ルパン4世with銭形   作:メジロカイリキー

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18話 十字架は鬼の手の中

二人と話してから1日が経ち、俺たちは秋葉原に来た。

駅の裏の駐車場に車を停めて駅を抜けると秋葉原の歩行者天国に入る。そこから少し歩くと様々な施設が入った商業ビルがある。そこを登り、指定された場所の扉を開くと

 

「「「おかえりなさいませ!ご主人様!お嬢様!」」」

 

そう、理子の行きつけであるメイド喫茶に入ることが出来る。俺3回目だな…

 

「実家で聞くあいさつを日本で聞くとは思わなかったわ…」

 

リアルで使ってるとこあんのかよ…まぁアリア貴族だもんな…

 

「にしても…露出すごいわね…ほら、その…胸とか…破廉恥な衣装ね…あたしは絶対着ないわ」

 

まぁお前胸ないからあんなん着ても意味ないもんなって言おうとしたが殺されかけないしこの銃撃事件を引き起こすことになるから黙っておくことにした。

席についてしばらくしてから理子が入ってきた。注文を済ませて頼まれたものが届いた。

 

「ホームズにルパン、それに銭形か…何というか凄い組み合わせだな。みんなルパンに因縁がある一族かよ…」

「遠山もすごいけどな。さて、本題に入る前に電話でも言った通りアリアとキンジもお前の計画に参加したいって話だが問題ないか?」

「もっちろん!人数は多ければいいしね!」

「よし。では本題に入ろうか。まず以前話した件についての詳細を教えてくれ」

 

理子はカバンからパソコンを取り出しデスクトップを開いた。するとそこには何かの図面が出ていた。

 

「これは…屋敷か?金持ちの家に泥棒か?」

「理子はいっくんアリアキーくんのせいでイ・ウーを退学になったんだ……そのせいで理子の大切なものを取られたんだ…ブラドに、理子の宝物を取られちゃったんだ」

「ぶ、ブラド!?無限罪のブラド!?イ・ウーのナンバー2じゃない!?」

 

イ・ウーのナンバー2とは…いきなりイ・ウーの偉い人間と対峙することになるとはな…

 

「そーだよ…理子の宝物を取り返したいの……」

 

理子は泣きそうな顔で言った。アリアはオロオロし出した。まぁそうなるわな。しかし「泣いちゃダメ…理子は強い子だから…」と自分に言い聞かせて目を擦った。

 

「さぁって話を進めるよ!」

 

さっきの表情と打って変わって笑顔になった。この豹変ぶりは飛行機の時を思い出す。

 

「待て、そもそもブラドってのは何者なんだ?」

「ブラドは…理子がいたイ・ウーのナンバー2ってことだけは説明してあげる。だけどそれ以上はあんまり喋れないの」

「あたしから話せる範囲で話すなら…ブラドはママに99年分の冤罪を被せた一人よ。あいつにこんな形で近づけるなんて思いもしなかったわ…」

 

イ・ウー絡みだと守秘義務が発生しやすいな…ブラドって奴のことはあんまり聞き出せないっぽいな。しかし、アリアのお母さんの冤罪を被せた人間か…

 

「ブラド、イ・ウーが相手なら法の外、つまり窃盗しても逮捕されることはないわね。安心できるわ」

「なるほどね…じゃあ理子、取り返したい宝物ってなんだ?」

「……お母様がくれた十字架だよ…。理子が5つの時にくれたんだ…お母様は理子が8つの時に亡くなったの…」

 

お母様…女スパイ峰不二子か。話で聞いたことある。ルパンと共に行動するが財宝や大金の前では簡単に裏切るという女らしい。そんな人が娘にプレゼントを渡すとはイメージと違うな。

しかし、ここでも前に聞いたが理子の親…ルパンは理子が小さい頃に死んだらしいがそれでは俺があの時見たルパンは誰なんだ?

