ルパン4世with銭形   作:メジロカイリキー

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5話 バスジャックには気をつけろ!

朝、俺は教室にいる。

朝はキンジがうなされていたせいで早くに目が覚めた。もちろん寝れないため早くに学校に来た。7時の学校では生徒はほとんどいない。みんな代々8時近くに出るバスに乗ってくるためである。先生も職員室に向かうだけでそれ以外の場所には来ない。

教室には誰もいないのだ。当たり前だが普段は騒がしい教室も人がいないと寂しい感じがある。

暇つぶしにスマホでSNSを見るが今日本に来てる台風がどうのとか言ってるぐらいだったので閉じてゲームをする。が、暇と寂しさは紛らわせない。

「退屈だなぁ…」と呟きスマホの時計を見たら時刻は8時近く。みんなバスに乗り始めた頃ぐらいだ。

そろそろ誰か来るかなと思い教室の外を覗くため立った瞬間

 

「平一!来て!緊急事態よ!」

 

けたたましい扉の音とアリアの声が教室に響き渡った。

 

「な、なんだぁ?」

「事件よ!C装備で今すぐ女子寮前集合!」

 

C装備って言うと確か防弾チョッキ着用となるはず…かなりの大事件が起こったと見て取れる。

説明しろと言ってもアリアのことだ。せっかちな性格だからさっさと準備しろと言われるだろうと予想して

 

「了解!」

 

返事を返してアリアに着いて行くことにした。

 

 

 

女子寮前に着くとキンジ、レキがいた。二人ともC装備を身につけていた。

 

「7時58分の学園行きのバスに爆弾が仕掛けられたと通報が入ったの。さらにバスには機関銃らしきものを取り付けた車両が後ろに着いてきて犯人の言われるがままバスは首都高へ向かってる」

 

バスジャックか。しかもうちの生徒が使うバスを人質とは…かなりヤバい事件だな。武藤や不知火は大丈夫なんだろうか…

 

「犯人の要求はなんだ?それと警察の対応は?」

「犯人の要求は不明よ。何も要求してこないわ。そのせいで警察の対応は後手後手ね。一応首都高は封鎖してるとは聞いてるわ」

 

警察が出ているとなれば姉さんが今対応している、もしくはなんらかな情報を知っている可能性がある。

 

「了解。なら俺は姉さんに連絡して詳細な情報を確認する。もしかしたらSATとか出すためにあえてそうしている可能性があるからな。俺らが出しゃばって変なことになったら困るしな」

 

俺は姉さんに電話した。

 

「アリア、これが最初で最後の事件だな…」

「もちろんよ。武偵に二言はないわ」

 

キンジとアリアはそんな会話をしてた。そうか昨日そんな約束してたな。

そんなことを振り返ってたら姉さんが出てきた。会話の内容は聞こえるようにスピーカーにした。

 

『平一?どうしたの?』

「姉さん、忙しいところごめん。今バスジャックが発生したって聞いたんだ。警察として今後はどう対処して行くんだ?」

『それが……首都高封鎖して犯人からの要求待ちが今の方針かな…なにぶん爆弾は減速したら爆破する代物だから…』

 

減速して爆破、そのワードを聞いて俺はあることが思い浮かんだ。

 

「武偵殺しか!」

『そうだね。捜査本部はそうするとは言ってるけど私の見立てではそんなものは来ないと思ってる。だから今科捜研と協力して爆弾解除をリモートでできないか検討してる。だけどまだ時間がかかるしバスの燃料が持たないから…』

「それならあたし達の出番ね!」スマホに顔を近づけてアリアは言った。

『その声は神崎さんだね?Sランクの武偵が何故平一と一緒にいるの?』

「銭形管理官、今そのバスジャックに対応するためにあたしがメンバーを集めました。平一はそのメンバーです」

 

姉さんはそれは頼もしいと言った。しかしアリアは姉さんの事をなんで知ってるんだ?姉さんもアリアの事を知ってる様子だ。

 

『こちらとしては猫の手を借りたいぐらいだよ。君達に依頼するのは少し気が引けるが…お願いしたい…もちろん警察もそちらには協力する』

「感謝します。ではあたしから作戦を…」

 

アリアは姉さんに今からの作戦を説明した。ヘリでバスに近づいて降りる、そこから機関銃がついている車を処理したのち、レキがスナイパーとして爆弾の接着部を撃って爆弾を取り外すと言う流れだ。

 

『わかった…ヘリを今から手配しよう。それまでは待っててくれ』

 

アリアは了解した。

 

『それと……平一』

「なんだ?」

『依頼したこっちから言うのはアレなんだけど……無茶はしちゃダメだよ。気をつけて』

「任せろよ」

 

 

 

俺、キンジ、アリアはヘリに乗っている。レキは狙撃ポイントに向かったため別行動なのだ。

天気予報で午後から降ると言ってた雨が今降り出している。天気予報は当てにならないもんだな。そう考えていたら目標のバスが真下にいる。

 

「現在の天候は雨です。ラペリング降下時は皆さんお気をつけて」

 

