき氷柱に刺された記憶があるが…

 

「…白雪が超能力で治してくれたんだ。白雪の処置があと少し遅ければ死んでたところだったな」

 

キンジは気だるそうにしながら話した。俺に冷たいな…あぁそうか、こいつ今ヒステリアモードなんだな。

まぁSSR所属ということは超能力者(ステルス)なのは当たり前か…しかし傷一つもないぞ…白雪はかなりグレードが高い超能力者(ステルス)なのか?

 

「白雪、ありがとう。命の恩人だな」

「ううん。気にしないで。私は自分ができることをやっただけだから。それに…平一くんやアリア、キンちゃんがこんな大変な目にあってる中私は何も出来てないから…」

「気にするな。白雪は警護対象だからな。身を持って守るのは当然だ」

 

そういうと白雪は少し物悲しい顔をして、振り返った。

 

「……ジャンヌ。そばにいるんだよね?もうやめよう?こんなことしてもみんな傷つくだけだよ?」

『笑わせるな…貴様はおろかそこにいるただの武偵共も、私に傷一つはつけることはできない』

「…これが最後の警告だよ…私はグレード17の超能力者(ステルス)だよ。本気になったら、ジャンヌは勝てない」

『…ハッタリだ。そんなハッタリが私に通じると思うのか?』

 

白雪は頭のリボンに手をかけて

 

「だったら…姿を表してみたらどう?嘘か本当かそこでハッキリするんじゃない?」

『いいだろう。もう小細工は沢山だ。貴様らと白黒をつけようじゃないか』

 

その一言を言った時、ジャンヌはまるで手品のように急に俺たちの前から現れた。氷を作る力を利用して周りの景色に溶け込んでたな…

 

「…キンちゃん、今からの私の姿を見たら幻滅するかもしれない……今からは星伽で禁じられた技を使うから……」

「何を言ってんだ。俺は…どんなことがあっても白雪を信じてる」

 

白雪はキンジにそう言われてニコッと笑った。

その後頭のリボンを解くと、そこから白雪の握る日本刀から燃え盛る火が出てきた。

 

「な…」

 

俺は後退りをした。白雪の能力を間近で見たせいなのか、それとも火が怖いからなんだろうか。

いや、答えは出ている。体が震えてるからだ。自分に何度も大丈夫だと言い聞かせるが身体は言うことは聞いてくれない。

目の前では白雪とジャンヌが激しい戦いが繰り広げられている。荒ぶる火に凍てつく氷がお互いをぶつけ合っている。

 

「っ……!」

 

戦況は拮抗している。援軍として俺らが行くべきだが…俺は体が動かないのだ…

 

「キンジ!平一!このままじゃ白雪が危ないわ!援護に行くわよ!」

「あぁ!」

 

アリアとキンジが加勢していった。俺は言われても恐怖で動けないのに…

だが

 

「平一!右へ回りなさい!」

「平一くん!気をつけて!」

 

何かが…変だ…

 

「平一!危ないわよ!」

 

俺はここにいるはずだ…なのにみんなまるで俺が加勢してるみたいに言っている…?

 

「ふっ…本物はここにいるはずなのに…馬鹿な奴らだ…」

 

声のする方向を見るとジャンヌがいたのだ。

 

「お前の作り出した…幻覚か!」

「その通りだ。アイツらは氷の幻想に惑わされて、私と戦ってると思い込んでいる。白雪がグレードの高い超能力者(ステルス)だとは知らなかったが……炎を操ることは把握済だ。白雪の焔により幻想は実態のある虚像となった…奴らはそれに気づかないのだ」

 

俺は何とか銃を構えてなんとか距離を取った。だがジャンヌは銃を構えられても怯む様子もない。俺一人なら簡単に処理できると余裕そうに見える。

 

「今の貴様など…私の敵ではない!」

 

ジャンヌは一気に間合いを詰め、大剣で俺に斬りかかった。

 

「っ!?」

 

咄嗟に逃げたが、銃が大剣に真っ二つに斬られてしまった。

俺は咄嗟に十手を取り出そうとしたが

 

「遅い!」ジャンヌの蹴りは見事に俺の腹に入った。俺はその場に倒れ込んでしまった。

 

「が…は…」

 

立ちあがろうにも力が出ない。蹴られたせいではない。白雪が炎を出してからずっとだ。そのせいでジャンヌと戦おうにも歯が立たない。

さらに確実に仕留めるために足まで凍らせてきて動きを封じてきた。

 

「やはり火を目の前にした貴様は大したことないな…聞いた通りだ」

 

ジャンヌは俺を見下しながら言った。

 

