オーバーロード17 支配の共鳴[上]異種族の恒久的平和の為の世界平定と忘れ去られた38人目の忘れ形見(最新16巻直後からルート分岐) 作:ぽきぷし
レスタトとの邂逅の詳細。
003話直後に読んでもよし。
sideアインズ
現れたのは、頭髪を剃り、黄金がかった白い顎髭を多く蓄えたエルフ耳の上に耳たぶの大きく垂れた福耳の壮年の男性、修験者の様な格好を着崩しており穏やかさと貫禄を兼ね備えている。何より霊体と分かるこの世の者とは思えないオーラと精霊の様な霊魂を周囲に纏った異様な容姿。
(ナザリック大墳墓の誇る防衛網、考えうる限り厳重に警備させた俺の私室に突然現れた霊体?実体化するまで探知魔法に何も引っかからない謎の存在...その正体が坊さん姿の幽霊?エルフ族とも違う?何処かで見た様な...この統一性のない容姿、誰かが創った存在な気がするけど…、うーん、分からん!)
動揺を悟られぬようにさりげなく手元でメニューカーソルを開き顕現した存在の情報を相手の方に眼窩を向けたままメニューウィンドウに目線を流し情報を得ようとする。
「メニューウィンドウに在る通り、小生は有象武将様に創造された存在、これまでの不在を謝罪いたします。」
先んじて告げられた通りこれまで死亡扱いですらなく空白になっていた箇所に『レスタト=Tギバー=フリーヴン』の名が刻まれており、生存しているNPCとして表示されている。自身がこれまでほとんど不審に思わなかった一行の空欄に記憶の奥底に眠っていた、『レスタト=Tギバー=フリーヴン』の存在が、そしてその制作者である38人目のギルドメンバー『有象武将』さんとの思い出が蘇ってくる。
しばしの沈黙を穏やかな表情で静かに揺蕩う、泰然とした年老いたエルフに似た容姿をした霊体レスタト。セバスチャンよりも高齢な容姿の上穏やかで神聖な雰囲気を纏ったその
「そ、それで、有象武将さんの創造したレスタト=Tギバー=フリーヴン、今まで何処で何をしていたか聞いても良いかな?」
「ええ。その前に砕けた口調での発言の許可をよろしいでしょうかの。」
「構わん。許そう。」
「拙僧は転移前のユグドラシルという世界の天蓋に深く結びついたエルダーエルフの英霊でありクリスタルの一部を情報思念体としてユグドラシルの世界に結びつけられておりましたのでな。転移が生じた際自身の権能に大きな変異が起こる事を認識。そして転移時にユグドラシルの世界のシステムと自身の切り離し、ナザリックにおける記録の保全及び、思念体の再構成に移りました。主上がナザリック周辺を探索し始めるに伴い拙僧の情報思念体として霊体としての存在も定まり、魔導国を建国し領土を得た頃には転移先との結びつきも一層強固となりによる新種族の個体として種族進化した次第。」
(わ、分からん。)
「つまりユグドラシルのシステムの一部になっていたから転移時に生命の危機に瀕し、データ保全など行い転移先で体が再生した時に新種族となったと?俄かには信じ難いが・・・何故今まで俺の前にも姿を見せなかったんだ?エ・ランテルを国土に魔導国が建国して随分経つ、我がナザリック大墳墓に帰還したことも何度もあったはずだ。」
「主上モモンガ様のお役に立つためですかの。」
「へ?」
「拙僧は霊体として霊魂を介して活動範囲内の至る所の知覚情報を同時に得る事ができます。それにより恐れ多くもアインズ様の御心を盗みみてしまいました。」
「え?見てた?全部?」
「ええ、モモンガ様の願いに沿うよう真っ先に可能な限りユグドラシル時代のギルドメンバーとの活動と会話を中心にデータログの保全を行いました。その後転移後の対策として主上の意向を汲み世界の調査の一環として活動可能範囲の調査、監視をしておりました。その際卑しくも主上の御意志を誰よりも汲み役に立とうと私室を含め活動範囲を広く広く広めつつナザリックの主上の調査の及ぶ範囲に応じて拙僧の得られる魂からの記憶もねずみ算式に増えて行きます。その拙僧の霊魂の集合体の各々の記録の集積された人格がこのレスタトとなります。全ては創造者『有象武将』様の遊び心でによって作成されたフレーバーテキストを転移の過程で実現させられた故の事でございます。モモンガ様のお一人の際に漏らした心の叫びを盗み聞きしておきながら何の罰も受けず名乗り出る事すら出来なかった小生の未熟をどうかお赦し下され。」