パイロットがそういうとヘリからロープを降ろした。俺達はそれに捕まり慎重に降下して、バスの天井に降りる。地面が濡れてるせいで少し滑りそうになる。

みんな降りて落ち着いたところで車を見る。前のセグウェイと同じようにUZIが取り付けられている。

 

「作戦の第一段階だな、さぁて、あの車を倒すか」

 

銃をとし出した時キンジのスマホが鳴った。キンジが出て

 

「武藤か!無事か!」

 

電話の主は武藤のようだ。キンジがここにいるのは俺ら以外は知らないはずだから多分偶然だろうな。

 

「あぁ……わかってる。だから落ち着いて待っててく」

 

パァンっと銃声が響く。続けてもう1発、また1発とアリアが銃を撃った。

 

「アリア!無理に発砲するな!武藤が乗っているんだぞ!」

「今は車を処理するのが先決でしょ!話は後にして!」

 

キンジとアリアで言い争ってる刹那、車は俺たちに向けて発砲してきた。

俺は咄嗟にしゃがみ、キンジはアリアに覆い被さるように伏せた。

 

「ちょっと!アンタが乗ったら照準が合わないでしょ!」

「今は危ない!武藤やクラスメイトが乗ってるんだ!無理に発砲したら武藤達に流れ弾が飛ぶぞ!」

 

アリアはキンジを振り解いて立ち上がり、再度車に照準を合わせる。キンジはやめろと制止する。

銃声が飛び交ってるのにお前ら喧嘩する暇があるんか。

 

バァァン!

 

爆爆音がバスの後部座席付近から聞こえた。恐らくさっきの銃撃で爆破したんだろう。そう思った次の瞬間、火が出てきたのだ。

 

「な、あ、火、火…」

 

火の規模は小さい。が、俺はそれを見て固まってしまった。

何を臆する必要がある。ただの火だ。あれは、違う。そう自分に言い聞かせるが体は言うことを聞かなくなってきた。

 

「う、うわぁぁぁぁ!」

 

恐怖のあまりにやみくもに撃った。いや車めがけて撃ってるが当たらないし、車は避けながらこちらへ近づいてきた。

 

「平一!アンタどうしたのよ!」

 

銃を撃ち尽くしたところで車はバスの真横に来て銃撃を加えてきた。

それはバスの中、そして上にいる俺らにも来た。バスの中からは悲鳴や叫び声が聞こえてきた。

 

「アリア!危ない!」

 

キンジはアリアを庇うようにしたが間に合わず、弾丸がアリアの頭に被弾する。

 

「アリア!アリアァ!」

 

アリアは額から血を流していた。

その光景を見た瞬間、頭の中に流れてきた。

 

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「何を情けないことを言っとるか!もうすぐ出口だ!だから意識をしっかり持て!」

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「あ、あ、あ…あ…」

 

あの時の情景だ。頭の中のみなからず情景として目の前に広がっていく。

 

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「どうした?歩けなくなったか?」

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怪我をしていない脇腹に痛みが生まれる。呼吸が苦しい。

うずくまらないと、やばい。

 

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「…いや、父さん…もういいよ、このまま、行けば、父さんまで、死んで、しまうよ…だから、俺を、置いて行ってくれ…」

「バカモン!お前を置いていけるもんか!だから……っ!」

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「父さん……許してくれ……俺が悪いんだ……助けて……」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「な、何故お前がここに!?」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

パァン!

 

銃声にハッと目が覚めた。

気がつくと後方で車と爆弾は宙を舞い、爆発した。

辺りを見渡しすとビルが立ち並んでいる。とあるビルの屋上からキラッと光が見えた。

 

『爆弾は除去、それと同時に車をパンクさせて両方処理しました』

 

無線からレキの声が聞こえた。あぁこの辺が狙撃ポイントか。

バスはすぐに停止をして乗員を降ろしている。キンジはグッタリしたアリアを抱えて呼びかけている。

 

「っ……キンジ!アリア!大丈夫か!」

「アリアは今額に銃弾を、幸い掠めただけだが、目を覚ましてくれないんだ!」

 

キンジは激しく動揺している。

 

「と、ともかく救急車を…!」

 

呼ぶ必要はなかった。なぜなら向こうから来たのだ。けたたましいサイレンの音がだんだんと近づいてきた。パトカーや救急車が多数来ているのだ。

その中で1台の車両が俺らに近づいてきた。中から出たのは姉さんだった。

 

「アリアが!ここに要救護者が!」

「了解、こっちだ!早く!」

 

姉さんが手をあげて呼ぶとすぐさま救急隊員が来た。アリアは担架に乗せられて、キンジはアリアと共に救急車へ向かう。

 

「……平一、ごめんなさい…こんな事態になったのは…」

「いや……姉さんのせいじゃない……俺が……俺が」

 

俺が悪い、その一言を言おうとした途端姉さんは俺を抱きしめた。突然の出来事にびっくりしたが、今は何故かそうされた方がいいと思った自分がいる。

俺達の気持ちを表すように雨は強まっていったのだ。

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