ヒロインは七罪   作:羽国

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改変された世界

 またこの夢だ。そう思うくらいにはこの夢を繰り返し見ている。

 昔住んでいた近所の公園。そこで私たちは遊んでいる。

 愛くんがいて令音さんがいて、他にも知らない誰かがいる。青髪の男の子と赤毛の女の子。

 私の記憶にない誰かの光景。名前もわからないのに、どうしてこんなにも鮮明に覚えているの?

 

『ねえ、■■くん。■■くんはどんな女の子が好き?』

 昔の私がもじもじとしながら男の子の名前を呼ぶ。多分、彼のことが好きだったんだと思う。

 不器用だけど優しくてたまにとてもかっこいい。――どうしてそんなことを知っているの?

 

 もっとよく聞かせて。名前さえわかれば。

 でも、その声はどんどん遠ざかっていく。光が景色を塗りつぶして見えなくなっていく。

 まだ消えないで。

 

「は!」

 光はやがて白い天井に変わってしまった。見慣れた私の部屋の天井だ。

 目覚ましが七時を告げている。

「もう少しだったのに」

 見えなくなってしまった景色を思い出す。胸には寂しさが残ってる。

 

「ねえ、君は誰なのかな?」

 男の子のことを考えて少しの間ぼーっとしていた。私と同じくらいだし、今は立派な男の子になってるんだろうな。

 

 気分を切り替えてベッドから降りる。布団の温かさがなくなって、冷たい空気が肌を撫でる。

「寒くなったなぁ」

 もう十一月になったし、部屋の中でも一枚着ないと寒いくらい。

 ()()()()()になったけど、寒いものは寒いんだよね。そういうところは変わってなくてよかった。

 

 お気に入りの花柄カーテンを開けて太陽を浴びる。すっかり冷えた部屋の空気が日の光で温められる。

 寝ぼけてた頭も冴えてきた。長い髪の毛をかき分けて頬をぺちりと叩く。

「よし、起きた」

 私、鳶一折紙は気持ちのいい朝を迎えた。

 

♦♦♦

 

「おはよう、お姉ちゃん」

「おはよう、愛くん」

 リビングに入ると、弟の愛くんが先に待っていた。三人分の朝ごはんを用意してくれてるみたい。

 

「ああ、起きたかい折紙?」

「令音さんもおはよう」

 相変わらず眠そうな顔をして眼鏡を押し上げる令音さん。食卓についてニュースを眺めている。

 私も令音さんのはす向かいに座って愛くんの朝ごはんを待った。

 

「はい、お待たせ」

 少しすると、愛くんが机に朝ごはんを並べていく。

 トーストの上にハムとチーズと目玉焼き。レタスとミニトマトを添えて朝から贅沢な一食の完成。

「愛も料理が上手くなったね」

 令音さんが愛の料理を見て笑っている。

 

「えへへ、そうでしょ」

 愛くんはとてもうれしそう。褒められるの大好きだもんね。

「『父子家庭だから家事は覚えなさい』って鍛えてくれた令音さんのおかげだね」

「ありがとう、愛。いい子に育ってくれて嬉しいよ」

 愛くんは令音さんが頭を撫でるのを心地よさそうにしている。そんな愛くんを見て令音さんと目線を送り合った。

 

「お姉ちゃんはコーヒーとお茶。どっちがいい?」

 愛くんがお湯を沸かしてカップを並べている。

「コーヒーが欲しいな」

 私は愛くんの厚意に甘える。

 

「私は――」

「コーヒーでしょ。角砂糖は四個までね」

 令音さんが言い終わる前に二杯目のコーヒーを注いでる。角砂糖を四個添えて残りはしまっちゃった。

 

「……本当に君はいい子だ。私の不摂生を許してくれない」

 令音さんは少し残念そうにしてる。

 

「そういえば、もうすぐ折紙の誕生日か」

 令音さんがカレンダーを見ながら呟く。今日は十一月六日。

 少し視線を移動させると、私の誕生日十一月十一日に印がつけてある。

「ということはここに住み始めてもう四年経つんだね」

「そうか、君の誕生日に合わせてこのアパートを決めたんだったっけ」

 