「だが…イ・ウーはそんな貴様も白雪同様欲しているのだ…どうだ?取引をしないか?ここでイ・ウーの軍門に降れば命は助けてやる。さらに白雪からも手を引こう。どうだ?悪くないだろう?」

 

勝った気で俺に言い放った。確かに今の俺ではジャンヌには勝てない…しかし…

 

「答えは決まってる…ノーだ。そんなわけのわからない連中に頭下げるなら……死んだ方がマシだ…!」

「なら望み通りにしてやる……死ねぇ!」

 

大剣を振り上げたのが見えた。ここまでか

俺は目を瞑ったその時だ。

 

「あ…あぁ……」

 

そんな声が聞こえた瞬間、誰かが倒れた音が聞こえた。目を開くとそこにはジャンヌが倒れていた。

なんだ?何が起こった?辺りを見渡すと、サーバー裏に人影が見えた。

 

「お、おい待て!」

 

その人影はさっと消えていった。そんなことが俺の眼下で起こったその後に

 

「平一!」

「平一くん!そっちは…倒れているジャンヌ!?」

 

みんなが来てくれた。ジャンヌが倒れたせいで幻影が消えてこっちに気づいたようだ。

 

「平一、何があったんだ?」

「まぁ…なんかよくわからんが…殺されそうになったがジャンヌが急に倒れたんだ…なんか自分でも言ってることがよくわからんが…ジャンヌはどうなったんだ?」

「……気絶してる。脈はあるよ…なんか薬を嗅がされたか何かかも…」

 

誰かが助けてくれた?でも何のために?それを確かめたいが

 

「ともかく、足の氷を溶かしてくれ。出ないと動けん」

 

白雪は足の氷を溶かしてくれたお陰で立ち上がることが出来た。立ち上がり俺は人影があったサーバー裏を見た。そこには一本の髪の毛が落ちていた。

 

「……なるほどな…」

 

 

 

 

 

 

その後ジャンヌは逮捕されて身柄を姉さんに渡した。姉さんには利用してたのがバレてしまったがまぁジャンヌ逮捕でチャラって事になった。

そんなこんなでアドシアードは終わった。閉幕し閑散としたグラウンドで理子と二人きりになった。

 

「平一さん、なんだか色々大変な事が起きたと聞きましたが…大丈夫ですか?」

「……まぁなんとかな。それより…理子、礼がしたい」

「お、お礼なんて…むしろ私が…」

「ジャンヌから俺を守ってくれてありがとうな。理子」

「え?なんの話を?」

「地下室に金髪の毛が落ちててな。お前ぐらいだろ金髪なの。さらに言えばジャンヌに情報を流したのはお前だな?」

 

理子は黙り込んだ。しかし俺はさらに続ける。

 

「理子の護衛をしてると知ってるのは最初姉さん、キンジに話したぐらいか。それなのにすぐにその情報がジャンヌに流れた。キンジに話してた時近くにいたのはお前だけだ。恐らくアリアと俺をイ・ウーってのに連れて行こうとしたのに失敗したお前はジャンヌと手を組んで、記憶喪失のふりをして俺に近づいた。そして情報を流し、また俺たちを狙ったってわけだ。違うか?」

「………」

「だが一つわからないのが…何故俺を助けた?お前にとって俺は武偵殺しをぶっ壊した敵なはずだ。敵に塩を贈るほどの善人には見えんからな。いい加減答えたらどうだ?」

 

理子は沈黙したままだった。しかし、その体は段々と小刻みに揺れていた。それと同時に小さく声が聞こえた。

 

 

「………ぷっ、あはははははっ!さっすがいっくんだねぇ!ここまで推理できるなんて凄いよ!」

 

 

あのしおらしい理子から一転し、いつもの理子になった。

 

「今までよく猫を被ってたな」

「ふふーん!理子の役者っぷりを見た?ギャップ凄かったよね?よね?」

「質問に答えろ。何故俺を助けた?」

「答えが知りたい?なら……理子のお願いを聞いて?」

「は?ふざけた事を言うなら今すぐに姉さんに突き出してやってもいいんだが?」

「いいよ。理子、警察に行ってもいいよ?」

 

俺は想定外の答えが来て唖然とした。いや、何?自首する?

 

「お前……人殺ししてさらには俺を殺しかけてよくそんなセリフ言えるな…なんだ?何が狙いだ?お前の願いとはなんだ?」

 

理子はとびっきりの笑顔で

 

 

「それはね……いっくんに泥棒手伝って欲しいの!」

 

 

とんでもないお願いをしてきた。




投稿遅れて申し訳ありません…リアルが忙しすぎた…
魔剣編はこれで完で次回からは新章です。
投稿頻度増やさなきゃならんな…ルパン映画やるし…
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