ルパン4世with銭形   作:メジロカイリキー

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無限罪のブラド編
17話 泥棒稼業始めました


「それはね……いっくんに泥棒手伝って欲しいの!」

 

 

 

あれから2日後、理子は何食わない顔で学校へ戻ってきた。もちろん表向きはアメリカに捜査のために行ってたため何ヶ月か席を空けてたが今日戻ってきた。という体でだ。

 

「理子ちゃん久しぶりー」「なんか急にいなくなったから心配したよー」「理子そのキーホルダーめっちゃエモいわ!」「理子が、理子が帰ってきたぞぉ」

 

まぁ男女問わず理子はクラスの人気者だなぁ。まぁみんなこいつの裏の顔を知れば引くかも知れんがな。と言ってもこのクラスでそれを知ってるのは3人だけ。

言いたくても言えない。何故なら姉さんから直々に口止めされたからだ。

 

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「…峰理子は司法取引により釈放とする…これが警察、検事で出した結論だよ」

 

俺は姉さんの執務室に呼ばれ、言われたのはこの一言だった。

 

「……アリアはなんて?」

「神崎さんはかなえさんの刑期が軽くなるならそれでいいって言ってくれたよ。キンジくんも納得してる」

「ならハイジャックの件は?あれは航空法違反に殺人未遂だぞ?なのにそれで釈放なんか納得いかん」

「……平一、この件は私の管轄から外れてる。ここから先は公安0課の管轄になってるんだ」

 

公安…0課?あの日本の防諜を担当してる公安でトップクラスのところか?確か殺しのライセンス持ちがいると聞いたことがある。そんな連中が何故出てきた?

 

「前にも話した通り峰理子さんはイ・ウーに所属していた。平一達の殺害に失敗した峰理子を任務失敗の責任として始末される可能性がある。だから平一に護衛を依頼したんだ」

「だが記憶喪失は嘘でジャンヌと組んでた。もしかしたらそのイ・ウーに狙われてるってのも嘘の可能性があるんじゃないか?」

「……記憶喪失については…見抜けなかったこっちの落ち度だよ…そのせいでまた平一を危険な目に遭わせたのは申し訳ないと思ってる」

 

姉さんは何か罰が悪そうに話している。

 

「だけどイ・ウーは何をしてくるかわからない。奴らはヤクザやマフィアみたいなただの犯罪集団とは訳が違う。私達警察内部にだってイ・ウーの息がかかった連中がいる。そんな連中がいる中で下手に身柄を移せばかなり危険になるんだ。だからこそ、この件は司法取引で対応して公安に委任することにしたんだ」

「だったら公安だって信用なんねぇだろ。イ・ウーは秘密結社なんだろ?」

「………平一、この件は私の範疇を超えているんだよ。実際峰理子さんを逮捕した際にはイ・ウー絡みとしてFBI、CIA、MI6などが介入してきたんだ。これは私みたいな一警官が出る幕はない。最早国家レベルでの話になってるんだ。この件はこれでおしまい。以後ハイジャック事件は犯人不明として処理するから口外しないこと。わかった?」

 

なんだよそれ……そんなスパイ映画で出てくる奴らまで出てくるなんて…イ・ウーはそんなにヤバい組織なのか?

それに…姉さんはそんな事納得してるのかよ。イ・ウーはやばいから尻尾巻いて逃げて秘密にしろなんて…姉さんはそんな警察官じゃなかったはずだ。

 

「姉さん、変わったな」

「え?」

「昔の姉さんは、まるで父さんみたいだった。悪を絶対に許さない。たとえどれだけ相手が強大だろうが立ち向かい、警察という組織相手でも楯突いて悪人を絶対に捕まえて法の裁きを受けさせるというのが信念だったはずだ。なのに今の姉さんは違う。そんな情熱がない。なんでだよ…」

 

姉さんはそれを言われた後に遠くを見て

 

「………さぁ、なんでだろうね」

 

なんだか物悲しそうに呟いた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「はぁ……」

「なんだよ平一。ため息なんかついて」

 

体育の体力測定が終了したので終わるまでは俺とキンジはグラウンドで座って待っている。

 

「人間は変わるんだなぁって」

「なんだ哲学じみたこと言い出して。何か悩み事か?」

「特に……理子なんかな。見たか?あのキャラから飛行機ではあんな凶暴になるんだぜ?」

「それは変わったじゃなくて豹変、いや猫被ってるだけだ」

「まぁなんにせよ。あのルックスにあのキャラだからな。クラスの人気もあるわけだ。あの事件は秘密にしろと言われてるが言ったところでみんな信じんだろうなぁ」

 