聞き出したいが……いや、一旦は置いておいた方がいい。

 

「つまり、十字架がこのパソコンに出てる屋敷にあるんだな?で、場所に検討はあるのか?」

「それがさっぱり。色々調べてるけどここばかりは理子もお手上げって感じだよー」

「となると…潜入捜査か?」

「あったりー!いっくん冴えてるねー!」

 

潜入して場所を下調べする。そのために俺が必要だったんだろうな。しかもキンジやアリアも参加するってなれば人手が増えるからなおよし。

 

「ふっふっふ〜潜入するために今回はぁ……アリアとキーくん、そしていっくんがメイドさんになって潜入してもらいまぁす!」

「「「……は?」」」

 

指名された俺たちはは素っ頓狂な声を出してしまった。

 

 

 

 

 

 

「おかえりなさいませ…ご主人様さま…お気をつけてくださいませ…ご主人様さま…」

 

部屋に帰ってきてからアリアは死んだ顔でメイドの挨拶をブツブツブツ言っている。あの後トレーニングと称されてメイド服、執事服に着替えてメイドの作法などをあの店で教えてもらった。

俺とキンジはスーツだからいいが…アリアはもうめちゃくちゃフリフリのメイド服であり、さらにあんな恥ずかしい挨拶をずっとやらされたのだ。そりゃあぁなるわな。

 

「キンジ、アリアが燃え尽きているな」

「そりゃ恥ずかしい上に自分で引き受けた依頼だから引くに引けずにそうなったからな」

「まぁそんな事より……ぶっちゃけアリアのメイド姿どうだった?」

「な、なんでそんな事聞くんだよ…」

「そりゃあお前アリアがメイド服に着替え終わった姿見た時…なんかドキッてした顔してたからな。可愛かったか?」

「いいか?俺は体質的にそういうのは避けてんだよ。耐性がなくて当たり前だろ…」

 

とは言うが可愛い以上に色々思ったことあっただろ。なんというかヒステリアモード入るキンジの雰囲気を俺感じたよ。だからそう聞いたんだがまぁ言うわけないか。

 

「それよりもこんなんで潜入上手くいくんかよ…」

「まぁ…やるだけやるって感じじゃないか?あとのプランは潜入後屋敷の様子を知った上で十字架奪還を計画するって言ってたし」

「何にせよ…理子のあのテンションにはまいるな…」

 

まぁなと軽く返事をしながら俺はコーヒーを飲み干した。

 

 

 

 

 

次の日の朝。俺が校舎を歩いてると後ろから声をかけられた。振り向くとそこには小夜鳴がいた。

こいつは救護科の先生だ。武偵校の先生にしては優男のイケメンと珍しいタイプの先生だ。それで女子からの人気も高い。女子からは王子と呼ばれてるんだとか。

だが、俺はこの先生が嫌いだ。理由は特にない。が、何故か生理的にこいつは受け入れられないのだ。

 

「銭形さんが入院中に生物の小テストがあって……急で申し訳ありませんが今日6時限目の自由科目で受けていただきたいのですがよろしいですか?」

「…別に。構いませんが」

「それはよかった…場所は大視聴覚室でやりますので。大丈夫ですよ。DVDを見てそれで見たことを回答するだけですから」

「わかりました。では」

 

俺は簡単に返事を済ませてそのまま教室へ向かった。やっぱりあいつ嫌いだ。喋りたくない。それにまたあいつの顔を見るのかよ。なんか嫌だなぁ。

 

「……はぁ…憂鬱だなぁ…」

 

 

 

 

 

それから6時限目の自由科目。基本的に武偵校では1から4時限は普通の教科をやり、5と6時限目で各科に分かれて専門科目をやると言う流れだ。自由科目の場合はその科の専門科目をやるか、普通科のようなに5科目どれか好きなのが選べると言う感じだ。この自由科目では楽に単位がもらえる授業は人気だ。今回やる生物の小テストはDVD見るだけで単位もらえるから楽な授業だ。俺は単位はもう足りてるはずだが…多分必須科目として取らなきゃならんのかなこれ。

大視聴覚室に入ると女子に囲まれてる小夜鳴が目に入った。俺はそんなのに目もくれずに奥の席に向かうと

 

「あれ?キンジ?」

「平一か。探偵科の授業に来るなんて珍しいな」

「あいつから小テスト受けろって言われてきただけだよ」

「先生ぐらい名前で呼んでやれよ…」

 