 今から四年前、お父さんが交通事故で亡くなってしまった。あまりに突然で、ただひたすらに泣いた。

 そして、悲劇はそれだけじゃ終わらない。それぞれの事情を考えたら、私と愛くんは別の家に引き取られるしかなかった。

 お父さんと別れた直後に、最後の家族とも別々に暮らさないといけない。どうしようもない現実だった。

 

『これから一緒に生活しないかい?私と君たちの三人で』

 

 そんな状況で待ったをかけたのが令音さん。家事をすることを条件に私たちを引き取ると提案してくれた。

 どう考えても私たちのための提案だった。家事を私たちに教えてくれた令音さんが、家事に困ってるわけないもん。

 私たちは一も二もなく飛びついた。十年ずっとお世話になってた令音さんを疑う人はいなかった。

 

「お姉ちゃん、何か欲しいものある?」

 二人は高校生になった今でも盛大にお祝いしてくれる。ちょっと照れ臭いくらいに。

 

「もう高校生だし、プレゼントなんて――」

「遠慮することはない。高校生はまだ保護されるべき子供だ」

 令音さんが大人らしい余裕を見せる。かっこいいなぁ。

 

「安心して、お姉ちゃんと違って僕はAST続けるから。お金には余裕あるよ」

 愛くんがスマホで家計簿を見てる。本当に二人とも頼りになる。

 天国のお父さんとお母さんも喜んでくれるかな?

 

「そういえば今日だよね。例の『シン』って人と会うの」

 愛くんがトーストをかじりながら話題を出す。今日は前々から約束していた日だね。

「ああそうだよ。悪いね、時間を取ってしまって」

 

「令音さんの頼みだし、別に全然構わないけど。なんで僕たちに会いたいの?」

 愛くんは本気で不思議そうな顔をしてる。本当に不思議だよね。

 令音さんがちょくちょく話題に出すから知ってるけど、会ったことはない。向こうも同じだと思う。

 

「私がしゃべり過ぎたかもしれないね。君たちのことが誇らしいから」

 令音さんが冗談めかしてウインクする。その言葉にちょっと口がほころぶ。

 

「まあ、令音さんが認めたなら大丈夫でしょ」

「うん、私も楽しみだな」

 同い年みたいだから、仲良くしたいな。優しい人だったら嬉しいかも。

 

♦♦♦

 

 令音さんとの待ち合わせまであと十分。俺は冷め切ったコーヒーをちびちび飲みつつ、視線を泳がせていた。

 待ち合わせ場所は近所のカフェ。ガラス越しに見える店の入り口から目が離せない。

 

「士道、何そんな挙動不審になってんのよ?」

「いや、これから会う相手のことを考えたら緊張しちまって」

「今更?」

 

 俺なりにこの世界のことを調べてみた。この世界は前の世界と流れが一緒だ。

 四月十日に十香と出会い、四糸乃、琴里、耶倶矢、夕弦、美九をどんどん封印する。大きな出来事は俺の記憶と違いない。

 違うのは俺の知ってる三人、愛、折紙、七罪がいないこと。正確には愛と折紙はASTにいるみたいだけど、前みたいに関わっていない。

 

「琴里、令音さんはあの二人と同居してるんだよな」

「そうらしいわよ。私が初めて会ったときには既にね」

 その代わりとでもいうのか、令音さんは二人と同居している。俺にも何が起こってるかわからない。

 

「どうして一緒に暮らしてるんだ?」

「なんでも十年以上昔からの付き合いらしいわよ。おむつを替えたこともあるって」

 前の世界でも仲良くしてるとは思ってたけど、そんなのは初耳だ。

 俺たちが変えたのは五年前だぞ。五年よりも前の歴史が変わってるじゃないか。

 

