リリカルなのはW.C.C   作:さわZ

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第三話 邪神様がガン○ムだ!

 裕視点。

 

 朝、目が覚めると恭也さんと士郎さんに連れられて道場に来た。というか拉致られた。

 朝一番で見たのがなのはちゃんの寝顔ではなくイケメン二人の袴姿。

 な、なんぞ?

 何でも士郎さんが恭也さんの稽古の成果を見る為と退院後の体の調子を見る為だと士郎さんは言うが、俺いらないよね?

 子供用の袴を渡された時に俺にもその様子を見せたいとの事。そして、興味があるならうちの道場に通わないかと言われた。

 武道なんてしたことないし、見てもわからないだろう。と、思っていたが渡された袴が意外といい材質を使っているらしくステータスをかなりいじくれる。

 更衣室に入り、二人の目を盗んで袴をカスタマイズ。『洞察力アップ(中)、俊敏力アップ(小)、自然治癒(小)』などなど防御力と素早さ。体を癒すことに特化させた袴の出来上がりだ。

 それから袴を四苦八苦しながら着つけて道場へと向かう。

 士郎さんが道場の上座で座禅を組み、すでに木刀で素振りをしている恭也さんの様子を見ている。その剣速は子どもの俺から見るとぶれて見える。

 とりあえず士郎さんの傍に座るように言われ恭也さんの様子を見るようにと言われた。

 俺が士郎さんの傍で正座して座ると更に剣速が上がった。それだけではなく足運びまでも早くなる。

 正直、カスタマイズした袴を装着してなければ見えない程だ。握っている木刀なんか何本にも分裂しているようにも見える。

 俺が驚いている顔に更に驚いた様子の恭也さん。だが、その表情を引き締めると次の瞬間には分身した。

 いや、奥の恭也さんが前の恭也さんに重なるように動いている。まさに高速移動している残像を見せられている。

 

 

 何が彼をそこまでにしているのか!?愛か?!愛なのか!?トランザムなのか?!俺達は分かり合えないのか?!

 

 

 などと考えていたら、恭也さんが木刀を手放しこちらに手を伸ばす。

 俺は思わずのけぞりそうになったがそんな動作よりも早く恭也さんの手が俺の額にかする。

 ただそれだけの衝撃で俺は後方に弾き飛ばされるように転がって壁に激突。そのまま気絶した。

 

 

 

 恭弥視点。

 

 「恭也。お前な…。寸止めくらいちゃんとしろ」

 

 「…父さん。こいつは最後まで反応してみせたんだ」

 

 恭弥が弾き飛ばしてしまった男の子、裕を介抱している士郎が息子の失態に口を出す。

 本来なら素振りをしている時点で木刀が見えないだろうと思っていたが、ちゃんと木刀を追って目を動かす裕に興味を示した二人は何処まで目で追えるか確かめることにした。

 素振りの速さをさらに早く、常人では目で追うことも出来ないほどの細かく素早い足運び。それをしっかり目で追っている事に気づいた士郎と恭也。

 最後は奥義の神速まで出して見せた。さすがにこれはおえまいと思っていたが、おぼつかないながらも目で追っていることに驚きを隠せなかった。

 そして、その確認の為に掌底を繰りだし、それを受け止めるかそれとも避けるかと期待して放った掌底は見事に額に命中した。

 いや、寸止めするつもりだったが避けるような動作を取った裕を見て躱すんだろうと思っていたが、その動作が遅すぎてあたり裕はそのまま気絶してしまった。

 

 攻撃は見えていたけど、避けるほどのスピードはなかった。

 

 「彼は鍛えればかなりの剣士になるかもしれんな。しかし…」

 

 「もしかしたら俺よりも強くなるかもしれない。だけど…」

 

 「「なのははやらん」」

 

 親馬鹿。シスコン。高町親子はなのはと親しくなっている裕にジェラシーを感じていた二人だった。

 後に、高町家最強の桃子とその娘のなのはにお客様になんてまねするのと絞られた二人だった。

 

 




 後日。

 「なのはも剣の特訓してみる?」

 「うう、でも、私運動に苦手だし…」

 「これ、裕君が着ていた袴なんだけど」

 「やるの!」

 「即決?!」

 姉の美由紀に誘われて道場に来たなのはが少しためらいを見せると、美由紀が取り出した袴をみてやる気を見せる。
 その行動に驚いていた美由紀だが、更に驚くことになる。

 「見えるっ。私にも見えるの!」

 「なのはが…。なのはがたったぁあああ!」

 これでもかと体力補助効果を受けた袴を着たなのはは、いつもならすぐへばるのに裕がカスタマイズした袴の力ですぐに立ち上がる。
 更には姉の動きを見よう見まねで木刀を振るう。姉から見たらまだまだだが運動音痴のなのはにしてみればかなりの上達っぷり。
 その為か、二人は調子に乗ってどんどん特訓を重ねていく。

 「たかが素振りの百や二百なんてやり通して見せるの!」

 「裕君印は伊達じゃない!?」

 「…私を導いてほしいの!裕君!」

 「なのは。貴女なら出来るわ」

 若干、なのはが新人類になりかけていたが元気な二人の娘の様子を母、桃子は優しく離れた場所で見守っていた。


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