オーバーロード17 支配の共鳴[上]異種族の恒久的平和の為の世界平定と忘れ去られた38人目の忘れ形見(最新16巻直後からルート分岐) 作:ぽきぷし
舞台は変わらず玉座の間
Side:アインズ(鈴木悟)
「さて、簡略化した臣下の礼もこの場では不要、言うまでもなくエルフとダークエルフの部族の集合体であったコミュニティとスレイン法国の戦争に対し横殴り__予期せぬ軍事介入をする形となった結果、幸運にも法国の最高戦力の一端である番外席次から情報を得られた。」
「これまで我々は転移初期から幾度となく鉢合わせた目障りな蝿ども__潜在的敵対国であった法国とその守護神と崇められる六大神の存在と遺産を警戒し慎重にならざるをえなかった。しかし番外席次から知り得た情報を基に算出した法国の国家戦力は暗部である漆黒聖典やその前任者共、近隣で暗躍する人間種、現存するやもしれぬ神都のプレイヤー或いはその従者含めて数でもレベルでもナザリック勢力で対処可能な見込みが高い。」
「にも拘らずすぐに攻め滅ぼす選択を取らないのにはいくつかの理由がある。一つは魔導国としての立場の継続、国家間の同盟以上のの国際条約も無いこの世界において大陸での戦争は本来強者であればやりたい放題、しかしながら急激に版図を拡げた強国が少しの綻びから亀裂を生じさせ瓦解し虐げてきた周辺国にしっぺ返しを喰らうのはどの世界の史実にも共通するところであろう。不死不老の者が中枢で数多の種族を導き守る国を国是として標榜している魔導国としては周辺の弱小国への併呑であれ蹂躙であれ、お題目が必要となる。その外堀を埋め法国を大陸で孤立させ此方の意志を通させる為の周辺国への外交とその根拠となる妥当性のあるお題目の作成、それを通す為の周辺国への交渉が初めに取り掛かるべき重要タスク。作戦の第一段階(フェーズ1)だ。」
いつも以上に饒舌に理知整然と考え予習してきた自論を垂れ流す姿がちゃんと支配者然としているのか?集まった一同以外の虚空に向かって視線を彷徨わせるが、悟の視線の先の存在を誰も知覚できない。もっとも視線の動きすらガランドウな眼窩のせいでNPCの感じ方によって様々である。とりあえず一本指を立ててみるが支配者ロールは気恥ずかしい。
(ここまでは間違ってないよな?えーい、みんなの反応確認するのも怖いしこのまま突っ走るのみ!)
「そして周辺国の大半の理解と賛意を得られたとして苛烈に、あるいは真綿で生者の首を絞めるかの如くじわじわ締め上げない理由、これは王国に対してあるいは帝国に対して行った作戦にも含まれていたのと同じく法国を無力化した先を見据えてだ。ナザリックでも屈指の知恵者であるアルベド、デミウルゴス、そして二人に比肩する『類稀なる精神と知恵を兼ね備えた人間種を超越した少女』変異種ラナー、その3名が如何に優れていても予期しえない事が起こる。
この大陸の情報を網羅しようとも、聖王国のネイア・バラハの例の様に我々の介入によって突如国において重要な意味を持ち始めるキーマンも誕生しうる。
そして心情、行動、動機に事態の推移、その全ての因果を予測する事は不可能である事が王国の件で証明されたな?」
「そう、アルベドが耐え忍び転がしていたはずの稀代の馬鹿貴族の行いだ。同格以上の知恵者の存在の思考を理解出来ないのと同様に、常軌を逸した幼児性と短絡的で傲慢な愚者が分不相応な欲求に突き動かされた巻き込み自殺志願者と化すなどこの場の誰もが予測しえない。私もそんな馬鹿が出来上がるなど事態が起こってからなんとか想像できただけで未だに信じ難い。そういった不確定要素が絡むやもしれない今後のために、殺すのも滅するのもいつでも出来るならば取り敢えず『ナザリックの面々は慈悲深い異業種の集まりで、他種族を排斥し人間種で結束して統治してきたスレイン法国の数百年の統治に勝る、平穏と恵みをもたらす救いの手こそが魔導国である』と一貫して大陸のあまねく生者に示しておく方が楽だろう。」
「そこで国交の全く無かったスレイン法国に大して彼らの教えの誤りと矛盾をつき、今後の統治体制に疑心を抱かせ最終的に六大神信仰の廃れた人間種の住まう地域(エリア)としてしまえれば良い。その一連の外交と政治介入が第二段階(フェーズ2)だ」
「そしてその外交の過程でシャルティアを洗脳したワールドアイテムらしき存在と今や六大神と崇められているプレイヤーの所持品を可能な限り収集する、これは取引での献上でもスレイン法国と化した、プレイヤーの勢力に対するPKの戦果として押収する形でも良い、結果600年の歴史と信仰の全てを奪い情報と名声を戦利品とするのが最上。」
「そして理由その三。これはいうまでもないが我々の身内であるシャルティアに行った所業が到底看過できないという私の個人的な感傷によるものだ。我々は転移したこの地に生存圏を築く事に成功した以上、大いにこのギルド戦(集団vs集団)を愉しもうじゃないか。」
二本立ててた指を三本にしてポーズを決めた後、気恥ずかしげに鼻の跡をポリポリしながら勿体ぶったアインズは遂に自分のうっかりを告白し始める。
「そして長ったらしい戦略の枠組みを踏襲した上でスレイン法国に仕掛ける『転移後初の祭り』を前に一つ皆に謝罪しなければならない。」
長い前置きを終えてついに悟はついに自ら不明を独白し始めた。
次回、ようやく新キャラ(オリキャラ)その一、登場。
あまりにアインズのセリフが長すぎるので改稿して肉付けするかもしれません。
なお、潜在的敵対国という表現は鈴木悟の知識、経験上頑張って使った誤用であり誰も指摘しません。潜在的敵国をアインズの心情により歪められて使われた誤用です。一夜漬けのアインズの限界でもありその場の誰もが許容した言い回しです。
投稿日の21時台から誤字、表現意味不明な所改訂しました。
いつも真っ先に誤字報告して下さってる某HNの方からの訂正報告読まずにセルフで訂正と改稿したので誤字訂正は不十分かもしれません。せっかくのご厚意に対して申し訳ないです。
12/27最終改稿しました。