「どうしてそんな付き合いがあるんだよ?親戚でもないんだよな?」

「さあ、そこまでは私も知らないわよ。どうしても気になるなら令音に聞きなさい」

「そう……だな」

 気になることは沢山ある。謎は尽きない。

 ただ確かめないと。 愛は精霊に乗っ取られず済んだのか。

 

「琴里、頼んだものは大丈夫か?」

「……何を考えてるのか知らないけど、一応用意しておいたわ。観測装置」

 近くにはフラクシナスから飛ばされたユニットが待機している。いつもの精霊攻略と同じ、いろいろな値を記録してくれる。

 

「なんなの?相手は精霊だとでも言うの?」

「かもしれない。俺の杞憂だといいんだけど」

 精霊だったら霊波が観測されるはずだけど、そうでないことを祈るばかりだ。愛がまだ精霊だったら、アレが暴れだすことになる。

 

「待たせたね」

 鼠色のコートを着た令音さんが俺たちの方へ歩いてくる。その後ろには目的の二人がついている。

 同じ髪色の姉弟。どこか二人の面影を残していた。

 

「おり……がみ?」

 思わずじっと見つめながら呆けてしまった。それは俺の知っている折紙ではなかったから。

 まずは髪の長さ。以前は肩口をくすぐるくらいだった白い髪が、腰まで届くような長いものになっていた。

 

 そして服装。

 グレーの花柄があしらわれた白いワンピースに青みがかったカーディガンを合わせている。

 女の子らしくて似合ってるけど、俺の中の折紙は着ないイメージだ。

 

「えっ、君は……⁉」

 俺のことをぼーっと見つめる折紙。しばらく俺たちは向かい合って見つめ合った。

 そう、あの折紙が滑らかに表情を変えているのだ。少し口を緩めるくらいの変化しか見たことないあの折紙が。

 それに所作もどことなく柔らかい。まるで普通の女の子みたいだ。

 

「ふん」

「あぎぃ」

 琴里が俺の足を思いっきり踏んづける。思わず悲鳴を上げてしまった。

 

「どうもうちの愚兄がすみません。少し気の利かないところがありまして」

「いや、うちのお姉ちゃんも止まってますし」

 俺がもだえる横で琴里と愛が謝り合っている。呆けていた俺のフォローをさせてしまったみたいだ。

 

「ほらお姉ちゃん、しっかりしてよ」

「は!ごめんなさい、愛くん」

 折紙も俺と似たような状況になっていたみたいだ。

 

「いや、ごめん。思っていたよりかわいい子が来たから」

 何とか誤魔化さないと。これじゃあ、第一印象最悪だ。

「そんな、かわいい子だなんて」

 折紙はちょっと照れ臭そうに手を振る。何とか誤魔化せただろうか。

 

「案外仲良くできそうじゃないか」

 令音さんは俺たちを見て笑っている。

 俺と琴里、折紙と愛が向かい合うように座り、令音さんはその中間に陣取った。まるで仲人のように。

 

「それじゃあ、互いに初対面ですし自己紹介でもしましょうか。僕は鳶一愛」

 愛が率先して自己紹介を始める。

「令音さんの家族……で合ってるのかな?」

「う~ん、正確には同居人かな。養子縁組はしてないし」

 ただ、前の世界と比べて幼い印象を受ける。あの理路整然としたところも底知れない不気味さもない。

 

「趣味はプログラミングとスイーツショップ巡り。よく令音さんといい店を探してますね」

 なんで中学生がプログラミングやってるんだ?そんな疑問は『愛だから』で納得できる。

 よく考えたら愛って甘党だったな。前もケーキ山ほど食べてたし。

 

「スイーツショップのおすすめは何かある?」

 琴里が愛の自己紹介を広げる。俺もちょっと気になるな。

「駅前の新装開店したところが美味しかったですね」

「あそこね。まだ行ったことないんだけど、そんなに美味しかったの?」

 琴里も知っているようだ。顔を前のめりにして興味を持っている。

 

「あそこの店長、海外で修業した後店を開いたみたいで。味は確かなんですよ。経営があんまり上手じゃないみたいですけど」

「そういう店、結構あるわね」

「はい。個人的には頑張ってほしいです」

 互いにうんうん頷いている。ついでに令音さんまで。

 

