あっ後吹雪ちゃんが年貢を納めます
お見合いと書いて茶番と読む
期末試験も無事に終わり、後は返却を待つばかり……そんなとある日、ママからなんかとんでもない話が私と焦凍の元に舞い込んできた
「え?お見合い?私と焦凍に?」
「ええ、そろそろやってもいいんじゃないかなって思って」
「……なんでお見合いなんかするのお母さん」
「2人ともプロヒーロー目指してるでしょ?ならお相手は早い内に決めておいた方が将来楽になるかなって思って」
「あのさぁそういうのはこっちのタイミングでやりたいんだけど?」
「そんな事言っているといざというタイミングを逃してしまうぞ?」
お見合いの話に入り込んできたのは無事に退院したパパだった……顔半分の裂傷はそのままではあるがいささかカッコよくなった感じがした……けどなんでパパまでそんなこと言うのさ
「ちなみにお見合いをする場所はI・アイランドだ、既に相手の親御さんらにも話は通していて承諾も得ている」
「ちょっと!なんでそんな勝手なことするのさ!?」
「落ち着け、見合いの相手はお前らとも面識のある子らでな……俺個人としても、冷も信頼出来る人だ。別に今すぐその子らと婚約しろとは言わんさ、お互い話し合った上で決めて欲しいんだ」
「……I・アイランド……一応聞くけど時期は?」
「明日だ」
「「急すぎる!?」」
ていうか待って?確か明日って……はっ!I・エキスポのプレオープン日じゃん!めっちゃ行きたい!でもお見合いかぁ……じゃこうしようか
「じゃあさ、明日行って相手が気に入らなかったら蹴っ飛ばしてI・エキスポのプレオープン見に行ってもいいなら行く」
「いいだろう」
「おい姉さん!」
「だって行きたかったんだもん!何せI・アイランドは移動型人工島の学術都市で世界各地から集った優秀な科学者の人達が研究・開発したサポートアイテムを先行で観れるんだよ!こんなチャンス滅多にないんだもん!」
「焦凍はどうする?」
「……はぁ、わかった。俺も気に入らなかったら姉さんと回るけどそれでいいなら」
「ありがとう焦凍、ごめんなさいね無理言っちゃって」
「学校には既に連絡していてコスチュームの持ち出し許可は貰ってあるから明日に備えて準備しなさい」
こうして謎に始まった轟家主催のお見合いが敢行された……本当にどうしてこうなった?
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翌日、I・アイランドに無事に入国出来た私たちはヒロコスからお見合い用の服に着替えております……この着物この時を想定して作ってたなんて思わなかった。そう思いながらママに着付けをされていると別の人が来た、しかも見知った顔
「……へ?」
「……ファ!?ヤオモモなんで!」
「こぉーら動かないの、こんにちは八百万さん今日はよろしくお願いしますね?」
「あ……はい……え?」
入ってきたのはまさかのヤオモモだった……しかも後ろには似た顔、恐らくお母さんかな?が着物を持って一緒に入ってきたのだ。まさか焦凍の相手ってヤオモモ?やな予感しかしない
「んでてめぇがここにいんだ半分野郎!」
「「……」」
「あぁーもう……なんだってココ最近嫌な予感は当たるものなのかねぇ」
「今の……爆豪さんの声、ですわよね?」
「ねぇママ今からこれ脱いでヒロコスに着替えてI・エキスポ行ってきていい?」
「ダメよ」
「ぬぁーんもう!ヤダ!」
なんかI・エキスポダシにして私連れてこられた感じじゃんもう!ヤダ!
「焦凍の相手がヤオモモなのはわかって私の相手が爆豪くんかぁ……ママもしかしてだけど仕組んだ?」
「うふふ、実は連絡を取り合って仕組みました」
「ええ、とても有意義なお話でしたものこの期を逃したら百に悪い虫が付いて回りそうですもの」
「もうお母様!」
「……一応聞くけど何時から焦凍に粉かけてたの?」
「粉っ!?……体育祭以降から個人でやり取りをしてたくらいですわよ、そういう吹雪さんはどうなんですの?」
「偶然の産物、そもそもとして外堀埋められるとは思わなかったもん連絡寄越さなきゃ良かった」
「なんか面白そうな話してると聞いて!」
「あぁーもう来た」
「吹雪メイクするわよ、こんにちは光己さん」
そもそもとしてI・アイランドってお見合い会場でもなんでもないただの学術都市なんだけどなぁ……警備網がタルタロス並に硬いっていう話は聞いたけどそれが狙いとか言わないよね?
「ねぇママスッピンじゃ駄目?」
「駄目よ折角綺麗な顔なのにきちんとおめかししないと行けないわよ?冬美と啓悟くんのお見合いの時もちゃんとメイクさせたもの」
「ご自身の顔の良さをご理解なさってなきゃそのようなお言葉出てきませんわよ吹雪さん」
「その割には貴女も余裕ね百、意中の子が相手だと知って余裕になったかしら?」
「フェッ!?おっお母様何を仰っているんですの!?」
「ヤバ面白この状況、誘ってよかったぁ福引の特別賞でI・アイランド行きの家族旅行券入手出来たからやりたかったのよねぇ」
元凶はあんたか光己さん……というか何であるの福引の景品に。ああもう諦めよう泣いて喚いた所で状況良くなる訳ないもの大人しく顔出してNO判定貰えば大丈夫……いや大丈夫じゃない!メイクされたら余計逃げれない!
