オーバーロード17 支配の共鳴[上]異種族の恒久的平和の為の世界平定と忘れ去られた38人目の忘れ形見(最新16巻直後からルート分岐) 作:ぽきぷし
番外席次は捕えられ死亡する前にニューロストの拷問に耐えていた。自身の強靭な肉体と裏腹にすぐに知りうる事を白状した上で、自分を厳しく叱責し続け法国の最高戦力として鍛えられた日々を懐古する。
神人の血の系譜の母と神人の世界と縁があったであろう世界からの降臨者、八欲王の縁者の一人の血を継いでいたらしいエルフ王の父の血。
混ざり合って生まれた自分の法国での生き方は他に無かったが、自分の強さというアイデンティティの喪失により、幼少期の辛く孤独な日々と先日までの孤高を強いられた番外席次としての自分の人生を全て砕かれた思いだった。
「本当に何もないね、ワタシには・・・。」
「哀れがる、必要はないのでは?」
「!!」
現れたのはアンデッドの国として強烈に印象を残した魔導国に似つかわしく無い壮年のエルフ、の霊体だった。
「【緑静の波動レベルⅡ:緩和】」
辺りにレスタト翁の古老森人としての種族スキルが発動する。緑、黄緑を中心としたエフェクトが辺りに満ちると共に番外席次に余裕が戻ってくる。
「あら初めましての顔ね。ここは?魔導国じゃないの?」
「いえ、あなたは魔導国の臣民を襲ったので捕虜となりました。しかし、法国からの洗脳教育、虐待から逃れられて幸福になるチャンスを得られたのです。」
「何、を言ってるの?正気?」
「ええ、魔導国は全ての生者と死者の尊厳と希望を護る国ですからな。民間人として入国していたダークエルフの子供との会戦、襲撃に関しては貴方に責任を取らせる事はございません。ああ申し遅れました某はレスタト=Tゲバー=エアハーヴン、魔導国の相談役としてアインズウールゴウン様にお仕えしておる老ぼれエルフの英霊でございます。」
「やはりレイスの上位種?!この満ちている緑の胸糞悪いのは貴方の仕業かしら?」
「今満たしたオーラこそが小生が前払いでお渡しした希望。再び絶望の淵に追い詰められぬ様に小生が魔導王陛下に代わり選択肢を提示致します。どれを選ぼうとも選ばなくとも構いませぬ。交渉も自由です。期限は法国が外交のテーブルに着くまでの数日以内。逃亡や反抗は我々への印象を悪くするだけですのでお勧め致しかねます。小生程温和な臣下は魔導国に少ないですからの。」
「こんな状況で交渉なんてっ!自分の選択する道は自分でっ
「切り拓くのが最善とは限りませぬよ。魔導国に、アインズ陛下に甘えてみてはいかがかな?」
重ねられた強く穏やかなレスタト翁の言葉と共に、緑静のオーラと魔力の揺らぎが一層強まる。
「くっ!なんて魔力量・・・。一つ教えてくれる?魔導王は貴方以上のバケモノなのかしら?」
「あの様な徳の高いお方をバケモノなどと小生はとても嘯けませぬし、敵対するやも知れぬ御仁に大将の情報を漏らすほど愚かにはなれませぬ。」
懐柔に一歩踏み込んだ翁は嘆息しながら、穏やかに顎髭を撫でる。
「しかしながら魔法と記憶しか取り柄の無い小生と比べるまでもなく、人望・大局観・人柄・戦闘技能、全てにおいて小生以上の傑物。と評せば満足いただけますかな?」
「そう、それはとても魅力的ね。聞かせてもらえる?その私の選ぶべき選択肢を。」
レスタト翁のユグドラシル時代の種族属性魔法です。レベルⅠ〜Ⅴはデバフ解除やバフ効果に特化してます。相手は任意で範囲内の者を選択可能。ユグドラシル時代にも使えた範囲バフデバフの転移後初使用です。