「私は鳶一折紙。愛くんのお姉ちゃんで、令音さんのことはお姉さんみたいに思ってるかな」

 折紙は胸に手を当てて朗らかに笑う。その笑顔はまるで天使のようだ。

「趣味はかわいい小物集めで、簡単な刺繍くらいならできるよ」

 折紙はカバンの中からスマホケースを取り出す。布タイプのカバーに猫の刺繍が施してある。

 

「かわいいな、それ」

「えへへ、ちょっと頑張ったんだ」

 折紙が髪を触りながら照れ臭そうに笑う。とても女の子らしい。

 

「あんまり士道の周りにいないタイプね。こういう趣味の方が受けが……」

 琴里が横で何かぶつぶつ呟いてる。羨ましいんだろうか?

 

 二人に続いて俺も自己紹介をするんだけど、困った。俺と令音さんの関係って説明できるもんじゃないよな。

「俺は五河士道。令音さんには……まあお世話になってます」

 適当にはぐらかすしかない。秘密結社のメンバーとその協力者なんて馬鹿正直に言えないし。

 

「趣味は家事全般で、特技は料理かな?大抵のものは作れると思う」

 父さんと母さんは基本海外にいるからな。高校に入るころには一通りできるようになった。

 

「へぇ、家庭的でいいと思うなぁ。何か得意な料理とかあるのかな?」

 折紙が話題を広げてくれる。こっちの折紙は人付き合いが豊富そうだな。

「最近はちょっと凝ったものが面白くて。切るタイプのオムライスとか」

 テレビで見た十香にリクエストされたんだよな。

 

「五河君かっこいいなぁ。今度、食べてみたい」

 折紙は胸の前で手を合わせて微笑む。不意にドキッとしちまった。

「お安い御用だよ」

 

「うん、楽しみにしてるね」

 何だこの胸の感覚は。心臓の鼓動が少しずつ早くなってる。

 大胆な行動をされたわけでも、過激なことをされたわけでもない。女の子らしい所作と笑顔に心奪われる。

 

「それじゃあ最後は私かしら。五河琴里、士道の妹よ。今日は士道のわがままに付き合ってくれて感謝してるわ」

 琴里は中学生らしからぬ大人な対応だ。残っていたココアを静かに飲んでいる。

「いいえ、いい機会だったかもしれません。令音さんからしょっちゅう聞いていましたし」

「そう言ってくれると嬉しいわ。私も前々からあなたたちには興味があったの」

 愛と琴里のやり取りが続く。

 

「そもそも令音さんとどういった関係なんですか?令音さんの職場の関係とは聞いていますけど」

 令音さんはラタトスクの解析官だけど、そのことをおいそれと話せない。同居人だけど秘密にしているみたいだ。

 

「うちの両親が令音の会社の人間でね。詳しくは話せないけど、昔から令音とは仲良くしてたのよ」

 本当は琴里が令音さんの上司なんだけどな。毎日のように精霊に関することでお世話になってる。

「ふ~ん」

 愛の目は疑い半分といった感じだ。令音さんが否定しないから聞き流しているように見える。

 

「士道さんでしたね。最初に僕たちに会いたいと言ったのはあなただとお聞きしています。どういった理由でしょうか?」

 愛の口調は丁寧だけど視線が鋭い。試されているようだ。

「えっと、俺も令音さんから聞いてて興味が……」

 事前に用意してた当たり障りのない理由を告げる。前の世界でお前たちと仲良くしたからなんて言ったら頭のおかしいやつみたいだし。

 

「それ、嘘ですよね?」

「え?」

 俺が言いきるよりも前に、愛は核心を突いた。さっきとは違う意味で胸がドキリとする。

 