だって嫌いだもんと言って俺はキンジと通路を隔てた隣の席についた。部屋が暗くなりスクリーンにDVDが映し出された。

 

『親が子に形質を伝える遺伝、今日はこれの法則について学びましょう…』

 

始まってから数分後、隣がゴソゴソする。気になって隣を見るとなんと理子がキンジの膝枕で寝ており、しかも頭を撫でられているのだ。何やってんだこいつら…

まぁおおかた理子のバカみたいなノリに付き合わされてんのかと思ったがよそでやれとも同時に思った。

 

『…有名はアインシュタインとマリリンモンローがとあるパーティで同席した時「私はあなたの子供が欲しいわ。私のルックスと貴方の頭脳を兼ね備えた素晴らしい子供ができるわ」とマリリンモンローは言いました。それに対してアインシュタインは「しかし、その子が僕のルックスと君の頭脳を兼ね備えたらどうするのかね?」と返しました。これは有名なジョークですがここには遺伝の法則を理解するのには……』

 

「んっ…あ…」

 

隣から色っぽい声が聞こえてきた。見たらなんとキンジが理子の胸元に手を入れていたのだ。

「は……?」思わず声が漏れてしまった。キンジは苦悶の表情をしているが実に羨ま…違う、そんな事考えるな。集中集中…

しかしまぁ…理子の声エロいな……いやいや何考えてんだ……しかし…

 

「キーくんすっごい大胆だね…理子凄く感じちゃうよぉ……」

 

……ダメだ集中できん。適当に書いて出しておこう。

そんな事を考えてたら部屋が明るくなり、みんなが前の教卓に提出するために立ち上がり始めた。

俺は立ち上がり二人を見た。キンジは相変わらず理子の胸元に手を入れたままである。キンジと理子と目があったので

 

「………お前らが子供作ったらバカとバカで大馬鹿のガキが出来そうだな…そんな事を学んだよ」

 

そう言い放って俺はテスト用紙を提出して教室を出た。

 

 

 

 

 

靴箱で靴を履き替えて玄関を出ると雨が降ってきた。傘なんか持ってないため濡れながら帰ることになる。

なんつうか最近ため息が出るような事ばかりだな…。そんな事を考えながら校門に向かうと見知った人影を見た。

 

「あ、平一くん…」

「白雪じゃないか。どうしたんだ?」

「キンちゃん探偵科の授業終わったから迎えに行こうかなって……ほら、雨降ってるし傘持ってなかった時に備えて。平一くん傘忘れたの?」

「まぁな。予報じゃ降るなんて聞いてないし」

「じゃ、じゃあこれ貸してあげるね」

 

白雪はカバンから折り畳み傘を出してくれた。

 

「いいのか?これキンジのために持ってきたんじゃ…」

「う、うん。大丈夫……それに、いや相合傘できるチャンスなんて考えてないよ…!あくまで平一くんに貸したから仕方なく!うん」

 

なんか利用されてる気がした。まぁ白雪が幸せならOKですってことで。

借りた傘を開いて部屋に帰ろうとしたら

 

「待って平一くん…言いたいことがあるの…」

「なんだ?」

「私…平一くんとキンちゃんを占ったの…そしたら、狼が十字架を持ってるから気をつけてってなんか変な結果が出たんだ……キンちゃんは鬼と狼と幽霊に出会うって出て…なんか不吉な予感がするしキンちゃんは何か事件に巻き込まれてるの?」

 

何だその結果…狼が十字架?十字架は今狙ってる理子の奴かも知れないが何故狼が出る?それになんだよ鬼と幽霊って。なんかイマイチわからない結果だな。

 

「…さぁ。検討もつかないな。まぁキンジは大丈夫だ。ハイジャックにジャンヌの件もあいつは無事だったじゃないか。心配しすぎさ」

 

そう言ったが白雪は納得してなさそうだ。たかが占いにまぁ信心深いというか……

とはいえ白雪の占いは当たりやすいのも事実だ。頭の片隅には入れておくか。

白雪にはキンジは遅くなると伝えて俺は寮へ帰って行く事にした。

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