リリカルなのはW.C.C   作:さわZ

30 / 82
第三十話 邪神様は病気です。

 「それじゃあ、これからもよろしくお願いしますね」

 

 「いえいえ、こちらこそお隣さん同士、よろしくお願いしますね」

 

 今日、目が覚めて朝ご飯を食べようと居間に移動したらプレシアさん。フェイト。アリシアが居間にいたでござる。

 いやいや、別に隣は空き家だったし、そこにテスタロッサ母娘が引っ越すのもおかしくはない。

 

 だが、何と言う事でしょう。

 

 昨日まで普通の一軒家が複数並んでいた。サラリーマンが40年ほどのローンを組んで立てたと思われるいくつもの家が邪神もどき。もとい匠の手によって立派な研究所に変化したではありませんか。

 というか二軒先に山崎さん。三軒先の山本さん。他にも何家族が住んでいたはずなのに彼等は何処に行ったのでしょうか?

 こちらの視線に気が付いたのか怪しく微笑むプレシアさんが少し怖いです。

 話によると月村さんから出資を受けて買収したらしく元から住んでいた彼等は今よりもいい所に住居を移したとのこと。…し、信じて良いんだよね。

 縦に四軒。横に五軒。合わせて二十軒の家々が一つの研究所になってしまったではありませんか。

 これはあれか?真ドラゴン。住宅地バージョンか?

 というか、俺(邪神)の事を秘密にするつもりなら我が家の傍に研究所を置くのはまずくないかね?

 え?前々からロボット大好き少年(俺)が友達のアリシアが近くがいいと言ったから?人見知りをするフェイトの為にも顔見知りの人(俺)が近くにいる家に引っ越したいからと?

 いやいや、俺にはデメリットしかないんじゃ…。

 

 「むう、私達みたいな美少女がお隣さんになるのに不満なのかな?」

 

 「あ、アリシアっ。変な事言っちゃ駄目だよ」

 

 難しい顔をしているところを見たアリシアがフェイトに抱きつきながら文句を言ってくる。フェイトはそんなアリシアに戸惑っている。

 その姿は可愛いので眼福なのだが、管理局の目が俺に向けられたらどうするんだ?

 プレシアはそこんとこ分かっているのだろうか?

 

 「ゲッターロボを警備に置いているんだけど見に来る?」

 

 「行きます!」

 

 いやいや、メリット満載ですね。プレシアは俺の事をよく分かっていらっしゃる。

 俺はきっと病気なんだ。

 ビイイイイイイッムゥ!!と叫びたくなるんだ。

 ロボット依存症という病気にな!

 

 ブラックゲッターにドラゴン・クォーターは既にプレシアに返却している。

 WCCでゲッターを作ろうと思って元になる物。プレシアの時の庭園にあるロボットクラスを加工してやっとゲッターロボとしての機能を果たせる。

 いや、まあ、フェイトやアリシアみたいな美少女と戯れるのも嬉しいよ。

 だから、その指に摘まんだ俺のほっぺを解放してください。アリシアさん。

 

 それからプレシア研究所について行った邪神はその敷地内の地下をWCCで駆使してゲッターロボの格納庫兼バトルドームを制作。ゲッターの操縦とフェイトとの模擬戦を行いロボット依存症からくるストレスを解消させるのだった。

 何気にフェイトさんの攻撃が鋭く重いように感じたのは気のせいかな?

 仕方がないモノ男の子だもの。今の俺には女の子よりもロボなんです。

 

 「…そんな事を言われたら怒るに決まっているよ。アリシアもフェイトも君に会うのを楽しみにしていたんだから」

 

 「う、それは悪い事をしたな。お前からも何か言ってくれないかなユーノ君」

 

 「素直に謝った方がいいと思うよ」

 

 模擬戦を終えた後、模擬戦で痛めた体を癒すために女装させると女の子に見えそうな美少年。ユーノ君が回復魔法をかけてくれている。

 すわっ、テスタロッサ姉妹の三人目?と、思ったのは内緒だ。

 ユーノ君は金髪美少年だった。そして、この研究所でプレシアの助手をしながら今回のジュエルシード事件。JS事件で魔法に目覚めたばかりのなのはのサポートを終え次第元の世界に戻るというのだが、その時「一緒に発掘しない?」と、誘われたのだ。

 確かにWCCがあれば穴を掘らずともある程度までなら発掘できそう。更にはジュエルシードのような危険物の撤去作業にも一役買えるだろう。

 思わぬオファーに裕は期間をくれと答えた。

 ユーノ達の一族のように発掘を生業としている人達にとってWCCは魅力的に感じるだろう。だけど、管理外世界の人間が管理内世界の発掘にいきなり参加したら管理局が怪しむだろう。

 そこでユーノとプレシアは今回の事件でフェイトと友人関係になった高町なのは。月村すずか。アリサ・バニングスのいる海鳴の街に研究所を作り独自に魔法技術。及び機械技術の特許を作りだし、管理内・外の世界に貢献しながら無視できない程に名を高める。

 その間にその近くにいた彼等は開設当時の知人として紹介すれば怪しまれずに済むだろうと考えた。

 管理局は信用できないから地球に研究所を置いた。娘の友人たちがいるところに研究所を構えた。そこで知り合って仲良くなった彼等に管理内世界の事を伝えてもおかしくはない。と、大雑把な流れだがこのように進めて行こうと考えたのだ。

 今のところは月村・バニングスのお金を借りて研究所を創立。

 プレシアは時の庭園にあったロボットを参考にその技術を小出ししながら地球で月村・バニングスを経由してお金を稼ぐとともに、裕に可能な限り強化したロボットに加工した後、それを分解してその内容・技術を管理局。管理内世界に売りつける。

 それ以外にも管理局から賠償金が出るのだ。借金スタートだが裕関連でスポンサーの月村・バニングス。すぐに元は取れるプレシアの三人は余裕だった。

 

 

 

 それから一週間後。

 テスタロッサ姉妹が裕たちのいるクラスに転校するのであった。

 

 




ユーノ君「(発掘)ヤラナイカ?」

邪神様「?!」

何気に男キャラともフラグを建てている邪神様でした。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。