呪術廻戦0×まぶらほ 作:Nm
僕は・・・、僕が嫌いだ。
生きているだけで他の人を傷つける僕が嫌いだ。でも、自分から死ぬ勇気もない意気地のない自分が嫌いだ。
「なぁ、頼むよ、式森・・・。もう、我慢できないんだよ。頼むから、殴らせてくれ。何なら、魔法でもいいからさぁ!」
「ダメだ!来ちゃダメだ!!里香も出てきちゃダメだ!!!」
「はぁ、お前、何言ってんの、何にもな、っぶぇっっ!!」
「斎藤!!式森ぃ!!!お前、何して、ぎゃっ!!」
「斎藤!横田も・・、何なんだよこれぇ・・・。」
20XX年〇月×日
公立北村中学2年B組の教室にて、式森和樹に暴行を加えようとした3名のクラスメイトは他のクラスメイトの供述から何もないのに勝手に吹き飛ばされ、その3名は教室のロッカーにすし詰めにされたとの供述がありました。さらに、調べると魔力痕跡はなく代わりに呪力の残痕があったため、式森和樹の呪力暴走によって起こされた事件と上層部は判断し、秘匿死刑を決定しました。
呪術廻戦×まぶらほ
1章 式森和樹
「君さ、秘匿死刑が決まったから。」
目に包帯を巻いた銀髪の男、小日向雄馬はこともなげに言った。
「もう・・・、どうでもいいです、これ以上、人を傷つけたくないっ。」
「本当に?誰にも親や友人にも知られずに死んじゃうんだよ?それに、もったいないよ、そんだけ、すごい力があるなら、山ほどの人を助けられるし、いろいろやりたいことがあるでしょ?」
「ないですよ、僕の魔力回数は8回だし、ほとんど魔法が使えないんですよ。それにあなたは誰ですか?」
「僕?僕は小日向雄馬。君の監督人さ、それより気になったのが、7歳の時、宮間夕奈に天候操作の魔法をみせて、季節外れの雪を降らしたって、たいしたもんだよ、天候操作は現代の大魔法使いでもできないものだからね。」
「何で、そのこと!」
初めて、反応らしい反応をした式森に笑みをこぼす、小日向雄馬。
「呪術(ウ)協会(チ)の情報収集能力、舐めないほうがいいよ。君のご先祖についても調べてあるからね。パラケルススにクロウリー、わぉ、道真公の血まで引いているとは、僕の親戚じゃん。まさに、魔法使いのるつぼだね。」
「あの、なんでそのことまで知って『君には、二つ選択肢がある。ひとつはこのまま秘匿死刑を受け入れること。もうひとつは、君が呪術師になることだ。』いるんですか?呪術師?」
「人間の肉身から溢れた負の感情が実体化し、意思を持った悪霊。それを呪いと呼び、それを払うのが呪術師の仕事だよ、君は大きな力がある。まずは、その力を制御するすべを身につけなさい。死ぬのはそのあとでもいいでしょ。それに、もうじき、新しい学校に新しい仲間もいるしね。」
「・・・」
「それに、独りぼっちはさびしいよ。」
「・・・っ。」
うつむいたまま、拳を握り、ただ、黙るだけだった。
「イエーイ!ではっ!!新しいメンバーを紹介します!」
いつも以上にテンションの高い指導員に辟易するメンバー。
「あのさ、雄馬がテンション高いのはこの際、無視して新メンバーって何?聞いていないんだけど。それに、なんで、たかが新メンバー入るだけで俺らがわざわざ盛り上げなきゃいけないんだ?」
赤いTシャツを着た茶髪の活発そうな少年、兵藤一誠が言った。
「そりゃ、初めて言うからね。」
「いらない、サプライズだな。兵藤に合わせるわけじゃないが、同意だな。」
けだるげな表情をする綾小路清隆がいやそうに言った。
「・・・・。」
パンダだけは何も言わず黙っていた。
「まぁ、いいや、入っておいで。」
(空気、めちゃ冷めている・・・。入りずらぁ。)
会議室の冷めた空気に入るのをためらう和樹。
(ええい、ままよ!)
「しっ、失礼します。」
ドアに手をかけ会議室に入った瞬間・・。
「っ!!」
「ちっ!!」
「おいおいっ!」
「はじめまして、式森和樹です、うぇ!」
ホワイトボードの前に立ち、挨拶をしようとするが、赤シャツの少年がいつの間にか赤い籠手をはめて籠手から剣を突き出し、けだるげな少年は頬に紋章を浮かべ、パンダも拳を突き出した。
「何のジョークだ、雄馬。」
「ひいっ!」
突然のメンバーの対応に頭を抱えておびえる和樹。
「なにすんのさ!」
「お前・・、呪われているぞ、ここは呪いを払うところであって、呪いをもってくるところじゃねーんだよ。」
「日本国内での怪死者・行方不明者は年平均10000人を超える。前にも、ちょこっと言ったけど、そのほとんどが人の肉体から抜け出した負の感情、呪いの被害者だ、中には呪詛師による悪辣な案件もある。呪いに対抗できるのは同じ呪いだけ、ここは呪いを払うために呪いを学ぶ、関東呪術協会だよ。」
「そいうい説明前もって言ってくださいよ!」
狼狽えながらも、雄馬に言い放つ。
(・・・あぁ、雄(バ)馬(カ)のいつもやつか。)
「あっはっはっ、メンゴ☆」
(いらっ!!)部下の心が一つになった。