オーバーロード17 支配の共鳴[上]異種族の恒久的平和の為の世界平定と忘れ去られた38人目の忘れ形見(最新16巻直後からルート分岐) 作:ぽきぷし
処女二次創作です。
2025 11/12
校閲に取り組み大幅改稿しました
キーボードとタブレット揃えられましたので。
11/17
誤字報告いただきました。全採用しました。ありがとうございました。
12/27仕上げました以後001話変更予定なし。(誤字脱字直し除く)
プロローグ 001話 アインズは冷静になりラナーは保身の為に画策し始めたようです。(最新話からのエピソード分岐)
Prologue 魔導王大イニ激昂シ皆ニ命ズ
sideアインズ(鈴木悟)
番外席次を降し捕縛した事で、シャルティア洗脳への怒りの矛先が確定した。
スレイン法国への報復をかつてない程積極的に決意したアインズは、法国への侵攻計画をナザリックに属する三大智者に命じる事にする。
ちなみにアインズの考える魔導国に忠誠を誓う者でその三者となればアルベド、デミウルゴス、ラナーとなる。能力と忠誠心に問題がなかろうともパンドラズ・アクターは数には入れづらい。
知力がドッペルゲンガー特有の何らかの補正でアルベド達の9割程でもあるのであれば、本来あらゆる作戦の相談相手として用いて良い緩衝材となりえるのだろうが、自らの黒歴史を体現した装いと口調により会話にある種の恥じらいやら緊張感が生じるため頼り辛いのである。
もっとも、英雄モモンの役割もまだ演じさせており、エ・ランテルの監視(という名目の自分の冒険者ロールを楽しむキャラクター)としてまだまだ引退させずに据え置いておきたい。無論ドッペルゲンガーとして命じればどんなロールもこなす便利な存在であるのは間違いないのだが。
一方で新たに陣営に加わり直接の接点はないものの、今の所よく働いているラナーの内面の異常性については乙女心など鈴木悟の頃からてんで解する自信のない身からすればアルベドへ丸投げである。女性同士気が合うだろうし…などとの考えは元の世界のジェンダー差別に触れる古き思考だが、こればかりはどうにもならない。
転移した異世界の現地人の中でもナザリックに適応出来る精神性の化け物と言って差し支えない頭脳とメンタルは、異世界でも二度と誕生しないかも知れない奇貨であり、その忠誠の基であるクライムなる偏執先共々、永遠に魔導国へ仕えさせるべきだ。
その点アルベド達の立案した先の策は、悪魔族が周囲に魔導国以外で生息するには目立ち過ぎる点で、好意を向け合う二人が他の地での生活を困難にする上に、周囲の同僚となるナザリックの面々で謀反などの実力行使に出た際に圧倒的強者である優位がある為十分対応でき、またそう行った選択肢を諦めざるをえぬ状況に縛る名案であるだろう。
エルフの王都から帰還して数刻、
ナザリック地下大墳墓、第九階層。玉座の間を満たす空気は、絶対者の怒りによって物理的な重圧と化していた。
アインズ・ウール・ゴウンは、かつてないほどに明確な殺意を「スレイン法国」へと向けていた。守護者たちはその覇気に当てられ、歓喜と畏怖に震えながら跪いている。
アインズ(鈴木悟)は、眼下に平伏すアルベド、デミウルゴスを始めとした階層守護者達がひれ伏す前で、とっくに怒りが鎮静し落ち着きを取り戻したアインズは内心で自らを鼓舞していた。
(……怒っている。私は確かに怒っている。だが、同時にこの感情はどこか冷めている。これが『強制鎮静』の恩恵か、それとも。だが、引くわけにはいかない。ナザリックの家族を傷つけた者には、相応の絶望を与えねばならないのだから)
アインズは、ラナーをナザリックの地下大墳墓の最高機密を除く多くの機密に深く関与させることを宣言し、法国解体のための「最善の計画」を練らせるようにアルベドに命じる。
「アルベド、デミウルゴス。。ラナーも含めたナザリックの三大智者と我が信任するお前たちの策を結集させ、法国が考えうるあらゆる末路を想定した案を示せ。……魔導国から公式に仕掛ける初めての侵略だ。一兵たりとも、一民たりとも。我が怒りから逃れられると思うな」
その言葉は、ナザリックの総力を挙げた「絶滅作戦」の合図であった。
「
「そしてアルベド。ラナーに『魔導国上層部』が知り得る周辺国に対するこれまでの活動のあらゆる情報とナザリック大墳墓に関する概要《ラナーの知るべき凡その機密》を全て共有せよ。その上で各自が持ち寄った大小様々な案を擦り合わせながら法国への敵対を開始する。」
少し過激な内容指示に傾いてないか、主人たるに相応しい振る舞いができているかの不安を抱えながら付け加える。