「はい終わったわ、見せたげて皆様に」
「はいはい……はあ、これだからヤなのよメイクは」
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「お待たせしてすみません皆様方」
「いえいえ、むしろお呼び頂きありがとうございます轟さん」
お見合い会場……とは言うけど和室である。なんで学術都市に和室あるかって?知りません多分日本の人もいるからじゃないの?で私の正面には予想していた通り爆豪くんがいる、スーツ姿だけどまあ似合う
「……何か?」
「別に……(こいつメイクするとこんなに変わんのかよ)」
「(姉さん綺麗だな)」
「(吹雪さんとても素敵です!)」
「(うーんこれは是非家に嫁に来て欲しい!勝己の為にも!ひーの為にも!)」
「(皆ろくな事考えてないんだろうなぁ……あぁー早く終わらないかなぁ)」
今回は結構薄くではあるもののメイクされました、とは言うけどファンデーションにリップ、マスカラをちょろっとやった程度なんだけどそれでもだいぶ様変わりするのだこれが
「それでは只今より行わせて頂きます、本日は遠くからお越し頂きありがとうございます。娘の吹雪並びに息子の焦凍の父の轟炎司と申します」
「母の冷と申します、本日はよろしくお願いします」
「ご丁寧にどうも、百の母です」「父です」
「勝己の母の光己と言います、吹雪ちゃんを嫁に貰いに来ました」
「バッバア!てめ何言ってんだ!」
「事実だからいいじゃない!」
「2人とも落ち着きなよ、えっと父の勝と言います」
あぁーもうめちゃくちゃだよ……何よこの空気ママ笑ってないで止めなよパパも何この状況って思ってないで止めなよ
ーちょっと落ち着いてー
「あぁーんんっ!本当ならもう少し静かな空気でやりたかったが……もういい、とりあえず光己さんご確認ですがうちの娘を嫁に貰いに来たと仰っいましたよね?」
「はい、貰いに来ました!」
「それはご子息と相談した上での発言でしょうか?」
「いいえ!独断です!下の娘も吹雪ちゃんのこと気に入っちゃったのでこれはもう嫁入りさせなきゃいけないなって思って!」
「俺の意見も聞けやババア!」
「うふふ、吹雪は基本なんでも出来ますからね……ただ自分のことを勘定に入れてなくて他の人優先にしがちな子なので勝己君みたいな子が吹雪の旦那さんになってくれたら私も安心するわ」
「私の意見is何処?」
取り敢えず何とか話せる空気にはなったものの相も変わらず自由な爆豪くんちの人ら……ママもママで光己さんと意見合致してるしなんなのこのこれ。焦凍も焦凍でさぁ
「八百万は……俺なんかよりも作戦の構築上手いし機転も効くし可愛いし……」
「いえ轟さんのほうこそ……」
「……(イラッ)惚気けるなら他所でしなさいよ馬鹿」
頭痛くなってきた……これもうお見合いという名の茶番でしょもうなんか真面目にしてる自分がアホらしく思えてきたから私も自由にする
「ねぇーママ退屈なんだけど」
「あら、もう?まだ話し足りないんだけれど私は」
「私が退屈なの……これボイコットしてエキスポ行ってたほうが有意義だったじゃん」
「……勝己、吹雪ちゃんに何か言うことない?」
「ああ?あるわけねぇだろ」
「嘘ばっかり私気付いてるからね!あんたがさっきからずうっと吹雪ちゃんの顔を目で追い掛けてるのも鼻の下伸びてるのも丸わかりなんだけど?」
「「ブッ!?」」
えっ?えっ?私の顔見て鼻の下伸ばしてたの!?1に爆破2に爆破、34に暴言5にハウザーの爆豪くんが!?クソを下水で煮込んだ性格の!?絶対ありえない!