キンジはまぁなと空返事みたいに返してきた。

 

「……お前からしてみたら転校したいから穏便にしなきゃならんって部分があるから姉さんの話は了承したのか?」

「そりゃそうだ。俺は普通の高校で普通に生活したいんだ。それが叶うなら従うしかないだろう」

「アリアはどうするんだ?」

「あ、アリアは関係ないだろう。なんで急にそんな話し出すんだよ?」

「最初に言ったろう。人は変わるってさ。俺達最初は一緒に組んでたじゃん。正義の味方になりたいって言ってたお前はあの時を境にガラッと変わった。それと同じでみんな変わっていくんだな」

「何が言いたいんだよ。俺は普通でいいんだよ。もう…正義の味方なんて子供じみたものを信じる年じゃないしな」

 

キンジは口ではそういうが何か本心じゃないみたいな感じに聞こえた。

 

「……なら俺も変わらなきゃならんかね…」

「変わる?何がだ?」

 

俺は理子を見た。理子は俺に見られたのに気づいたのか下を出していたずらっ子のように笑って返してきた。

 

「……泥棒稼業、始めますか」

「は?」

 

 

 

 

 

放課後になり、俺達の部屋でアリアと合流した。呼び出したのは俺だ。

俺は理子に言われたことを二人に話した。キンジは少し驚いた顔していた。

 

「で?あんたそれ受けるの?」

 

アリアは紙袋から桃まんを取り出し頬張りながら言った。俺はそれをそうだと返答すると

 

「警察である銭形家が泥棒なんか前代未聞だろ。だいたい受ける理由はなんだ?」

「一つは何故記憶喪失のふりをしてジャンヌと内通してたかにも関わらず俺を助けたのか。その答えは泥棒に協力したら教えてやると言われたからやるんだ」

「わざわざそんな事聞くため?理子は本当のこと教えるとは限らないわ。割に合わないわ」

「もう一つが…これが1番の理由だ。理子の背後のイ・ウーなる組織がなんなのかが知れるきっかけになるかもしれん。姉さんはイ・ウーが背後にいるから関わるなと言われたが俺はそうはいかん。奴らの素性を暴いてやるチャンスだ。姉さんがやらないなら俺がやる」

 

アリアは紙袋に伸ばした手を止めて

 

「銭形管理官が正しいわ。平一、あんたは手を引くべきよ。下手に手を出したらタダじゃ済まないわ」

 

真っ直ぐこちらを見て言った。

 

「なんでだ?理子やジャンヌのように目的のためなら人を巻き込んで、殺しても構わないと思うような連中がいるんだぞ。そんな奴ら野放しにしていい理由なんかない」

「それについては俺も平一と同じだな。いい加減教えてくれないか?イ・ウーについて」

 

アリアは真剣な顔で俺たち二人を見た。

 

「はっきり言うわ。イ・ウーに触れてはいけない。探ろうとしたり知ろうとすれば消されるわ。あんた達の戸籍、経歴、学校の在籍記録、Googleやサブスクのアカウント全て、あんた達がこの世にいたという痕跡が何もかも消されるわ。下手に触れるのは絶対にダメ」

「それは誰にだ?公安か?CIAか?それともアリアの国のMI6か?」

 

キンジは俺の言葉にギョッとした顔をした。まぁこんなスパイ組織挙げたらビビるわな。

 

「この国なら公安、特に公安0課が担当になるわね。日本、イギリスのみならず基本的に世界中でイ・ウーは国家機密として取り扱われているわ。狙われたくなければ銭形管理官の言うとおりにしなさい」

 

これはかなりヤバい組織なんだと尚更思った。通りで姉さんが話したがらないし触れないようにしてるのはこれが理由なのか。

 

「それと理子が武偵殺しの犯人で殺しをしてるって勘違いしてるみたいだけどあいつは殺しはやってないわ」

「なんだと…?」

「武偵殺しなんて物騒な名前になってるけど実際は殺しではなく誘拐。実際武偵殺しで死体は出てないでしょ?じゃあ誘拐された人間はどこに行ったのかと言うと…」

「イ・ウーか。さらに言えば誘拐した人間をいつまでも行方不明として表に出さないように出来る力がイ・ウーにはあるのか…組織自体もだいぶ恐ろしいんだな…」

 

キンジは何かを言いたそうにしてるが言い出せなさそうにしている。当然だ。キンジのお兄さんである遠山金一は武偵殺しのシージャックにより行方不明になったのだ。

言い出したいが、アリア相手にそんな事が言いづらいんだろうな。

 