「ええっと、それは肉体が名乗り出れる状況じゃなかったから?その後は反省してナザリックに貢献できる実力を得られるまで陰で努力してたという・・・?」
「如何にも、主上のお役に立てると万全の準備が完了しタイミングをはかって今しかない!とお声かけした次第ですじゃ。」
「ええっと、レスタト?レスタトさん?常々思ってるんだけど俺は皆の期待に応えられるような主君じゃないし、ご存知の通り新たに知識を入れようにもどうにも地頭が・・・。」
「いえ、モモンガ様いやアインズ様は我々に対してでさえ全ての重責を負う必要はござらん。ましてデミウルゴスに漏らした万年帝国の樹立など我々が協力すればカルマ値極悪の者が多かろうとも数年、数十年単位で考えれば楽勝ですじゃ。現状の転移先のこの世界の問題とその後の魔導国維持を考慮すれば目指す指標も君主像も明白、モモンガ様の気性に合う冒険や戦闘を適度に楽しみ時折お忍びで他国に身分を隠して外遊に出るのも両立は可能ですじゃ。」
「ええ!?流石にそれは見込みが甘くない?」
「いえ、内憂に関しては小生にお任せあれ、外患に関してはその都度皆で対処すればまだ如何様にでもできまする。」
そう言いながらレスタトは自身の霊体からインベントリを介して一冊の図書を取り出し手渡す。
「当面、万年帝国を目指す魔導国の摂るべき政治は、不死種・長命種による哲人政治。スレイン法国の所持している
「そうだな。そこまで言いきれるのは有象武将さんの先見の明の名残かな?ははは、何だか泣けてきた。眼は枯れてるんだけどね。」
レスタトの穏やかな鎮静の緑陽のオーラに抱かれながら、長い長い有象武将の遺したフレバーテキストの最後の一行を読み悟の感情の閾値は超え瞬間平坦な理性が戻る。
「決めたよ。たった今から貴方はレスタト翁、俺とみんなの相談役に任命する。有象武将さんの好意に甘えて目一杯甘えさせてもらうから覚悟しろ。」
「!!御意。拙僧は魔導国相談役レスタトとして文字通り全霊をもってアインズウールゴウン様こと、モモンガ様の為ナザリックを万難から護り導いて見せましょうぞ。」
「差し当たり玉座のまでの立ち回りの打ち合わせと予行演習を2時間ほどで済ませてしまいましょうぞ。」
「げぇ。締まらないな〜」
一大決心でレスタト翁を全面的に信じ胸襟を開こうとしたアインズにはこの後の立ち回りレッスンが待っていた。これも支配者の宿命かもしれない。
開かれた『レスタト=Tギバー=フリーヴン』のフレーバーテキストの最後の文章には変わらずアインズ・ウール・ゴウンのギルメンの残した一文か確かに表示されている。
、
『【中略】自分は体調的にも仕事の忙しさ的にも、もうinできそうにありません。カンストしてからのこの半年間、過疎気味のギルドメンバーが復帰した際の助けになればと可能な限りレスタトと周回してアイテム他集めて回りました。モモンガギルマスだけのギルドになっても、新しくプレイヤーを入団させる事になっても対応できるようにレスタトはバフデバフ、情報収集方面でもオールラウンダーなサポーターとして活躍できる構成にしてます。運営からのデータの受け皿になれるように例のレベル割いた同期設定NPCですのでチュートリアルやログ管理も全部お任せあれ(^_^b
最後に、モモンガさんとはin時間帯がほぼ被らずに一緒にあまりplayできなかったのだけが心残りですが、まとめ役のバランス感覚は天賦の才能だと思ってます!モモンガさんとアインズ・ウール・ゴウンに幸あれ!レスタトおじちゃんがこき使われるアインズ・ウール・ゴウンの第二章の開幕を祈ってます!アデォオス!アミーゴ!アモーレ!!w』
悟がレスタト翁を信頼すると決めて肩の荷分かち合ったキッカケのシーンです。プロローグのクライマックスです。
前話と共にいつも誤字報告ありがとうございます。
更に数文字改稿しました。
プロローグはSS残していよいよ終わり。第一章に移行します。