「何言ってんだんな訳ねぇだろうが!」
「でも顔赤いわよ?吹雪ちゃん綺麗だもんねぇ化粧してなくてもしててもこんなに可愛いなんてねぇ?いい加減正直に言ったら?」
「ぐっ……」
「体育祭終わった後の代休で顔合わせた後も顔真っ赤になってたし職場体験で1日一緒にいれたって喜んでたじゃない……ほぉーら、素直に言う」
「……わーったよ!言やぁいいんだろ!言やぁよ!おい吹雪!」
「フェッ!?ナニ!?」
突然話を振られてしまい変な声が出る、頭をママの肩に乗せてたけど突然の不意打ちで離れちゃったし思いのほかベタ褒めされてしまい顔に熱が篭もる感覚がした……恥ずかしい
「……お前の言動は正直言って今でも気に食わねぇ、けどな!……いつの間にかてめぇを目で追っかけるのが多くなった。体育祭が終わってからずっとだ」
「……それで?」
「ババアの言う通りに素直になんのは癪だがこれだけは言わせろ!吹雪!……家に来い、てめぇが自分のことを一切勘定に入れてねぇってのはさっき確認できた……だったらてめぇの事俺に守らせろ」
「……私より弱いくせに」
「ならその分強くなりゃいいだけの話だ、インターンだってホントはGパンとこ行くつもりだったがエンデヴァーんとこ行ってやる。夏休み入っての特別鍛錬もてめぇと同じメニューやらせろ!俺を!てめぇと同じ道を歩かせろ!」
……卑怯だなぁこの家の人らは、ママの手引きがあったとはいえ外堀を尽く埋めて逃げ場を無くして最終的に私が折れなきゃいけないなんて
「……正直私も納得はいってないし無理やり婚約されるのもヤ、でもあの時光己さんに家に来て欲しいって言われてからずっとモヤモヤしちゃってて……否定しちゃってる自分が納得出来なくなって、分からなくなって」
「吹雪……それが”恋”よ、誰かを好きになるって感情……あなたはもう少しだけ我儘を言っていいのよ」
「……そう、なのかな?」
「一緒に過ごしていれば自然と変わってくるわ、私とパパみたいなね」
「流石にそこまではいいかな……」
顔の火照りはまだ収まらない、気が変わるかもしれないけど今は応えたい……応えてみたい……私にとっての初恋がもしかしたら実る可能性だってある、性格は終わっているけどどこか優しい彼と……共にいたい
「爆豪くん、こんなどうしようもない自己破綻者でもいいの?」
「二度も言わせんな、お前が踏み外しかけたら殺してでも止めてやる」
「そっか……光己さん、勝さん……不束者ですが爆豪くんとの交際を許して貰えますか?」
「「……勿論!」」
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「はぁーあ、人生何が起きるか分からないね」
「……だな、その場のノリになってたが納得してんのかてめぇ」
「ぜぇーんぜん……ま、どうせ気が変わることは無いかもね」
お見合い……と言っていいのか分からないことをやった後メイクをそのままに髪型だけ変えてヒロコスに着替えてやって来ましたI・エキスポ会場!まあ今は爆豪くんと一緒なんだけどね
「あっそうだ」
「あ?」
「ここじゃ私たちコスチュームを着てる以上ヒーロー扱いになるからヒーローネームで呼び合わないと」
「……まあそんくれぇいいか、つかどこ行くんだニクス」
「勿論サポートアイテムの展覧会だよ!まだ試作品段階のやつだったり今後発表されるであろうもの!しかも噂じゃ無個性でもヒーロー活動できるようにするパワードスーツの試作プロップまで展示してあるとかないとか!」
「はぁ!?んな馬鹿げたもんあんのかよ!」
「噂って言ったでしよ?ただ将来的には作れるかもよ?サポートアイテムの域を越えないとは思うけど全身を覆うアーマーで個性を模倣した装備で戦う……限界はあれども技術次第じゃプロヒーローを超えれるかもね?」
系統で行けばそれこそアメリカにて大人気を誇るチーム【マーベル】の所属にして無個性でもあるヒーロー『トニー・スターク』こと【アイアンマン】がその代表例だ、彼の使用しているスーツはアメリカが先取りした次世代型技術を用いて開発されたらしく現在では汎用性に優れたパワードスーツを目標にしているとのことだ
「んな夢物語、実現すんのかよ」
「すると思うよ、架空は現実に……だよ」
「んだそれ」
「なぁーんでも!ほら行こ!」
「わぁーったから引っ張んな!」
私たちの未来は明るい……そう思っているけど、目下の目標は師匠の感じ取った直感の根源とパパ達と遭遇した【脳無】の製造者の捕縛・撃破だ……気を引き締めていこう
取り敢えずタグ回収は完了です……矢印の方向としてはまだまだだけど
・焦凍→百に対しては結構信頼を置いてる、体育祭以降から個人の交流を持っていて期末試験の実技で百に対しての好意を自覚する。お見合いという名の茶番では普通に爆発して褒め潰した挙句婚約を取り付けるくらいにはパッパの遺伝子が強い
・百→時期的には特に無かったが焦凍との交流をしていると心がほわほわすると言ったそばからこの茶番である、相手が焦凍と知るや否や感情が割と爆発して婚約を果たす(嫁入り確定)
・勝己→可愛いとは思っていたが無意識に追い掛けてしまっていたのをマッマにバレて大爆発、まだ好きの矢印がうっすいし好きの感情がまだまだだけど好きなタイプはマッマと同じっていう……血の運命だねぇ
・吹雪→自分のことを計算外にしている自己破綻者、破綻具合は出久以上オルマイ以下で皆と仲良くはするけど皆が傷つく位なら自分一人で十分と思ってるくらいにはまあまあぶっ壊れてる。そのため恋愛感情とかメイクとかはそっちのけだったけどマッマに諭されて改善を試みるため勝己との交際を決意した
次回は……その頃の轟家視点です