「今、嘘の感じがしました。それに、その目は何かを探ろうとしてる目です」

 心臓を鷲摑みされたような気分だ。ロジカルに詰めてくる前の愛とは違うけど、これはこれで恐ろしい。

「ちょっと、愛くん」

「……」

 折紙の制止を聞いて愛は渋々引き下がる。ただ、その目の納得していない。

 なるべく正直に言うしかないな。

 

「実は、二人の名前を聞いたとき初めてじゃない気がして。今も俺は既視感を感じてる。俺たちどこかで会ってないかな?」

 なるべく曖昧にでも本当のことを伝える。何か知ってたら二人からリアクションがあるはずだ。

「予知夢でも見たんですか?」

 愛は俺の方を見て訝しんでる。そりゃそうか。

 ただ、前の世界の記憶はないってわかってよかった。これで前の世界と同じことは起こらないだろう。

 

「言ったら馬鹿にされるかもしれないって思って、言わなかったんだけど。私も同じことを思ってたんだ」

 折紙が胸の前で手を握って呟く。折紙の意外な告白に視線が集まる。

「本当か?」

「うん、私たちずっと昔に会ってたような気がするんだ」

 折紙はちょっと顔を赤らめて語る。しかし俺は疑問しか感じなかった。

 

「昔?」

 前の世界のことを昔って言ってるのか?でも、言い方が不自然じゃないか?

 

「やってることが怪しい詐欺商法ね」

「琴里さん、同意しますよ」

 中学生二人の言葉で現実に引き戻される。傍から見たらクスリをヤっているようなヤバい会話しかしてない。

 

「えっと、何かごめん……鳶一さん」

 向こうは今日が初対面なんだし。いきなり呼び捨ては変だよな。

「こちらこそ、変なこと言ってごめんなさい」

 俺と折紙は米つきバッタのように謝り合う。会合は変な空気から始まってしまった。

 

♦♦♦

 

 その後もこの世界で初めての会話は順調に進んだ。話題を振ると心地よく返してくれる折紙。

 こちらは前の世界より順調に見えるくらいだ。

 

 問題は愛の方だな。

 一歩引いた立ち位置でこっちを伺うような視線をずっと感じた。さっきのやりとりで疑われちまったかもしれない。

 そして、別れの時間は訪れる。

 

「五河君、今日はとても楽しかったよ」

「こちらこそ、えっと……鳶一さん」

 やっぱり呼び慣れないな。ずっと折紙って呼んでたし。

 

「呼びにくそうだし折紙でいいよ。私、自分の名前気に入ってるから。五河君にも是非呼んで欲しいな」

 折紙は俺の内心を察したように提案してくれた。正直ありがたい。

「それじゃあ、折紙」

「うん」

 折紙は今日一番の笑顔を見せる。その顔に俺は瞳を奪われてしまった。

 

♦♦♦

 

 夕日が差す道を琴里と一緒に歩く。愛が問題なさそうなことは確認したし、とりあえず落ち着くことができそうだ。

「士道はどんどん精霊をたぶらかすが上手くなるわね」

「誰のせいだと思ってんだ――よ?」

 琴里の軽口に反論しようとして変なことに気づく。今、精霊って言ったか?

 

「まさか、士道の懸念が当たるだなんて思わなかったわ」

 琴里が耳を触り取り付けていたものを取り外す。その手にはインカムが握られていた。

 

「今日の会合の間ずっとつけていたのか?」

「観測しろって言ったのは誰よ?私が指示しないわけにはいかないじゃない」

 

 琴里は真剣な顔になり、俺のみぞおちに指を突きつける。

「新しい精霊の攻略をしないといけないわね」

「それってまさか」

 固唾を飲んで琴里の言葉を待つ。

 

「鳶一折紙は精霊よ」

「そっちかよ!」

 困惑の状況は続く。新たな精霊の攻略が幕を開けた。




待ちに待った改変後の世界です。士道と読者を困惑させる世界で新たな物語が紡がれます。

今回の裏話は改変後の世界について。

基本的に愛くんが関わってないので原作準拠の話になっています。七罪が攻略されていないことと折紙が関わっていないことを除けば原作通りだと思って大丈夫ですよ。

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