「ああ、慌てずとも良いぞ、法国が何らかの方法で番外席次の敗北と魔導国の関与に気づいたとしても個々人の戦力はあの小娘以下で上層部は合議制である事は既に判明している。余程の秘匿戦力や法の外の存在がいない限りはな。数日で準備して法国に接触すれば相手は後手にまわるだろう。お前たちならば、今後の大陸全土、別大陸との接触も見越した見事な作戦立案を成すと信じているぞ。但し今回は立案から行動までの早さを第一とする、明け方再び階層守護者とラナーで協議を正式に行うものとするが、事態の終結まで臣下の口上など無駄は極力排除するように命じる、これを破ることこそ、ナザリックの主人に対する不敬であると自覚せよ。」
「「「「御意!」」」
悟が社畜時代から耳にした期待している、信じている。そんな上司から無責任な言葉と同じ安易な言葉をまた放った事への罪悪感はここ一番、非常事態である事に比べれば気にならない。
しかしまた自分が大局を見据えて命じているかの様な保険をかけた形の命令になってしまったのではないかと、今後の先行きに不安を感じるのであった。(まあ、何とかなるだろう。これまでもやってこれたわけだし)
ちなみにそれを受けてデミウルゴスは、至高の御方の威厳のある口調に混じる怒りに慄きつつも、残された自分達へ初めて心から望んで命じられた檄に、またその動機が自分達を害された事に起因することに歓喜感涙し。すぐさま尋問の進捗情報の確認と周辺国への情報の再分析、侵攻計画の立案に取り掛かるのであった。
そして…
近隣国への歴史的背景や現状の情報と分析に明るくここで、忠誠と有能さを示し自分の価値を高め魔導国へ有用性を示そうと怪しく笑う事になるラナー。
まもなくアルベドより魔導王の勅命を受けより深く魔導国とナザリックに触れる事になり、クライムとの永遠の甘い生活にも直属の上司アルベドへの配慮も欠かさずにその才を振るう事に躊躇はない。
そして…
守護者統括として、また最愛のモモンガ様との将来の為公私共に可能な限り全力で法国に連なる危険分子を根絶さようと目論むアルベド。
あわよくば人心洗脳のアーティファクトを自ら先んじて見つけ…などと企んでいたアルベドであるが、
同じくナザリックの同胞で階層守護者であり唯一異世界で大きく害されたシャルティアとも異世界で関係を構築していくうちに確かな仲間意識が芽生え外敵に対して徹底的に制裁を下す事は己の邪悪さを抜きにしても否やはない。
しかし、今回自分が大墳墓で守護を任じられアインズの御身を自分以外の守護者に任せて来るかもわからない大墳墓の守護につくような計画となってしまっては耐えられない。
デミウルゴスと歩調を合わせた計画の立案を行うべきであるのにその前にラナーにこれまで渡しきらなかったナザリックの事も含む情報の提供というどこまで渡すか非常に繊細な判断を必要とする精査作業を並行しながらの申し送りとともにアインズに命じられた通りに作戦立案の命が下った事を伝えた後に計画を練り、ラナーにも釘を刺して自分に同調する策を出すよう穏便に頼まなければならないと、予期せぬ駆け引きに時間を割かれて計画立案への出遅れを予感して焦るのであった。
謁見の間が不在となり自室に戻ったアインズは、大号令とも言える侵攻の指示を出したことで、未だに興奮と不安が収まらなかったが、流石にやりすぎないように落とし前、落とし所をどこに決着させるか自分でも案じ始めた。
今後魔導国が法国に対してどういった侵攻をするにしても、何百年と続く国家のノウハウや八欲王・六大神・十三英雄の伝承の情報は正しく入手したい。二十クラスのアイテムの存在が見え隠れするし、できるだけ魔導国としては有利に立って法国に自主的…は無理でもアイテムと情報は綺麗な形でいただきたい。
当然王国を支配下に置く際に出張ってきた白銀人形を操るリクを名乗る存在及び、その勢力が再び介入して来る危険も容易に想定できるし、状況に応じて前回のように敗けを演じて本丸を呼び寄せる計画も立てなければならない。今後の近隣国や大陸統治の為にも無用な敵対はこちらも望まないのだが法国への侵攻は自分の望みでもある以上面倒な手段を取りつつナザリックの戦力を多く投入する必要もあるかもしれない。
(いっそ総力の3割位投入して派手に……でもな〜)ナザリックの防衛支配地の防衛に最低限と、従属国友好国への派兵戦力は残して
今日もない筈の胃が痛む気がしつつ、まずは大まかな指針を番外席次拷問中に考え、
「あれ?でもイケるか?いや、やっぱり厳しい?うーん」
などと唸りながら、智者達の仕上げた完璧な計画に目を通した際どう対応すべきか、智者たちの擦り合わせた立案が上がってくるまで気を揉みつつまだ起こらぬ守護者達に対して自分が唯一胸を張って、得意と言える戦闘へ投じる戦力の選定で気を紛らわせるのであった。
sideラナー
現在、ラナーは自ら来室してきたアルベドから、魔導王陛下の勅命を受けると共にこれまで以上の情報を開示される申し送りの最中思案する。
種族を変化させて改めて天上の頂が如く感じる圧倒強者の群れで生き延びる為、ことここにおいて直属の上司であるアルベドに対して魔導国に恭順した王国を始めとする国々への情報操作(親魔導国化への民意誘導)や国内の多種族共存共栄化のための様々な政令の提議をゆるゆると行いアルベドに過度な警戒を抱かせない程度に有能さを示すなどとは言っていられなくなった。