「とにかくイ・ウーに触れるのはやめておきなさい。理由にしてはなんだか弱い気がしないでもないけどそれが理由なのね…」

 

確かにイ・ウーという犯罪組織がのさばり、罪なき人々が傷ついていくなんて許さないし許されない。だが、俺は本当の理由がある。

それは理子がルパンの娘であるというのを利用して、ルパンを見つけ、敵討する。そのために理子に敢えて協力して奴の尻尾を掴もうというのが本当の目的だ。この際他の目的などどうでもいいし出来なくても俺は構わない。

 

「で?なんであたし達にその事を話すわけ?」

「まぁまたしばらく理子につきっきりみたいになるからな。一応話しておこうかと思っただけだ。風穴開けられたくないしな」

 

アリアは少し考えながら

 

「……その話、あたし達も参加するわ。キンジ、泥棒やるわよ」

「おい、なんで俺が?てか何のために参加するんだよ」

「理子の盗み出したいものってのが気になっただけよ。それに下手に今捕まればママの裁判に影響が出る可能性があるわ。だからあたし達もその話参加するわ」

「おいだからって…」

「まぁ人は多いに越した事はない。決まりだな。明日理子がこの件で作戦会議するって話だからそこに行こうか」

「わかったわ。それと話変わるけど今桃まん切れたから平一買ってきなさい」

「お安いご用だ。依頼料はそれでいいか?」

 

構わないわとアリアが言ったのを聞いて俺はコンビニに行くために部屋を出た。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「行ったわね…」

 

ベランダからアリアは平一が出たのを確認して言った。

だいたい俺はやるとは一言も言ってないのに勝手に決めやがって……

 

「アリア、何のつもりだ。それにお前ホームズの子孫だろ?泥棒なんかやったらまずいだろ」

「これは理子のためじゃないわ。平一のため、いやあいつを守るためにパーティに加入するだけよ。本当に泥棒なんかするわけないじゃない」

「どういう意味だ?」

「キンジは平一のお父さんの話は聞いている?」

「銭形警部…ルパンのライバルとして有名な刑事だよな?確かルパンに殺されたって聞いたが…」

「銭形警部は殺されてないわ。行方不明になっただけよ。殺されたって言ってるのはアイツだけ。実際平一は銭形警部はルパンに撃たれたって言ってたけど現場には死体はないし、撃った際に出るはずの硝煙反応が一切出てないわ」

 

平一の話と全然違う。俺はあいつからルパンに殺されたって聞いたがアリアの話はそれと全然違う?

 

「事件現場は火災だったって平一から聞いた。もしかしたら燃えて硝煙反応が消えた線はないのか?」

「事件があったショッピングモールは火災だから消えたに違いないって思うかもしれないけどそれは的外れね。硝煙反応って火薬の残り香、燃えかすだから火事でも少しは残るし検知できるわ」

「じゃ、じゃあ平一が言った事件の事は嘘なのか?」

「いえ、嘘じゃないわ。現にあいつ火にPTSDの反応を示すわ。覚えてる?最初のバスジャックでバスから火が出た時かなり怯えてたでしょ?最初はただびっくりしただけかと思ったけどこないだのジャンヌの事件で白雪の火に怯えて一歩も動いてないのを知って確信したわ」

 

言われてみたらそうだ。時々様子がおかしい時があったがそういう事だったのか。

 

「あの感じだと事件に遭ったのは事実。だけど記憶がおかしくなってるのよ。PTSD患者にはよくある記憶障害ね。銭形管理官も平一は銭形警部は殺されたって思っている。いや思い込んでる節があるって言ってたわ。あんたをドレイにする前についでに調べたけど」

 

平一は…父親を失ったせいで今もそれに苦しんでいるのか…俺も兄さんを失ったってから痛いぐらいにわかったがそれがずっと前からそんなに苦しんでいるなんて…

しかし、それがアリアが参加する理由とどうつなが…まさか平一は理子がルパンの娘だからって理由でそれの仇討ちとして理子を殺す可能性がある…!

 

「勘の鈍いあんたでも気づいたみたいね。そうよ。あいつは理子を殺すつもりで近づいている。いや、理子じゃなくても父親であるルパン3世を殺すつもりよ。武偵法第9条である殺人の禁止を犯す可能性があるわ。それだけは何としても防ぐ必要があるわ。あたしのドレイ2号にそんな事はさせないわ。キンジ、絶対にあいつを止めるわよ」

 

アリアのその言葉の重みを感じると同時に俺の中にもその気持ちが生まれた。

平一、絶対に止めてみせるからな。




昨日金ローでやったカリオストロの城見ました。
やっぱ宮崎駿のルパンいいですよね…
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