アルベドがどうやら本気で慕っているであろうアインズは、アルベドからしても他種族である。ラナー自身がアインズに懸想したり、出過ぎた真似をすれば即消される立場であるのは変わらないが、このこれまでの生で蓄えてきた王国周辺国の自分の情報と十数年にわたる分析による予測が一番発揮できる機会であり、直接戦闘能力においてそれこそ百年以上後れをとっているであろう自分がアルベドを介さずに魔導王及びその側近である守護者に対しての忠誠と能力を印象つけられる唯一の機会かもしれないのだ。
王国の人間種主体の近隣諸国の中で明らかに総合戦力が最上位であった人間種至上主義の法国が過去の神人とやら達が遺したアーティファクトで眼前のアルベドと役職こそ違うが同等の能力を持ち、ナザリックという魔導国の基となった大墳墓の面子としては同格である真祖吸血鬼シャルティアを洗脳する事に成功したまま放置したという一件の犯行が、法国の手によるものと確定した今、元王国民や元人間種というだけで自分やクライムにあの絶対なる君臨者の怒りの矛先が向くのはいただけない。
クライムはなけなしの勇気で自分を庇ってくれるだろうしその蛮勇を見守るのを想像するだけで愉しく愛おしいが両者生存して永遠に暮らす方が良いに決まっている。
ラナーは決して刹那的快楽主義者ではない。一番最悪なのは自分のいないところで別々に処されて自分を想うクライムの愛らしい死に様さえ想像するしか出来ないまま処された後に、悪魔族の肉体をエルダーリッチなりに創造しなおされ知性のみを黙々と使われ自我を歪められ使役され続けそれさえ何の不信も不満も抱かなくなる幼い頃の自分以上に自我のない人形として存在し続けることだ。
また、アルベドによってクライムではなくラナーのみに知らされた、番外席次拷問の第一報と魔導国が行ったこれまでの権謀術数をみるにクライムがガゼフやブレインと同程度に尊敬していた上にナザリックの圧倒的強者の一人であるセバスまでも古くからナザリックに使える執事長らしく、彼とクライムはまだ魔導国に降ってから接触した話は聞いていない。
セバス当人が故意に接触を避けているにせよクライムが一連のヤルバタオト騒動に前後する悲劇と魔導国に疑いを持たずに二心を抱かせない為セバスチャンとの渡りも早めにつけ、しこりの残らぬようにしておく必要がある。
(私の以前仕込んだ法国の協力者からの情報を精査するとアーティファクトが一つ「け・せぇけ・こくぅ」、が洗脳の原因である事は間違いない。ナザリックの偉大な方々はまだ再使用までの時間のインターバルの情報は気づいていないか、確信を持っていないはず。たしか法国最強でありながらも番外席次は出生の事情によって同情され、孤立し腫れ物扱いする上層部もいたのだから、最重要機密のアーティファクトの弱点を危険因子になり得る人物に教えるほど法国は甘くない。これを踏まえて近隣の人間種全てが恭順するか滅ぶかする前に印象的な働きを魔導王にまで示さなければならない。それも少なくとも人柄の不明な魔導王とアルベド両者の怒りを買わずに)
「この二つの問題を一手で解決して、魔導王陛下のご所望の魔導国の名声を落とさず法国を降す若しくは滅ぼすなり属国化するなりする為の策は……立った。アルベド様のみならず必ず魔導王陛下の御前で申し上げなくては意味がないわね。ふふふっ。クライムがどんな顔をするか楽しみ」
アルベドから申し送るべき事を聞き終えて一旦計画立案の為に退室しても内心思考を続けていたラナーは、鏡の中の自分に向かってそう呟き更に深い思案に入る。魔導国内でラナーのみが把握している洗脳のアーティファクト、その所在をアルベドに知らせることなく先に入手してアインズとの交渉に利用するのか、自分でアーティファクトを入手し隠し持つのかどうすれば自分の望みが叶えられクライムとの永遠の幸福の時を過ごせるのか。アルベドが個人的目的で献上を強請ってきた場合どうかわすのか。競わされるかのように立案を命じられたデミウルゴスとアルベド、発言頻度の少ないというアウラ、マーレ、シャルティア、コキュートスにクライムとの縁があるセバスチャン。ラナーは優先順位を誤らない、もう幼く無力な少女ではないのだ、太陽のような眩しさと全てを蝕み浸食する悪意を兼ね備えた毒の華が芽吹き始める。
アルベドからの大量の情報と簡潔な口頭伝達を受けながらも思考を続けておりとっくに自分の立案した策を仕上げたラナーは、アルベドに先んじて法国に対する第一手となる策の進言の為に玉座のまでの協議に向けて、の前の根回しとして上司でもあるアルベドに面会を求める必要があった。
プロローグ01 終
ほぼ完成したプロローグ001話です。今後の改稿は控えます。
早く第一章~四章までの本編作成したいなあ